心と体に栄養を
夏は少し無理をしすぎ、夏が過ぎてやや暇になってもなかなか疲れが取れず、特に精神的に余り良くない状態に陥って、接客にも良い影響が出ていないと感じる毎日でした。
気分転換も含めて美容院に行っても、「少し休まれた方がいいんじゃありませんか?今のままじゃ病気になりますよ。」と言われてしまいました。考えてみれば、宿泊業にいながら、自分自身は休日モードの旅に行ったことは、ここ何年もありません。思い出すと、研修旅行を別にすれば新婚旅行だけでした。
一日中、完全なお休みという日も、それも思いかえせば、病気になった時以外全く無くて、それでは精神的に追い込まれても当然だと思わざるを得ませんでした。以前は生まれつき,接客業をする為に生まれてきたのだと自分でも思い、楽しめました。それに対しこの頃は、最近お越しになったお客様もなかなか思い出せません。接客していても楽しくなれず、自分じゃないような気がして、にっちもさっちもいかなくなっていました。
社長は、「今のままの貴方で良い。できる範囲で手伝ってくれれば良い。」とまで言ってくれます。でもまた、そういわれれば余計にもっと貢献したい。もっと力を出せなくてはと自分じゃない、と考え込んでしまいます。「一週間に一度休まなくちゃ。人間そうできているんですから。」と美容院の先生にも勧められ、(そうかもしれない)と改めて自分の生活を見直してみる必要を感じたのでした。
習字の教室に行っても、自分以外の人がみんな元気に見え、まだそんなに上達していない人でも、結構楽しんでいる様子を見て、(私は何の為に習字しているのかしら)と考えてしまいました。
東京駅から家に帰ろうとしたとき、駅に沢山の旅行かばんを持った方たちを見て、(そうだ!私も旅行に行こう。)と思いつきました。でもお金がないなぁと思っていたら、社長が「結婚10周年のために積み立てているお金があるよ」と言ってくれました。というわけでものすごく久々に、「休む為の旅」に出かけたのです。行き先は、信州・長野県の白馬村のホテルと、松本から車で20分ほどの所にある温泉宿に行ってきました。私は普段から山が好きなのです。うっそうとした森林の中に行くと元気が出ます。山のすがすがしい空気は、海には決してないものです。お天気がよければアルプスが見えたはずで、美ヶ原高原にも足を伸ばそうと思っていたのですが、残念ながらお天気はざぁざぁぶりの雨。最後の日がやっと曇天と言う程度でした。長野オリンピックがあったせいか、道路も整備されていて走り易く、山の高さも千葉とは問題にならない高さです。山にかかる雲が、やはり千葉では見られない美しさがあり、改めて山はいいなぁと思いました。
白馬村は、私が望んでいるとおりの場所で、それぞれに可愛い形の山小屋風のペンションやプチホテルが並び、町並みだけでも楽しめました。街は夏が終わったあとのシーズンなせいか、ゴーストタウンのごとく真っ暗な所が多いのには驚きました。泊まったホテルもこじんまりとした美しいホテルでしたが、平日でしたから私たちのホテルには他に泊まっている方も少なく、快適な一日になりました。
研修旅行の時は勉強なので、ここのこれは素晴らしいけど、こちらは教育が出来ていないとか、こういうのをうちでも取り入れたらどうかとか、常に仕事モードなため、寛ぐ気持ちになれないのです。今回だって、常にそうした部分に気持ちも動き、勉強にもなりました。でも、勉強しに行くのではなく休みに来たと思っているだけで、いつもよりずっと楽しく過せたのです。
湿原の散策路の散歩や美術館の見学、美味しいお蕎麦屋さんへの立ち寄り。夜はリラグゼーションマッサージとフランス料理。贅沢の極みですね。お迎えする側が余り疲れていては良いおもてなしはできるはずが無い、と改めて感じたのでした。旅人にとって、感じが良い笑顔は最高のものだとも改めて思いました。
紋屋にいらっしゃるお客様も、きっとこういう気持ちで過しにくるのです。ちょっとした心遣いやサービスは、たいしたことでなくても、とても心に染み込ました。近辺の地図をいただき、お勧めの場所を教えていただくだけでも楽しくなりました。2泊目の旅館は、私にとってはやはり同じ仕事柄やや寛ぎづらい場所でした。お休みモードでも、どうしても仕事から頭が抜けきらない自分がありました。また大きな宿屋でしたから、隅々までは行き届かない部分がどうしても発生します。料理を運ぶ方のちょっとした言葉の雰囲気も、なぜか心がこもっているように聞こえなくて、不満はありませんでしたが、なにかしっくりこない居心地でした。
でも宿屋でのアロマは最高でした。初めて90分のアロママッサ-ジを受けましたが、とても丁寧な施行でしたし、90分という長い時間も、疲れた私には必要な時間でした。肩や首が異常にごりごりでしたし、セラピストが疲れないかと思うくらい、しっかり力をいれてコリを丁寧にほぐしていただきました。「楽になりましょうね。」という言葉も、まるでおまじないのようでした。
アロマオイルトリートメントの良いところは、指圧のように単純に凝りをほぐすだけではなく、オイルの効能があること。オイルを塗ると指圧の時より手の運びがスムーズなこと。直接肌に触れて手当てをしてもらえること。などで、指圧マッサ-ジより効果が長く続く利点があります。とても言い尽くせない幸せを感じられました。
こういうものがお嫌いでない限り、疲れている方には特にアロママッサージはお勧めです。そのまま寝てしまえる環境でできるのが一番。紋屋にもアロマルームがあって良かったと改めて思いました。やはり人間、疲れすぎてはいけない。頑張りすぎてはいけない。気持ちを楽にすることや、ゆっくりすること。気を張らずにのんびりする日を作る事も大事だと思い知ったような気分です。
私はのんびりするのが苦手で、いつも忙しく動き回っていないと気がすまない性格です。でも、本当に好きなことが嫌いになってしまいそうで、怖くなりました。お越しになるお客様に良いおもてなしをするためにも、私が元気でなくてはいけないのです。
こうした日を又お互いに作れるよう、「月々5000円づつ積み立てようね」とも話し合いました。旅行に行くお金を作るというのも、なかなか日常思い立った時に出来ているということはありません。たまっていけばそれは又楽しみです。仕事は辛い部分もありますが、本来は自分にあった仕事を一生懸命に出来て、それによって自分自身が幸せであるはずです。そう感じられなくなったら、何か自分が無駄な考えに捕われている証拠なのだと、今後は気をつけたいと思います。
行き詰まった私をいたわり、私のために時間を作ってくれた主人には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。さりげないおもいやりは主人らしくもあり、改めて惚れ直してあげなくてはいけないように感じました。
きっと、世の中には私のような人間も多いはずです。良い仕事をする為に、息をふと抜きましょう。今回、旅行と言うものがもたらす気分転換の力に、新鮮な驚きがありました。すがすがしい秋の空気を旅先で満喫すれば、きっと日常の疲れも浄化できます。心と体の疲れた時には、旅行がおすすめですよ!
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◆素顔の女将◆
旅行へ出かける日の朝、ふと気が付くと自宅の玄関の扉の内側に、「携帯電話充電器、アロエ」と書かれたメモが貼ってあった。出かける前にカバンに入れる品のリストだが、充電器はともかく「アロエ」(注)ってのは家内らしい。(by aruji)
        (注)アロエ:家内の便秘薬です(^^;)

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