携帯電話にまつわる話
10年くらい前までは、携帯電話はまだ今のようには普及していませんでした。15年以上前だと携帯電話の形もやや大きめでした。私も携帯電話を持ち始めてまだ5年くらいですが、今では持っていないと不便を感じ、仕事にも多少の支障があります。
先のスケジュールや仕事関係の電話など、手帳を持って歩くのも嫌なので全て登録してあります。ですから忘れたら大変です。出先で必要な事も、みんな携帯にメモをします。行き先の部屋番号やら電車賃など、ちょっとメモをしておくととても便利です。
電車の中や車に乗っていても、社長が「あの電話をメモして。」と私が携帯にメモする役になることもあります。人と会う約束の時間などは特に入力をし忘れると、約束その物を忘れる可能性があります。
また、マナーの問題で電車の中などは通話をしづらいので、メールでの連絡もできます。仕事でなくても、人との待ち合わせには携帯がないとすごく不便です。
反対に、携帯は大嫌い。繋がれているような気分になって、自由がなくなるとかで、私の母や息子なども携帯はなくても良いという考えです。紋屋の中にも、今年の春までは公衆電話がありましたが、今は撤去になりました。部屋からはもちろん外線電話をかけられますが、意外と部屋からは電話をしたくない方もいらっしゃいます。
しかし、NTTからある程度の売上が確保できない電話に対しては撤去と言う連絡が入り、今は喫煙場所と姿を変えました。それも時代の流れです。最近では、駅のホームでも公衆電話は余りお目にかからなくなったそうです。先日、あるお馴染み様がお越しになった時のことです。ご主人さまは、釣りをしてから車で来る。奥様は、あとから列車で来ることになっていました。
ご主人様は魚が釣れないと早めのご到着となったのですが、奥様は待てど暮らせどお越しになりません。東京の家を朝の10時頃出る予定で、家に電話をしても誰も出ないそうです。
奥様は、携帯が嫌いでお持ちになっていませんでした。ご主人様は段々心配が深刻になってきて、こちらもお慰めの言葉が見つからなくなってきました。
奥様は持病があるとのことで、ご主人様は列車の中で倒れたのではと、JRの駅に電話をしたり親戚に電話をしたり、消防署に問い合わせをしたりなさっていました。
私たちとしても、なすすべがなく夕方の5時を過ぎたあたりで、さすがに落着かない気持ちになってきました。
そうこうしているうちに、それから30分ほどして奥様の聞きなれたお声が、「こんばんは」としたのです。
直ぐにご主人様にも連絡をして、フロントに下りてきていただきました。奥様はうっかり行き先を鴨川だと思ってしまったのだそうです。
内房線は単線なので、急行でさえも待ち時間が長いのが特徴です。捜しても駅のホームに公衆電話が見当たらなかったそうです。やっとみつけたら、その間に列車が出てしまった。お昼ごろ紋屋に電話したそうですが、お昼頃は宿屋が手薄になる時間帯でして、他の電話を抱えていたらしいのです。「誰も出なかったのよ」と。
そして、奥様は鴨川ではなく館山で降り、白浜ゆきのバスに乗らなくてはならないと、気づいたのがそれからずっとあとだったそうです。
結局ご到着は5時半頃だったでしょうか。良かった良かったとみんな胸をなでおろしました。そしてご主人様の心配顔を思い浮べた時、ご夫婦の愛情は素晴らしいものだなと感じました。
余りにも心配なさったご主人様は、あとはもう照れ隠しで怒っていらっしゃいました。そのお顔はもう先ほど心配していた時とは好対照。何とも幸せそうです。微笑ましいご夫婦ぶり、いいものですね。
今後は携帯電話を持たせるということになったそうです。携帯になれないうちは、電話を忘れてきたり、電話があっても気がつかなかったりしますが、やはりもっていれば安心です。ご家族、グループでのお越しの際は、どうか今は公衆電話が少なくなっていることに十分ご注意ください。又逆に、大切な携帯電話のお忘れ物、充電器のお忘れ物にもご注意ください。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
フロントの天野さんが、お客様に差し上げるキャンディーの小袋を作っていた。黄色の薄い紙でキャンディー数個を包み、上をひねってホチキスで留めるものだが、出来上がった小袋を見た家内は、「あら、可愛い!ひよこの子供みたいね」と喜ぶ。 が、「ひよこの子供」って何だ?(by aruji)

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