停電事件
先日、夕方の4時頃、急に停電しました。その日は土曜日で、全室満室。数分後に隣の旅館も、裏のおうちもみんな停電している事がわかりました。紋屋から10分ほど山の中に入った館山市の我が家でも停電しているとのこと。いったいどうしてしまったのでしょうか。
この日は天候も穏かな晴れでした。普通、停電は数分で復旧しますが、この日はなかなか回復しません。東京電力に電話をしても、「只今必死に原因究明と復旧に努めております。」と繰り返すばかり。
電気が通じないとお風呂のシャワーのお湯も水になってしまいます。お風呂に入っていたお客様からは、「いったいどうしたんだと!」と叱られます。
台風で永い時間停電した経験はありましたが、そういう時はそれ程多くのお客さまがいらっしゃらないのが普通です。12月という季節柄、日の暮れるのも早く、調理場の手元も暗くなります。全室のお部屋に懐中電灯以外の明かりを配れるほどの在庫もありません。あわてて買いに出かけましたが、近くの大きなスーパーやコンビニは、ポスレジが使えないからと閉店してしまいました。その他の小さい商店で買い求めましたが、すぐに売切れてしまいました。
当日お休みで、館山市に在住の従業員に連絡をとって、館山市で電灯とろうそく・電池などを買ってきてもらうように頼みました。とりあえずあるだけの電灯を一グループに一つ配って歩きました。
まだご到着になっていらっしゃらないお客様にも、お詫びをしながら足元を照らし、チェックイン作業も手元を照らしながらお互いに苦笑せざるをえません。
お客様の中にはいらいらして「いつ点くんだ。いつまでこんな状態なのか分らないのか!」と怒って来る方もありました。それは私たちのほうが何倍も知りたいです。はじめは非常灯が点燈していましたが、それも消えはじめ、いよいよ真っ暗な満室の宿の夕食時間が迫ってきました。調理場も暗い手元の中、遅らせずに夕食をつくりあげました。お客様の中には、「こんな中で食べても美味しくないから、もう少し待つ。」と頑張っていらした方々もありました。また、怒ってしまってろくろく食べないで、遅くなってから「何か食べるものはないのか。」と言ってきたお客様もいらっしゃいました。普段なら受けない時間帯に、一度退社した従業員を呼び戻して、通常なら有料のおにぎりセットを無料でお出ししました。もちろん、中には私たちへの労いの言葉をかけてくださる、ありがたいお客様もいらっしゃいました。「いい思い出になります。」とおっしゃってくださったお客様も。
係達も細かいお客様情報の確認をするのも大変ですし、お食事をお部屋に運ぶのも危険です。ろうそく立ても多くはないので、個人鍋のコンロにろうそくを立て、廊下や階段を照らしました。お客様には、ろうそくの明かりの中でお食事をして頂きました。事務仕事は全く出来ない状況で、電話だけはなんとか取りましたが、何事もよくはかどりません。東京電力は、午後6時以降は電話もテロップの流れるテープに切り替えられ、何も聞くことも出来ません。もしこのまま停電が続いたら、お客様のご入浴をどうしようか考えあぐねました。どんどん大風呂は温度が下がります。シャワーのお湯は出ません。
午後6時頃隣のマンションの電気がつきました。こちらももう少しかなと思いましたが、それから1時間たっても電気はつきません。
他の旅館さんも、それはそれは困っているそうでした。特に大型さんはいつもお部屋出ししていても、料理をエレベーターやダムウエイターで運んでいますので、何時もしていない手作業での運搬に相当苦労した様子です。
紋屋は何時も人力なので、その点だけは大変な強みでした。みんな早くから一生懸命に努めてくれて、本当に心強かったです。何時もより遅くまでみんな懸命によく頑張ってくれ、何よりありがたく思いました。私達責任者は、お客様への対応と従業員への労いに気を配りました。一番重要なことは、責任者である私たちがお客様へお詫びと説明に伺うこと。事情をお話ししながら、誠心誠意頭を下げることしかありません。そしてその後の対応策を考え、用意することでしょう。
ご入浴を出来ないまま休んで頂くのでは、旅行気分も半減。何とかしなければ。他の旅館さんのお風呂へ入っていただけないかと私が提案しましたが、自社バスがありません。結局、バスも貸してもらって、他の旅館へ送迎する形でご入浴を済ませていただきました。トイレの水も出なくなり、お風呂の湯を空のペットボトルに詰めました。そして配ろうと思った午後10時過ぎ、やっと紋屋に6時間ぶりに電気の明かりが灯りました。
いつもついているのが当たり前の電気。なんてありがたい電気の明るさでしょう。それからお風呂が通常に入れるようにするまで、ボイラーさんは朝の7時から翌日夜中の12時半まで、頑張ってくれました。
通常12時までのお風呂を午前2時までに、朝は6時からのところを5時半からにして、夜警さんも睡眠不足の状態で頑張ってくれました。そして、この日大変暖かい陽気だったことも不幸中の幸いでした。従業員の頑張りで、何とか切り抜けられた大変な一日でした。そして、こちらは何も悪くはないのですが、何もしないわけにはいかないサービス業の辛さ。次の日は、全室分の館内利用券とお詫び状をご用意してお配りし、お客様にも何とか納得してお帰りいただきました。結局、前日の強風が理由で、この地域に電気を送っている送電線の大元に何かが当たって破損し、土曜日の夕方になってショートして停電になったそうです。それがわかるのに大変な時間がかかってしまったということでした。
私たちよりもっと東側にある旅館では、次の日の午前2時まで停電していたそうです。大型さんなので、対応は、私たちの数倍大変だったでしょう。こんなことが起きてしまうんだと言うのが、今回の感想でした。電気がないと何もかも全てがダウンしてしまいます。新潟の被災地の大変さが、実感としてよく理解できました。
次の日は流石にストレスで、私は体が重たくなってしまい、動けなくなってしまいました。従業員のみんなのほうが逞しい。情けないですが、自分の想像を超えるストレスだったようです。
これからも、何が起きるか分らない。いつも平常心で切り抜けられるようにと覚悟し、この機会を今後に生かせるように、様々な反省と問題点を浮き彫りにした停電事件でした。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
「笑っていいとも」は生放送なので、何か変な事を言ってしまわないかと家内は心配しているが、「素顔の女将」ネタが受けたのか、テレビ局的には家内のボケぶりを期待しているのでは(笑)と私は見ている。(by aruji)○こっそり義父さんネタ○
家内宛にみかんが送られてきた。宅配便の送り状を見ると、義父さんからなのだが、家内の名前が旧姓で書かれていた(笑) いくつになっても、親にとって子供は子供なんだなぁ~。
(by aruji)

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