夢の実現に向けて
私が通っていた中学校は、書道が盛んな学校でした。私の出身小学校は珍しく書道がない学校でしたので、焦って隣駅の習字教室に習いに行きました。そして10年程習って師範免許を取得しました。それが、私と書道との出会いでした。
それから20年近く書道が出来ないまま年月が過ぎました。いつかやりたい、又必ず書道を習いたい。そう願いつつもずっと出来ないままでした。私の願いを知って、地元で文化祭があると「自分好みの書体の先生がいるか見たら」と、紋屋の大女将が言ってくれて見にいきました。でも何故か今一ぴんと来なかったのです。
そして年賀状を出す季節になって、良い手本はないかと本屋さんで見つけたのが、今現在の師・書家の石飛博光先生の本でした。
もう絶対にこの先生の字がいいと一目ぼれをして、弟子の一人にして頂きました。石飛先生は、大変有名な書家だということも知らず、実際に先生の教室に行って驚きました。書家の団体の教室という印象だったのです。それから今4年半がたとうとしています。習い始めて20年のブランクに大変な苦労をしました。最初のうちは紋屋のみんなに遠慮して、1ヶ月に一度だけ東京へ通いました。仕事が大切とはじめの2年半は、週に一度か10日に一度くらいしか練習もできませんでした。
ストレスで具合が悪くなって、いろんな病になったことがきかっけとなり、仕事に無理をしないように好きなことをする時間を増やそうと、2年半経った頃から本腰を入れて書道と向き合いました。
お客様にお便りを出したり、旅の思い出のノート書きを頼まれたり、それだけでも上手に書きたいと思い、この頃やっと少しさまになるようになってきました。今は、月に2回、6.7点の提出物のほか、年に数回の勉強会への参加、展覧会への出品と大変忙しく、その合間に館内の案内の字などを書いています。睡眠時間を削ってでも、今は少しの時間でも筆を持ちたいと週3回2時間の練習を義務付けています。又それが私の元気の素になっているのです。
先日も、一日中朝から夕方まで大きな会場の中で作品作りの練習会(錬成会)に参加しました。石飛先生をはじめ、石飛先生門下の先生がたから直接指導をしていただける貴重な機会です。しかしながら、一日中書くので、何時も筋肉痛がひどくて後が大変ではあります。今回は、二日間だったので、ある程度調整しながら取り組みました。
今、私が書いているのは、昨年ヒットしたオレンジレンジの「花」。映画の主題歌になった曲です。臨書も大事ですが、宿屋に飾るとなるとどの方にも読めて、どんな意味かわかるものが欲しいのです。漢字かな混じり文は、非常に難しいのですが、また逆に楽しいのです。
しかし、各々の先生方がそれぞれの意見をおっしゃるので、頭の中が?マークで一杯になってしまいました。ある先生が「どうした?字が金縛りにあったみたいになっているよ。」と。事情を話すと「好きなように書けばいいんだよ。楽しく書かなきゃ。」と慰めてくださいました。後になってみれば、どの先生もおっしゃる意味がわかります。それぞれをかみくだいて、自分なりにまとめていければいいのでした。なかなか思うようには進みませんが、いつか私の書の博物館的な宿屋にしたいと願っています。今はまだ、個室風食事処に3点、客室に2点、ロビーに2点の作品があるのみです。
今年中には、客室に新たに3点、廊下やロビーに3点くらい作品作りをしたいと思っています。そのためにはなるべく毎日、筆をとることが大切なのです。今現在の作品を、私が書いている事を解説してくれる従業員もいて、すこしづつアンケートにもお褒めの言葉をいただけるようになってきています。
まだまだ本当に上手くなるには、険しい山を登らなければなりません。それでも芸術はいくつになっても挑戦しつづけられます。そして是が最高というものは、永遠にないことが又やりがいに繋がっていくのです。このメールマガジンの存続も私の一つの仕事であり、夢でもあります。今に自分で詩作をして、それを筆で書いてみるというのもやってみたいことの一つです。
今春、初めての展覧会の出品をしました。初めてなので、まだ一番小さい作品、下のほうのランクです。でも、受賞することができました。せっかく高額な出品料金を払っても、受賞しないと作品が展示されません。私の作品も本会場ではなく、サブ会場で3日日間だけの展示です。
それでも、かなり高い紙を何百枚も書いてやっと仕上げたもの。なんとか展示されてほっとしました。他の皆さんも素晴らしい筆運びで、とても刺激になりました。きっとどんな人も、それなりに優れている特性があり、それを仕事に生かせればいいですね。例えば、漬物が上手なら紋屋の手作り漬物として有名になるかもしれません。また、花活けが上手な人、縫い物が上手な人、畑で花造りが上手な人、それぞれが仕事に自分の存在価値を見つけて欲しいと思います。
見つけられたら幸運。見つけられない人の方が多いのでしょう。でも、そのひとその人必ず特技はあるもの。あったらそれをお客様に紹介したいと思います。
みんなもしかしたらまだ自分では気付いていない特技、才能が眠っているのかもしれません。それを見つけ出して、みんなが生き生きできる職場として愛される紋屋であって欲しいと願います。そして、書道の勉強会、毎月の教室に行かせてもらえていること、紋屋に社長に大女将にこの場を借りて感謝したいと思います。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
白浜町のゴミ焼却場は、裏山の中にある。そのため大女将は、大型のゴミを焼却場に持っていくことを、「山に捨てに行く」と言っている。嫁いでからつい最近まで(!)、紋屋では大型のゴミを山中に不法投棄していると、家内はずっと思っていた。そう思い込む家内もどうかと思うが、遣りかねないと思わせる大女将も、よくよく考えてみるとスゴイ(爆)(by aruji)

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