二人の生活
最近は、結婚しない人達や、結婚しても子供を作らない人が増えています。結婚年齢も昔に比べて遅くなっています。結婚も苦労は多いですし、子育ては尚大変だからでしょうか。確かに子供を一人前に育て上げることは、非常に苦労も多いです。その私たちのお互いの息子が合計3人いましたが、今春それぞれが一応外へ出て行くこととなりました。息子達がいないだけで驚いたことに、家の汚れ方が10分の1くらいになり、非常に寛げる我が家になりつつあります。夫婦二人が忙しく働いていて、息子が3人というと、家は汚れ放題で、皿は割れるし、家は騒然としていて、ちっとも寛げる空間では有りませんでした。
誰かが賑やかな音楽を聞いていたり、大音量のテレビが大概四六時中ついていたりしていました。お風呂も、朝風呂の人や昼頃入る人がいたりして、本当に掃除しても直ぐに汚れてしまいました。
玄関は何時もゴミの山になっていて、靴も私以外の人の靴が一人に付き3足くらいはいつも雑然と脱ぎ放してあり、家に帰っても落着いて過せることはなく、休みを家でゆっくりなんて、そういう気持ちになれることは皆無でした。
子供たちが、いなくなってそれぞれに荷物が少しづつ残されているものの、この際いらないものは片付けようと破棄しはしめました。夫婦二人がそれぞれに自分の趣味を楽しめるように工夫をすると、恐ろしいほどの変貌を遂げ始めました。一番下の息子の部屋を主人のシアタールームにして、私の息子の部屋は私の着物たんす倉庫と書道の作品干し場となりました。リビングは12畳の広い部屋ですが、私が書道の道具を広げても充分なスペースが残りました。今まで物で雑然としていたダイニングテーブルも綺麗になり、その隣の飾り棚もやっと物を飾れるスペースに生まれ変わりました。
主人が趣味で残してきたワインをあけた後のコルクも、やっとそれなりな飾りとして活躍しはじめましたし、私の書道作品も部屋に飾られることになりました。
まだまだやり始めたばかりですが、これからも家具を動かしたり、いらないものの処分をしたりして、更に寛ぎの空間となりそうな予感です。
やっと掃除しても何日も綺麗な状態が続くようになり、掃除のしがいもあるようになりました。今までは家にいても寛げないので、疲れていても、殆ど休みでも家にいなかったのですが、やっと午前中、私は書道に明け暮れ、夜は二人で映画鑑賞、晩御飯もワインなどをたしなみながらゆっくりという事に。
主人もワインを楽しむ仲間と出かけることができるようになり、これから暫くの間は、そんな楽しみが続きそうです。これがもう少したつと、親の介護が始まったり、息子達の結婚ラッシュが続いたりと、また落着かなくなり、そしていづれはどちらかが欠けるようになるのでしょう。人間の一生は長いようで短いですね。家で寛げるようになったことで、かなり精神的に余裕が出たような気持ちです。今まで一年中なにやら追い立てられているような生活に感じていたことも、きっと本当の安らぎが無かったからなのでしょう。人間は、やはり休暇は取らなくてはならないように出来ているのですね。
好きなクラシック音楽を聞いてみることも、今までは思い出しもしない生活でした。一年に一度夫婦でお疲れ様旅行をしますが、その時くらいだったのです。休養が取れて心に寛ぎ感と余裕が出てくると、今は春の日差しが明るく海が綺麗な事や、若葉が芽吹き始めた喜びもしっとりと心にしみてきます。外ではうぐいすが鳴き始め、いよいよ暖かいシーズンが到来したことを実感します。
4月から夏休み前までは房総はオフですが、山の緑が目にも鮮やかで、海も明るい日の光を浴びて美しい情景です。今は「浜だいこん」の花がいっぱい咲き乱れています。家から宿に向かう途中も、今は窓からの風景を楽しめるようになりました。「こんなに素敵な風景を毎日眺められていいですね。」と、良くお客様から言われておりましたが、なかなか実際は、眺めている暇と心の余裕がなかったのです。
今はオフシーズンなので観光客も少ないため、道もすいています。単純に海辺でボーっとするだけでも、充分に気持ちよく過せます。夏場の海水浴シーズンではなく、暑くもなく寒くも無い今こそ、気持ちの良い散策ができるシーズンなのです。
駅でレンタサイクルを借りて、サイクリングもいいですね。海辺でお弁当を広げるもよし、スケッチをしたり詩作したりもいいのではないでしょうか。何も無いということの贅沢、都会ではありえない丸のままの自然に親しんでほしいのです。そして静かな自然の中で、ご自分の生活を見つめ直してみてはどうでしょうか。空いているオフシーズンこそ、房総へお越しください。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
下の息子と“せかちゅう(注)”のDVDの話しをしていると、それを聞きつけた家内が、「せかちゅうって、ピカチュウの仲間?」と聞く。どんなポケモンだ?(by aruji)
(注):恋愛小説『世界の中心で愛を叫ぶ』のことで、同名の映画やテレビ番組がヒット。平井堅が歌う映画の主題歌『瞳を閉じて』も、同じく大ヒットした。

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