仕事のあり方
私は、経営者という立場になってよく考えることは、自分が一般社員だった時に、どういう気持ちだったかということです。どんな上司のとき良かったかとか、どんな時に嬉しかったとか、自分がどんな姿勢で働いていたかとか、よく思い巡らします。私は百貨店の社員でしたが、ずっと同じブランドの専従でした。百貨店側とブランド側と両方に上司がいて、両方から教育を受けていました。特にブランド側のトレーナーから教えて頂いた接客のポイントは、現在の私にも役に立っていると思います。
最初の7年は、扱っていたものの関係から非常に良いお客様に恵まれ、そのお客様達によって私は成長しました。自分の天職だと思い、賃金が安くても、サービス残業やサービス休日出勤しなくてはならなくても、不満よりやりがいに支えられていました。
本来仕事とは、自分に本当にあった職につき、自分の力を最大限に発揮できていると実感する事なのかもしれません。家の中にいて姑と顔を合わせるのが嫌だからとか、家の仕事を手伝うのが嫌だからとか、どこからか逃げる為の手段ではなく、自分自身が自分の足できちっと立って、生きていくために仕事はあるのです。
単純に生きていく為、生活の手段としてだけではなく、楽しく充実した人生を歩む為に、仕事はあって欲しいと思います。もちろん賃金を頂くということは、厳しいものです。その厳しさに立ち向かうような精神力を養っていかなければなりません。紋屋では、1年に一度全体会議という従業員を全員集めて一年間の報告と、これから一年の方針を説明する会を行っています。今年もその季節が近づいてきました。
今までは、こちら経営陣が考えたことを発表し、従業員はそれを単純に聞くだけでした。やる気があるかないか、どんな気持ちで仕事に従事しているかが、その時におおよそ見えてしまいます。
本来あるべき仕事への姿勢は、働いている人達全員で、私達経営陣の経営方針にのっとり、積み上げ創りあげていくものであるはず。会社の中で自分の活躍がどれほど会社の為になっているか、普段から意識して、それが自分自身を支えている。そういう姿が望ましいのです。ですから、経営方針会でも、質問が出たり、意見が出たりしてもいいのです。また、みんなでのディスカッションがあって良いはずです。
以前に比べれば、様々な意見が従業員の方から、出されるようになりましたが、まだまだ仕事が人生の一部、仕事があっての人生になりえていない。そういう人たちのほうが多いという気がします。恐らく、それは、私達経営陣の力不足から来ているのではないかと考えます。しかし、私が前職の時に得ていた充足感は、決して上司から得たものでは有りませんでした。お客様とのコミュニケーションや、信頼関係の構築が出来上がっていくことが、何より楽しかったのです。
紋屋において、どうしたらそのような充足感が得らるのでしょうか。みんなが生き生き働ける環境作り、会社のあり方を私たちが考えて、それによって良いお客様に恵まれ、みんながそのお客様とのコミュニケーションを楽しみに出来るようにしていくことも大事な要素だと思います。
気にいる人ばかりではないでしょうが、みんなが仲よく、いさかいが無い会社であること。全員が会社の中で、自分特有の力を発揮できる職場であること。そしてそれが実感できること。
一人一人が個性を発揮して、こちらから何か支持しなくても、何をするべきか、どうしたら売上が伸ばせるか、どうしたらよいお客様に恵まれるかを考え出し得る会社であること。みんなが、そうした意識を持ち合い、自分の考えが着実に実っていくことを実感する。私達経営陣は、その環境作りが大切な仕事です。ひとことでいえば簡単なようでありますが、実際はそれが出来ている会社は、そう多くない。それが成功の鍵なのかもしれません。
1歩まちがえれば、伸びゆく芽も摘んでしまう可能性があります。厳しさはもちろん大切ですが、もっと大切な精神性を育てていきたいのです。私には力が大きく足りていません。でも理想を掲げ、それを諦めずに努力して行きます。黙っていてもみんなが経営者としての姿を認めてくれるような、大きな器の経営者でありたい。
何かミスをした時、素直に謝りあえる、また、会社内外の悩みを相談できる、そしてお互いが支え合える同僚ではないが、紋屋の中での同志的な存在でもありたい。それが一般社員であった時に、私が経営者に求めていたものだったから。そんな人はいませんでしたが、だからこそ理想に近づきたい。
これからも、まだまだ経営者としての勉強が続いていきます。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
サッカーの日本代表・宮本選手のインタビューを家内と見ていた。「宮本って、なかなかイケメンだよね」と私が言うと、家内は「キム・ヨンジュンに似てる」と言う。誰だぁ~、キム・ヨンジュンって?(本人は、チャン・ドンゴンと言いたかったそうです)
(by aruji)

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