一人旅
先日、前職の時の同期生が突然泊まりに来ました。何も聞いていませんでしたし、同期と言っても同じ職場で働いた事もなかったので、「こんにちは、覚えていませんか?」といわれたときは、正直すぐには思い出せませんでした。花粉用のマスクをしていたので、取ってもらいお話をしたら思い出しました。
私が退職してから8年たっています。彼女はまだ頑張っているのだと感心し、また、私のことを良く覚えていてくれた事。そして決して近くもないのに、来てくれた事に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
恐らく様子から彼女は上の立場となって、相当ストレスも多いものと思われました。私は前職のとき、彼女が入社する2年前からパートとして働いていたものの、正社員になってその後8年在職していたので、共通の話、一緒にいた人たちの話、懐かしくて本当にいろいろ話に花が咲きました。
彼女は一人で来たのですが、なかなか他の旅館では、一人旅が出来る所は少ないそうです。この日は、比較的すいている日だったので、お食事もお部屋でした。食後アロマをして、『贅沢だ』と彼女は言っていました。昔、女一人旅は自殺の危険があると言われていましたが、今はほとんどそのような事はありません。私が嫁に来てから一度だけ、喧嘩でもしたのか、訳のわからないことを言って、結局部屋に代金を残して帰った方がありました。
また男性で何日も滞在し、何時帰るのか分からない方もありましたが、そういう特別な事はそう多くはありません。
紋屋のお馴染様の中にも、「友達とわいわい来るのも好きだけれど、時々一人でゆっくりしたいときもある。」とおっしゃる一人旅ニーズのお客様がいらっしゃいます。また、二月に一度、定期的にいらっしゃる方、絵を描いたり本を読んだり散歩をしたり、本当にのんびりとなさるためだけにお越しになり、明日からの元気を取り戻す、そういう一人旅を満喫なさっていらっしゃる方は、結構あります。
部屋からの眺望は最高ですし、絵を描くだけでなく写真をとりにくることも、いつもお天気や風によって、同じ海もまったく違うように見えるので、飽きないと思います。
日頃人間関係で疲れている、仕事のノルマやストレス漬けになっている時に、ふらっと一人旅はいいものです。宿屋側からは、たいがいあまり効率が良くないので好まれませんが、そのようなお客様は、意外と心のうちをポロっと見せてくださって、リピーターになることが多いのです。
紋屋には古いタイプの小さい部屋もあるので、少し手を入れて、一人旅にちょうど良い雰囲気に仕立てたら素敵だなと思いました。私は、普段一人ではどこかへ出かける気持ちにはなりません。なにかさびしいような気がしてしまいます。どこへ行くのも一人では心細いのです。でも友人の中には、外国でも予約なしで、行き当たりばったりの旅を楽しんでいる人もいました。国内で比較的簡単にいけて、宿ももう顔見知りでしたら、行きやすいですね。
最近は、ご家族があっても一人で旅に行きたい方は多いようです。先日も、ご家族でいらした方が、「いいところだね。ここ釣り出来るんでしょ。一人でもいいのかな。」とおっしゃっていました。また世の中の事情で、熟年離婚が増え、長寿の時代になってお一人の方が多くいらっしゃるようになりました。普段から一人でも楽しく、またさびしくないように過ごせたら、楽しい老後になるかもしれません。一人で楽しく出来る趣味を持ち、快適な人生であってほしいものです。
年齢が上がってくると、海外は一人ではいけなくなるそうです。国内なら簡単に行けます。日本にもたくさんいいところはあります。人間が作った施設ではなく、自然に触れ、宿の中ではのんびりする。
女性なら、思い切りお肌の手入れを念入りに出来るエステやアロマをして、夢見ごこちになるのも良し、思い切り好きなお酒を飲むのも良し。上げ膳据え膳で過ごせるのも嬉しいはずです。日本の宿屋も、そうした需要に応えたいです。素敵な一人旅の趣向を、これから考えていきたいと思います。
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◆素顔の女将◆
ゲルマニウム温浴室の名前をどうしようか、という話しになった。いろいろ案を二人で考え、いくつかに絞り込んだが決めかねていたところ、家内はこれがいいと決めた。理由を聞くと、事前に「墨で書いてね」と頼んでおいたので、選んだ名前が一番書きやすいからだという。そういう理由で決めるって、どうなんでしょうねぇ~(笑)
ちなみにその名前は「龍水」。入口近くに、墨蹟鮮やかな家内の書を飾りました(^-^) 宜しくお願い致します。m(__)m(by aruji)

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