仕事は楽しくなくては
先日、ある設計事務所についてテレビで放送していました。そこのオーナーは、昼食を毎日みんなでテーブルを囲んで、一緒に食べます。じゃんけんをして負けた人が、食材の買出しからして、みんなのお昼を作るのだそうです。
その日の係は、オーナー自身でした。事務所の中にはいたる所におもちゃが置いてあり、仕事で少し一息つきたいときに遊べるようにしてあります。ここのオーナーの、仕事は楽しくなくては、いい仕事が出来ないからという考えから来ているそうです。
それを見たとき、私はこれが私の望んでいる職場風景だなと感じました。
紋屋では一年に一度、経営方針を発表する全体会議が行われています。以前は、
社長が2時間くらいかけて、今までの経緯や今年度にかけることについて熱弁を振るっていました。そして終わったら、すぐ通常の仕事に戻っていました。
人によっては、本当に熱心に耳を傾けてくれる人もいますが、何を感じているのか分からないような人もいました。長いことただ、座っていることに疲れたといっている人もいました。
どんなにいい内容の話だとしても、従業員がきちんと受け止め、自分達がその内容に沿って仕事をするのだと、思いを新たにしてくれなければ意味が薄れるような気がします。
難しい話や、紋屋の従業員にはなかなか通じない英語の部分を避け、なるべく簡潔に、書類も少なくして、なるべく本人に書き取ってもらうように、少しづつ改善してきました。
そして社長が話すだけでなく、その後にゲームを行い、食事会を催すようになりました。
しかし、みんなで和気藹々と楽しい食事会にはあまりならず、なぜかいつもシーンとした食事会になってしまいます。フロント回りは、いつも私たち経営陣と一緒にいるのが常ですが、調理場や客室係達、内務(布団敷きや皿洗い)などはそうではないので、堅苦しくなってしまうのでしょう。

人数が5人くらいまでだと非常によくまとまりますが、10人以上になると派閥が出来たり、グループ別になったりとなかなかひとまとまりになりません。そのためにもなるべく毎日、今日はフロント、明日は客室係、明日は内務と一人が何役もやって、どの立場もみんながよく理解し、私達経営陣ともっと気軽に話が出来る体質であって欲しいと思います。
経営者は決して偉いわけではありません。また、働いている人たちを締め付けているわけでもなく、会社の進むべき道を模索したり、繁盛するようにさまざまな仕掛けを考えたり、何かあったときの対策を考えたり、どちらかというと頭脳の部分だということなのです。
さらに大きい会社となると、もう末端と取締役とでは全く別の世界に生きる人となってしまいますが、私達紋屋では、決して大きい宿ではないのですから、もう少し風通しがいい、誤解や誹謗中傷などが少ない会社でありたいと思います。

結婚するときには、ユーモアがある人と結婚なさいと、かなり昔何かに書いてあったことがあります。そのときはぴんときませんでしたが、やはり毎日眉間にしわを寄せてまじめになんにでも取り組むだけではなく、どこかふわっとした空気が欲しい。家庭でも会社でも、笑顔が絶えない楽しいムードが大事だという気がしてなりません。
私の実家はどちらかというと非常に堅くて、あまり楽しい話題と言うものはなく、いつもどちらかというと暗い、まじめな話ばかりが多かったように思います。
それに比べて社長は、機嫌がよければ(機嫌が悪いときは最悪ですが)結構楽しい人で、毎日笑っているような気がします。昨日も、そろそろ夏の着物の準備を考えなくてはと、夏帯を出していろいろ考えていた時のことです。
その間に帰宅した社長は、私を驚かせようとタンスのすみから片目をだして私を見ていたらしいのですが、私がなかなか気が付かなかったので、痺れを切らして首をタンスの脇、それもわざわざ寝転んで、タンスの一番下の脇から出して私を驚かせました。
びっくりするのは嫌ですが、そんな事ばかりをして、家にいる時の社長は私をいつも笑わせます。ジョークやユーモアが飛び交うような雰囲気は、人の心を癒し寛がせると思うのです。

ところが社長は、会議の場となると余り砕けた雰囲気は望まず、もっとピシッとした、時間的にも無駄がない、議論する会議を望みます。
私は、以前ある有名ブランドのトレーニングを受けていました。トレーナーによってかなりその内容に違いがありました。
フランス本社から、またさらにトップのトレーナーが、そのトレーニングを見ていて、余りにも厳しすぎる、息も出来ないような内容のトレーニングには、非常におおきな批判が出て、その後、そのトレーナーは、お客様からのクレーム対応係になりました。
もちろん仕事には厳しさが当然必要ですが、厳しさとやさしさの使い分けが、私にはまだまだ難しく、いつもいつも甘いか、時々厳しすぎるかになってしまっているような気がします。
お客様に対するのと同じように、従業員についても私はいつも考え続けているのですが、経営者というのはなかなか難しく、また辛い立場だと感じます。会社の経営者になってまだ日が浅い方や、会社で上の立場となってさまざまな葛藤をしている方、皆さんは、どうしていますか?
どうしたら、会社が楽しい雰囲気になるのでしょう?
また、どうしたらそのうえで、厳しく数字を追及していけるのでしょうか?今日は、ちょっと悩んでいる私の話でした。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
紳士服のアオキが、店舗を移動して新装開店した。その前を車で通りかかった時、家内が「あら、看板変わったわね」と言う。青地に白文字でAOKIの看板はどう見ても前からのもので、変わった様子はない。そう言うと家内は、「前は漢字だったじゃない」と主張するが、“青木”の看板を見た記憶はない。その旨を伝えると、「あれ? 漢字は青山だったっけ?」 可哀想なAOKIさん...。(by aruji)

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