生まれてきた理由
皆さんは、自分が何のために生まれてきたか、考えたことが有りますか?私自
身、まだはっきりとはわかっていませんが、それを考え今に実感し、世の中に
少しでも役立つことが出来る自分でありたいとは思っています。
私は小さいときから、今に接客の仕事をしたいと思ってきました。それが、ど
うしてそう思うようになったのかは、はっきりとはしないのですが、たぶん母
の働く姿を見て育ち、それが私の基本になったからなのではないかと思います。
宿屋のおかみという仕事は、正直に言って自分の天職とはなかなか思えず、か
なり苦しんできました。でも、おかみになったから好きな書道も出来るように
なり、メルマガも書けるようになり、本の話も出るようになったのです。
私が、単なるどこかの会社の一社員であったら、恐らく何も実現しないのでは
ないかと思います。今まででは経験できなかったような多くの方々と出会い、
可能性が驚くほど広がってきています。きっと、こうなる事がはじめから決ま
っていたのだろうと、このごろは思います。
せっかく生まれてきたのだから、自分の存在そのものを誰かに喜んでもらえら
素敵ですね。
生まれてきた時、親は普通五体満足だと安心し、よかったとまず思いますね。
でも、見た目にすぐわかる障害の有るお子さんが生まれてくる場合もあります。
紋屋にも、今夏は障害の有るお客さまが多くいらっしゃいました。その中でも、
私のなかで深く印象に残ったお客さまがいらっしゃいました。
ベビーマッサージの予約を私が承ったお客様だったのですが、そのお子様は奇
形があって指が5本なく、足の発達が悪いということでした。もし他のお客様
と一緒にするのだったら、親の問題なのだが違う時間にしてもらえないか、と
いうことでした。
心が痛くなるお話でしたが、「それなら余計にベビーマッサージをして差し上
げると良いですよね。」とすぐ言葉が出てしまいました。毎日、親御さんの愛
情でマッサージをしてあげたら、きっととても良くなると私は思ったのです。
それでも、その日担当するスタッフにはその話をして、もし不安が少しでもあ
れば、ベビーマッサージの先生に質問しておいたらと、話しておきました。
終わった後でスタッフに聞くと、とても良い光景だったそうです。とにかくご
両親があの方々なら、お子さんはきっと大丈夫とスタッフは言っていました。
実際お目にかかったお子さんは、少し体が小さいけれど、とてもかわいらしい
お子さんでした。指が1本なくても、足が細くても、きっと立派に育つだろう
と思えました。
『人は必ず、誰かに喜んでもらうために生まれてくる』と、私が一度だけお目
にかかった、ある経営コンサルタントの方はおっしゃっていました。その方の
お子さんも、障害者だそうです。
先日、私の本を出しませんかとお声をかけてくださった出版社の方から、たま
たまそのコンサルタントの方の書いた本を受け取りました。その中にそのこと
が書いてあったのです。
その方は、障害を持つご自分のお子さんが入院していた時、同じ部屋にほかに
二人のお子さんがいて、一人は特に重症で、体を動かすことも表情を変えるこ
とさえも出来ないお子さんだったそうです。
でも、入り口に一番近い場所のベットだったので、毎日「○○ちゃん、おはよ
う。」と声をかけていたそうです。そうすると、ある日、そのお子さんのご家
族が、「この子はあなたのことが好きなんですよ。あなたがいらっしゃると、
いつもほほえんむんです。」と教えてくれたそうです。見た目には、表情ひと
つ動かさないように見えても、ご家族にはわかるのだそうです。
人によっては、障害を抱えた自分の子を人に見せまいとする方もあります。で
も「五体不満足」を書いた方のように、なるべくなら、五体不満足であっても、
周りのご家族には明るくあってほしいですね。もちろん私には恐らく絶対に出
来ないことですが。
高校の時、私の同級生には、兄弟に片目がない子がいるという人がいました。
そのころ、どこかのカレーの宣伝で「お目目ちゃんが落ちちゃうよ。」という
歌が流れ、同級生はそのコマーシャルが嫌いだといっていました。直接傷つけ
なくても、本人や家族が傷つくという場面もあります。
子供を産むと、一番最初に「五体満足ですか?」と聞きます。もしそうでなか
ったら、やはり親は嘆きます。一生それを背負って生きていくことは、普通の
人間が考える以上に、大変なことに違い有りません。
でも、そのお子さんの出生に、まず、親である人が喜んであげられたら、生ま
れてくれてありがとうと心から思えるようであれたら。
きっと私が親だったら、100パーセント嘆いてしまうと思います。障害を持
つ子のお母様方は、ご家族の中でも一番疲れていらっしゃいました。
「どんな人でも誰かに喜んでもらうために生まれてくる。」素敵な言葉です。
障害者の親御さんである方の言葉だから、余計に重みがあります。
つい、自分の子供の出来が悪いと、嘆いたりさげすんだり。一番最初に五体満
足ですかと聞いた自分は、どこかへ行ってしまう。自分自身を改めて反省しま
した。
いかなる障害があっても、きっと誰かが心からあなたの存在を喜んでくれる。
そう信じてほしいと、心から願った今年の夏でした。
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◆素顔の女将◆
それほど耳の良い方でない家内は、あまり良く聞こえない時に自分の耳を引っ
張る。普通は耳に手を当てるのだが、相変わらず変な仕草をする人である。
(by aruji)

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