あったら良いな
私は今旅館のおかみをしていますが、嫁に来る前はホテル派でした。昔の旅館はみんな食事が部屋出しで、客室係に気を使わなくてはならないのが億劫だったのです。

また、昔はお風呂に置いてある石鹸が固形石鹸だったので、よその人が使ったものを自分が再度使うのが嫌でした。また、布団を上げ下げした部屋は埃がたつのに、そこで食事しなくてはならないのも、好きになれませんでした。
人を配置するので仕方がないのですが、布団を敷く時間や食事の時間が自由にならないのも、縛られている感じがしました。
お腹が空いたら食事、眠くなったら寝るというのが私の好みなのです。
それに私は、どちらかというと和食よりもイタリアンが好きですし、特に朝食は100パーセント洋食ですので、ホテルのバイキングに和食があることが不思議です。
大風呂で知らない人とお風呂に入るのも落ち着きません。特別温泉好きでもないので、お風呂に何回も入りたいとも思いません、そういう私が旅館に嫁いでしまうのですから、不思議なものです。

紋屋では、朝は布団を上げませんし、レイトチェックアウトがあるプランも作りました。先日、あるお客様からご予約を頂きましたが、そのお客様は「朝寝坊プランで。」とご指定なさいました。
そんなプラン名はありません。13時チェックアウトの眠り姫プランだと納得して話を進めました。プラン名を新規に作ってしまうお客様の発想は、楽しいものでした。もちろん朝食の洋食も取り入れました。
今現在はどこの宿屋もお風呂のシャンプー類はポンプ式です。よそ様がはいたスリッパをはくのが何よりも嫌だった私は、数年前からそのようなことがないようにしました。自分自身が嫌だと思うことを排除し、私のように旅館嫌いな方でもお越しになれるようにと考えました。最近は私も歳のせいか、旅館もいいかなと思うようになりました。特に大きめなお風呂に一人で入るのがお気に入り。しゃれたお食事処での食事なら、ホテルよりかえって良いかもしれません。ホテルだと、隣の人とのしきりはあまりないですから。
一番好きなのは、やっぱり旅館でのリラグゼーション。ホテルだといちいち着替えが発生するので余り寛げません。ひどいところは、いったん外に出なければならないところもあります。
お部屋で良いのは、二間か三間あり、ベッドルームもあって布団敷きがいらない。大風呂に行く必要がないくらい、専用の大きいお風呂があれば、もう文句がありません。しかし、そんな宿は1泊ひとり5万円以上しますから、高嶺の花ですね。
紋屋は古い施設ですから、二間続きの部屋さえひとつしかありません。そのかわり、ご料金も普通の料金になりますが、少しでも私が嫌いな点は無くしていきたいものです。本当は、献立も何とおりか選べるようにしたいですし、ご朝食も毎日必ず洋食か和食か選べるように出来たらベストです。
部屋の入り口まで朝食を持ってきてくれるスタイルは、一部のプランで導入していますが、このようなチョイスはお客様にとってきっと嬉しいだろうと思います。

最近、JRのスイカカードと私鉄や地下鉄で使えるパスネットが両方で使えるようになると、テレビで知りました。近いうちに関西でも使えるようになるらしいです。
確かにJRと地下鉄とを乗り継いで目的地に行くときなど、多少の面倒くささを感じていました。今後両方で使えたら、とっても便利ですね。バスなども、関東バスと西武バス両方で使える共通カードを出しています。
利用者の便利や要望を考えると、もともとはじめからそうだったらよかったのだと思います。コンビニエンスストアなども、常に新しい商品をそろえ勉強していると、いつも感じます。先日も、東京へ行ったときに、パンの品揃えで「へぇー!」と思うことがありました。
神戸屋のこだわりパン工房のもので、「ちぎれる○○パン」というものがありました。買ってみると、確かに食べやすい。ホットドッグやジャムとホイップクリームが入っているようなパンは、かじるのが女性としては、ちょっと抵抗があります。
かじると、パンのどこからか、パンの中身が飛び出してきて、見た目がおしゃれでないのです。
女性としては、食べ方がなるべくおしゃれであってほしいのです。かじるよりはちぎって食べられたほうがいいですよね。また、以前は全く置いてなかった生の果物や野菜も、ほんの少し置いてありました。最近は、値段が安くてかなり遅くまでやっているスーパーが出現し始めているので、コンビニも負けてはいられないと、品揃えに工夫しているのだと思いました。
私は野菜が好きですが、コンビニではカットしたサラダしか買えません。
何箇所も店を回るのも大変ですし、駅のそばのコンビニで簡単に買い物を済ませたいとき、ほんの少量でも生野菜や果物を置いてくれると、私としては嬉しいものでした。
ちょっとしたことなのですが、大事だと感じます。常にこうだったら良いのにと、ふと思っていることに着目する。それが売上を向上させるコツだと思いました。そういう意味では、宿屋も同じ。もちろん改装にはお金がかかるので、簡単にはできません。また、人の配置が必要なことや職人の手を煩わせることも、やり方の工夫を試みなくてはなりません。
なかなか実現できなかった離乳食もずっと好評ですし、洋食のニーズも、思ったほどでありませんが、必ずあることは事実です。
全員の皆様にすべて同じ物をお出しする。
調理場としては一番簡単ですし、手間もはぶけて無駄な在庫も抱えなくて済みます。でも、何らかの実現方法はあるはず。紋屋は施設が古いので、それをほかで補うしかないのですから。
「うちは施設が古いから、、、お風呂が小さいから、、、」といろいろデメリットがあっても、事前にその情報さえ流しておけば、クレームにはならなくなってきています。
最近のアンケートは、施設が古い旅館だと覚悟してきたが、皆さんの温かい応対に心が和んで想像以上に寛げた、と書いてくださる方が増えています。
お客様にとっての施設面以外のニーズを叶えることに着目していればOK、ということなのでしょうか。
そのお客様にとっての「ほかのニーズ」さがし。難しいですね。
でも、なかなか楽しそうです。
そういうことを考えるのが、私のおかみとしての楽しみのひとつかもしれません。皆様のご様子を拝見させていただきながら、いつも素敵なヒントいただきたいと思います。

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◆素顔の女将◆
日ごろ、あまりテレビを見ない家内との会話。
  家 内:「この娘だれ?」
  aruji:「木村カエラ」
  家 内:「知らないなぁ~。」
  aruji:「え~!  以前、チョコレートのCM(※)にも出てたじゃない。」
  家 内:「マットンキッシュ?」
あのね、そんな変てこな社名のメーカー無いからね。
キットカットは「マッキントッシュ社」製!(by aruji)
  (※)木村カエラが以前出ていたチョコレートのCMは、森永のpinoです

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