人事ストレス
私の仕事の中で、最近最も重要な部分が人事だと思います。人の採用から、どのように人を配置し動かすか、どうやってその人にあった育て方をするか。
忙しくないときは、経理や社長からなるべく人件費を削減するように言われますし、忙しいときは、みんなをなるべく疲れないように、平等に休ませることに頭を使います。
通常の会社ですと、土日や祝日が休みと決まっています。働く人は何日にデート、この日にコンサートと予定が早くからたちます。
販売業もたいがいは1ヶ月単位で、個人的に休日はいつといつと決められ、それにしたがって休日を取得します。

ところが宿屋に限っては、ご予約が前日の夜中に入る、当日にフリーでいらした方が、5組も6組もということがあるのです。
1週間単位で、月はAさんがやすみ、火はBさんが休みと計画を立てておいても、そのとおりにはことが運びません。
房総はオフシーズンが多く、従業員もぎりぎりの人数で廻しているので、オンシーズンは休日の取得が非常に難しい状態になります。
疲れてくればミスも出やすくなります。従業員同士の思いやりも擦り切れて、トラブルも多くなります。若い人達は、休日がぎりぎりまで分からないと言うシステムを嫌います。
そういうなかで、田舎特有の近所のお付き合いで、同じ地区で人が亡くなれば、会社に来られないという事態が発生します。都会でそんなことを言ったら首になってしまいますが、田舎ではそれが当然なのですから、最初はすごく驚きま
した。本来であれば忙しいことは良いことなのですが、微妙なタイミングで一組二組と増えていくので、人の配置をする人間にとっては、増えるたびに強いストレスを感じます。
急な病人も出ますし、計画はあくまでも計画にとどまります。しかも小さい宿屋では、どの人にもたいがい2箇所か3箇所の兼任をしてもらっています。
売店係 兼 お茶だし係 兼 ベビーマサージ 兼 客室係ということもあります。そうすると、突然ベビーマッサージの予約が入れば、すべての係に関係してきます。さまざまな予約が入るたびに、私はいつも悲鳴を上げています。
その様子を毎日見ている事務所の中の従業員達は、「忙しいことは良い事ですよ。」とか「私が出てきましょうか。」「私が出てきても良いですよ。暇になってからお休み頂きますから。」などと言ってくれます。本当にありがたいな
と思います。
良いスタッフに恵まれているんだと、感謝せずにいられません。私は、働いている人達が少しでも働きやすい、楽しい遣り甲斐がある職場にしたいのです。
でも理想にはまだまだ遠く、重労働ですし休みも定まらない。だからと言って厳しいことも言わなければ、会社として伸びていきません。

みんなに平等にということも大切なことですが、人によって体力も気力も、家庭の事情も違います。その人の適正を見ながら、やはり体力があって、仕事量をこなせる力がある人に、大人数のお客様を持ってもらうことになります。
とっても体力がない人、心臓が悪い人、腰に爆弾を抱えている人、ひざに水がたまる人、そういう人達の顔色や様子を感じ取りながら、人の配置をする。
どうしても平等と言うわけには行かず、申し訳ないと思いつつ、大人数を持ってもらう人はいつも決まってしまうのです。
それは体力のない人をかばうと言う意味もなくはありませんが、体力のある人を評価すると言う意味合いもあります。体力があるから当たり前と思っているわけではなく、評価もするし期待もすると言うことです。
また、その人のもっている能力を見つけだし、育てていくのも私の仕事。配膳に力がない人は、ほかで力が出せれば良いのです。そんなことを毎日悩み苦しんでいると、姑が「そんなに神経使ったら、あなたが病気になる。」と言います。「もう少し図太くならなければだめだ。経営者は、優しいだけではやっていけない。」とたしなめられます。
確かに、経営者はたまには取引会社と駆け引きもしなくてはならないし、お客様の為に、本当のことを言えないこともあるかもしれません。
でも、私はこれでも昔よりはずいぶんと強くなったほうで、これ以上強くなれる自信は今のところはありません、私が以前勤めていた会社も、1ヶ月の休みはチーフが決めていましたが、「全員の公休希望なんて聞いていたら、とってもやっていられないわ。」と子供がいた私だけ、1ヶ月に一日だけ希望を聞いてもらっていました。
私が、「○さんは、ご主人が木曜日がお休みだから、たまには木曜日にお休みを上げたらどうでしょう?」と言っても、「私みたいに意地悪なのと、優しいのが両方いて丁度良いのよ。」と相変わらず、希望は聞かずにいました。今か
ら考えると、気を使えば自分が大変になるとわかっていて、希望を聞いてやらないことが、自分を守る手立てだったのだと思います。人の気持ちや様子、そういうことに気がつかない。気づいても放っておく。本人が言って来るまで何も自分が手当てをしないというのは、私には無理です。

毎日抱えるストレスをどうやって解消したら良いのか。イメージトレーニングや、とりあえず今は股関節の治療の為に毎週東京へ行くので、場所を移してしまうと言う方法しかありません。
会社は、従業員達が働いてくれるから成り立っている、と私は思っています。もちろん指導はしなくてはなりませんが、みんなと心をひとつにしたい。一緒になって泣いたり笑ったり、気持ちの上でいろんなことを共有できたらいいなと夢見ます。
プランを考え、おもてなしを練り出していけるような、みんながいつかきっと、紋屋で働くことに目を輝かせてくれるそんな会社にいつかならないかな。
ここ2ヶ月間ずっと忙しく、すっかりストレスで頭の中がパニックになっていました。情けないことに、私は早くひまにならないかなと思っています。
ひまになれば、売上がないことのストレスに悩まされ、人件費やその他の削減にうんざりするのに、どうしようもないですね。やはり稼働率を上げて、多くのスタッフを抱えても大丈夫な強固な宿になるのが一番です。ひまになってもやることは山積み。ちょっと体を休めたら、又次に向かってスタートです。これからも応援してください。ちょっと疲れているおかみの、今日のメルマガでした。

--------------------------------------------------------------------------------
◆素顔の女将◆
家内とたまたま「膀胱」が話題になったが、どうも話しがつながらない。
念のためよくよく聞いてみると、家内は「肛門」と勘違いしていた。
「ぼうこう」と「こうもん」、普通間違えるかねぇ~!? (aruji)

ご予約・プラン紹介はこちら