小林研一郎さんの話から
私は、1978年頃から指揮者の小林研一郎さんのファンです。彼は、よくコバケ
ンと呼ばれ親しまれています。娘時代は、東京で行われるコンサートにはほと
んど出かけていました。

昔から小林さんがつくりあげる音楽は、熱い感動に満ち溢れていました。現在
67歳になった今でも、その熱さは衰えるどころか、尚一層趣を加え、本当に素
晴らしいの一言に尽きます。


先日、偶然あるテレビで小林さんが出演している番組を観ました。珍しく音楽
番組ではありませんでした。

小林さんは、福島県のいわき市の生まれです。母校の小学校に出向き、課外授
業を行うのです。



まずは、子供たちにオーケストラの音を紹介し、次の日から教室で子供達と話
し合います。

二日目の教室では、まず小林さんが「隣のお友達に感動をしてもらえるような
プレゼントを考えよう。」と言います。そして選んだ理由も発表します。与え
られた時間は10分くらい。ほとんどの子供たちは頭を抱えてしまいます。

そのあと発表してもらいますが、考え付いた子でも鉛筆やノート止まり。それ
も『もっと勉強して欲しいからです』と言う理由でした。そのほかの子供たち
は、『何も思いつきませんでした』という発表に終わりました。

教室を出た小林さんも「難しいですね。」と顔を曇らせていました。私も、何
か現代を象徴しているようにも思えました。



電車に乗ると、ほとんどの人たちが携帯電話に向かい、メールやゲームをして
います。最近は、音楽やテレビも携帯で楽しめるので、いよいよそういう傾向
が強くなってきました。先日、私の隣に座っている男性は、ずっと携帯でテレ
ビを観ていました。小さいな音ではありますが、やはり音が出ています。少し
気になりました。

高速バスに乗っても、うるさいと言う範囲を超えた大声の二人連れや、音楽を
流している人が結構います。結局、現代人は自分のことだけ考えている人が多
いのです。電車やバスの中の風景が、それを物語っています。

心の病気が、日本でも最近はかなり取り上げられるようになってきましたが、
現代の若者は、悩みを友達に相談できない人が増えているそうです。暗いやつ
と思われるのが辛いのだそうです。

コミュニケーションが希薄。教室の子供たちを見てもわかります。せっかく隣
同士になっても、気持ちが通うような会話をしていないのですね。



小林さんは子供たちに、おうちに帰っておばあちゃんにどんなことが嬉しかっ
たか聞いてみるようにと宿題を出しました。

おばあちゃんたちは、それぞれ昔の出来事を子供に伝えます。多くは、本当に
些細な出来事なのですが、きちんと会話や心の通い合った生活の中の出来事を
話していました。


三日目の授業では、子供たちは隣の友達と会話をし、最近の悩みや将来の夢な
どを聞きだし、プレゼントを考えることが出来た様子がながされていました。

小林さんは小さい頃、作曲家を目指しましたが、父親に反対をされたそうです。
でも、母親が理解をしてくれて、手書きの五線譜を用意してくれたのだそうで
す。良いお話ですね。きちんと会話をする、相手をよくみる、大事なことです。

小林さんの熱い音楽は、こうした心から生まれてくるのだと、初めて知ること
ができました。彼の熱い音楽は、温かな心から生まれてきていたのです。



接客の現場でも、寛ぎにいらしたお客様を遠くからよく見守る、はじめておみ
えになったお客様の心を、リラックスさせる最初の切り口、結構難しいです。

      アンテナを立てて嗅ぎ取り、そっとご提供する。

         それが私たちの使命だと感じます。

そうしたことを真剣に考えて、接客してくれているサービス業の人たちは
どれくらいいるでしょうか。


先日、紋屋ではお祝いのプランや新しいお子様連れプランの会議を行いました。
どうしたら、お客様が喜んでくださるか、ふだんお客様からよく聞く言葉など
をヒントに、みんなで一生懸命考え出したのです。


        小林さんの授業と同じだと思いました。


そのように考えると、難しいけれど、私たちに出来ることはまだまだたくさん
あるような気がします。

隠れているヒントをたくさん掘り出して、よいおもてなしをしていきたい。

大好きな小林さんから、すごく素敵なプレゼントを戴いたような気持ちです。

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◆素顔の女将◆
最近は文章を書き慣れてきたせいか、題材が決まるとスラスラと書き上げる。
今回もネタが無いと困っていたが、一緒に見たTV番組の話しに水を向けると
何とか様になった文章に仕上げてきた。やるねぇ~! (by aruji)
  ↑
 と書いたら、「まともね」と家内はつまならそう.......。
ということは、素顔の女将はまともじゃないと言うことか(爆)

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