言ってくれればいいのに
期待が大きい旅行ほど、お迎えする人間にとって難しいものはありません。
期待の大きさだけでなく、その期待の種類、その期待の裏に隠れているさまざまな事情。

大事なお客様を連れての招待の旅であったり、永いことお世話になった両親への慰労と感謝を伝えるためのご旅行であったり。

そうしたものを、こちらが全部知り尽くしていることはほとんどありません。


仮に期待が大きいことを知っていたとしても、

     想像と違う

     なんとなく波長が合わない、

     たまたまアクシデントが重なる

     お客様側の事前の思いこみが激しい場合などで

喜んで頂けない場合があります。

もちろん、こちらが些細なと思ってもお客様にとっては些細でないわけで、その思い入れを考えれば、こちらはお詫びする以外にありません。

一緒に来る人に何としても大喜びしてもらいたい、そうでなければ困ると思いつめたようなご旅行の場合、招待する側は非常にいろんな事に敏感になっていて、それが何らかの形で悪いように影響してしまう場合もあるかもしれません。

何かこちらの不備があっても、それをご滞在中におっしゃって頂けない場合と、その場で怒鳴られる、もしくは教えていただける場合。後になって長々とお叱りのお手紙やメールを頂く、直接ではなくネット上のクチコミ欄に投稿する。
旅行会社に文句をつけるなど、その不満の現われ方もまちまちです。



内容によっては、『その場でおっしゃってくださればよかったのにね』とこちら側からすれば、単純にケアレスミスと考えがちです。

ミーティングなどでアンケートを読んで係たちに事情を聞くと、「言ってくれれば良かったんですけど。忘れちゃいました。済みません。」と言う言葉を良く聞きます。

たとえば、あとからお持ちしますといった焼き物が出てこなかったとか、サービスのシャンパンが出てこなかったとか。

設備上の不備、たとえば洗面所の湯が出なかった、テレビの映りが悪いなど、お客様によって不満の種類もいろいろです。虫が出たということもあります。

その反応は、たとえ他のお客様にとっては笑って済ませられることであっても、そのお客様にとっては堪えられないことなのです。

お客様のほうでも、何らかのサインが出ているはず。それをそばでおもてなししている係が察知できないこと、そのものに問題があるのでしょう。

人間ですから、誰でもミスはあります。いつもノーミスはなかなか難しい。
だからこそ、お客様の様子には五感を使って敏感でなければならないなと思います。

そして、なんとかご滞在中に不満な心の一端を見せていただけるような言葉かけ、心の通い合いのようなものが少しでも出来れば、ずっとそのまま修復出来ずに終わらなくて済むのかな、と考えました。



この商売は、永くなってくると大事なことを見逃しやすくなります。
お客様の不満・落胆、なぜおっしゃって頂けなかったのでしょうか。

期待をするにも理由があり、ホームページのどこかの文章に魅力を感じ、それを信じていらっしゃるお客様。

初めてお越しになって、なかなか心の通わせ方も難しい。

ですが、どんなにこちらが忙しい夏場、体とこころが疲れていても、お越しになるお客様には関係無いこと。


     どんなに辛くても笑顔で、

     常に最高のおもてなしが出来ることが、

     私達の使命なのですから。


言ってくれれば簡単に済む内容であっても、それをおっしゃって頂けなかった私達の接遇、言いやすくする雰囲気や気づき。

それを作りだすことが肝要です。


     おっしゃって頂けなかったことを本当に残念に思い、

     怒るより何よりがっかりさせたくないと言う気持ちを

     ずっと持ちつづけたい。


夏休みの最後になって、クレームに思いをはせる9月のはじめです。

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◆素顔の女将◆
以前、自宅で「言ってくれればいいのにねぇ」とお客様の事を評すると、今回のメルマガのように、家内にたしなめられた。
確かにあなたの言う通りだね.....。
                              (by aruji)

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