再婚10周年旅行
再婚をして10年がたちました。主人も言っていますが、本当にあっという間の10年でした。めまぐるしい商売をしているからなのでしょうか?
同じ職場で働く、出来れば一緒に一つの仕事を創り上げていくことは、お互いにとって理想でした。ただ再婚で、前の奥様もいっしょに働いていたこと、それなりな年齢になってきたことなどもあり、旅館業と言う特殊な職場において、結構大変な思いをしました。

それでも夫婦としては、お互いに前の結婚生活では考えられないくらい、仲良くやってこられました。もちろん、お互いの子供のことではよくこじれて険悪な状態にもなりましたが、それも夫婦としての歴史の一つ。

そう言うときもあって良かったと思います。



そして、今回は区切りの記念旅行ということで、少しリッチに、私が大好きな北海道に行ってきました。

北海道は、何度訪れても良いところ。雄大な大地を眺めているだけで、幸せな気持ちになります。特に美瑛は、引っ越してしまいたいくらい好きです。

今回は、天候には恵まれませんでしたが、からまつ林の紅葉はことのほか美しく、また前回訪れたときにゆっくり見られなかった、前田真三さんの写真館(拓真館)をゆっくりじっくり見ることが出来ました。

一回の観光では見られない四季の移り変わりの美瑛、雪景色の早朝の写真や、秋の夕焼け雲の素晴らしい景色、この拓真館に来るだけで美瑛の素晴らしさを実感できます。


常日頃、忙しくお客様へのおもてなしや宿のさまざまな運営、従業員の問題などを抱えているので、1年に一度の旅行は心と体の栄養剤。今回は10周年ということで、本当に楽しみにしていました。

やはり旅行と言うものは、日常の疲れを洗い流し、明日からの元気を養え、体力的に疲れたとしても、何かしらのサプリメントのような作用を促すもの。
気分転換と言っても、なかなか場所を移すことは出来ませんから、何か大変なことが続いた後などは、特にどこかへ行こうということになるのですね。


今回の旅行でなんと言っても要は、最終日のホテルでした。豪華なホテルで、なかなか普段気軽に行けるようなリーズナブルなお値段では泊まれません。来年サミットが行われることになって一躍脚光を浴び、夏休みなどは忙しすぎてスタッフの笑顔が無いと聞いていました。


        期待と心配とが、重なり合いました。


知ってはいたものの、かなり高い山の上に建っていて、どちら側の部屋からも海か洞爺湖が望めます。洞爺の町は、部屋から見るとかなり小さな町。左手に羊蹄山、右手に昭和新山と有珠山が見えて、それはそれは雄大な眺めです。

雨だと真っ白で眺望がゼロになってしまいますが、ホテルの内装も超豪華な建物。しかも働いているスタッフは、皆さん素晴らしい笑顔です。

歩いていれば必ず笑顔で挨拶がされますし、本当に気持ちがいい。

いつもはもてなす側ですが、笑顔でもてなされることがこんなに気持ちが良いものだろうかと考えさせられました。数年前の北海道旅行でも思ったことですが、やっぱり笑顔と感じの良いうけこたえが何より人の心を和ませるのだと改めて実感し、私達も一層頑張らなければと思いました。


お値段がお値段だけに、当たり前と言えば当たり前なのですが、これほど豪華だと、たいがいその施設に安心してしまい、おもてなしは後回しになる事が多い。きっとこのホテルは、かつての破綻がいい薬になっているのだと感じます。


一番驚いたのが、巨大ホテルなのに帰る時、

「ご結婚10周年おめでとうございました。是非11周年のときにも。」と

言われたことです。

もちろんお食事は、どこのレストランも一流。
お値段が高いこと以外は、何も問題ありません。

雰囲気作りもものすごく大切ですが、

        疲れた心と体をもっとも癒すのは、

        やはり優しい笑顔と人のぬくもりなのかな。


その考えを更に強くした10周年旅行でした。



私は嫁に来てからずっと、胸を張って紋屋を知り合いに奨められないと、卑屈に思っていました。

来た頃は団体旅館でしたし、おもてなしの質も決して良くはありませんでした。
どこを見ても、何をみてもそれほど特色も無く、気に入らないことばかり。

   古いうえに4階建てなのに、エレベーターが無い。
   どうしてこんな建物にしてしまったのだろう?
   備品はどれを取っても、古くてひどい。

せめてもう少しレベルが高い宿であったら.........。



でも、古くても素敵な宿はたくさんあります。

   古くても清潔であること、
   季節感を感じられる生花や手作り感のあふれた小物などで、
   人のぬくもりが感じられる雰囲気つくりをして、
   接客そのものもかなりてこ入れをし、
   精一杯おもてなしをし続けたために、

最近やっと成果を出し始めました。



今までの10年は短く、伝えることは出来ない重みのある期間でしたが、時間の流れとしては、あっという間。不思議ですね。

        今までの10年、これからの10年、そして今の私。

        10年はやっぱり一つの区切りだと実感します。

きっと私達の生活迄が、豊かになることは一生無いでしょうけれど、家庭や職場が愛情にあふれ、心豊かな場であって欲しい。

人の心と心がいつもふれあい、出会う人達に幸せな風を送れるような一生でありたい。

        そう思いました。



主人に、「10年たってどうですか?」と私が聞くと、あっという間だったことと、そして「なかなか良い暮らしをさせてあげられないけれど、葉子が自信をもてる旅館にしてあげたい。」と言っていました。

        私達には似合わない贅沢な旅。

        こんなことはもうしばらく無いでしょう。

でも、今までの苦労は少し報われたような、そんな気持ちがした今回の旅でした。

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◆素顔の女将◆
都内4ケ所の医院や治療院へ定期的に通う家内は、私以上にJRなどの利用が多いため、SUICA (スイカ=JR東日本のICカード)を使っている。私は持っていないので、便利だから使うように勧めてくれる。
そこで、どこで購入するのか聞いたところ、

        家内からは「スイカ売り場!」の返事。

スイカ売り場って、果物屋じゃあるまいし。  ねぇ~
                              (by aruji)

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