癒し合い
テレビ放映後、今はお花摘みのシーズンと言うこともあって、大変忙しい日々となっています。

忙しいのは有り難いですが、繁閑の差があって人を十分に雇えないために、繁忙期はみんな疲れ果てる結果になり、無理をさせているのをみているだけで、大きなストレスになります。


そんな私をみて可哀想だと思うのか、大おかみは普段より一層元気になり、

「私の頃は誰も休ませてくれなんて言ってこなかったよ。
私の頃は、私が認めなかったからね。」といいます。

調理場でも検査入院の人が出て非常事態に陥っていますが、顔が広い大おかみはほうぼうに声をかけて、それはそれは輝いているように見えます。

たくましい人がそばにいると多少なりとも元気をもらえ、有り難いなと心底思いました。

まだまだ私は頼りないな。まだまだ修行が足りてないな、と感じながらも、その存在にやはり感謝する私です。

また、今日7年ぶりにいらしたと言うお客様がお越しになりました。
しかも私に会いに来たそうです。

7年前に1回だけでは、さすがに思い出せなかったのですが、私がまだおかみ業をはじめたばかりの頃だったようです。


その頃の私はかなり初々しかったようで、今回フロントの中にいる私は、「貫禄あるおかみであり、近づきがたい感じがした」そうです。

私に会いに来たと言うことを知ったフロントの女性が、そのことを私に知らせてくれ、言葉をかけに行ってみました。

なんともおやさしそうなご夫婦。
今日はご主人様の還暦のお祝いでいらしたのでした。


もちろん、お部屋へも伺ってお話もさせていただいたのですが、私が7年前に出した手紙の内容まで覚えていてくださっていました。

「きっと毎日多くのお客さんがきて、一人一人覚えるのも大変だろうに、そのとき私達と一緒にいた時のことが書いてあった。しかもその文章が、『お客様とご一緒させて頂いた喜びのひと時』と、とても心に残る文章で書いてあった」そうです。

その文面が忘れられない素晴らしいものだったとか。


きっと私は、今よりずっと新鮮な気持ちでひとりひとりのお客様をお迎えしていたのだろう。今よりもっと気持ちのこもった手紙を書いていたかもしれない。


やはり、私は初心に帰らなければとおもいました。


そして自分で思っているよりは、少しは貫禄も出たのかな。
そのぶん、やはり新鮮さは失われているのだろうな。とも反省しました。


7年も前にたった一度訪れてくださったお客様が、そこまで思い入れをもって私に会いに来てくれる。なんて有り難いことでしょう。

人事ストレスも軽減するくらい、嬉しさと感動を覚えました。

初心に心を馳せることの大切さと、今の私が紋屋に来て10年目に入り、自分では気がつかないうちに、多少は業界なれしている部分をお客様に印象として与えているのだと、自戒を促すことを思い起こさせてくださいました。

辛いこともいっぱいあるけど、良いこともある。

だからこそ嬉しいことは、とびきり嬉しいこととして心に残るのかな。

疲れ気味の私に、そのお客様はたくさんの言葉のプレゼントを下さったのです。

しかもそのお客様の奥様は、ご主人の私への思いを知っていて、わざわざ紋屋を指定して、ご主人様のお祝いの宿としてお選びくださった。
紋屋のこともずっと覚えていてくださった。ご夫婦愛も素晴らしいですね。


今回は、最後にお部屋へうかがってゆっくりお話してきました。


「最初、フロントの中にいるおかみは威圧感があったけれど、今のおかみは、やっぱりあの時のおかみだ。
ずっとその気持ちを持ち続けているのは素晴らしい。
そして、以前よりもこうして話していて、とても癒されるよ」 と。


私のほうこそ、癒していただいた素晴らしいひとときでした。

どんな職場も大変だけど、やっぱり頑張らなくちゃ。そう思えた一夜でした。


接客の仕事はつらい部分も多いけれど、
こうして癒されあうこともある、素晴らしい仕事。
やっぱりつらくてもやめられない。

すごく中身の濃い仕事です。


いっしょに働いてくれるみんな、疲れきっているみんな、
その中でも少しは元気そうにしてくれるみんな、
そして、お客様、私の廻りの家続、みんなありがとう。

あともう少しだから、いっしょに頑張ろうね。

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◆素顔の女将◆

マスクと薬が欠かせない花粉症の最盛期となった。
鼻が詰まるせいか、家内によると結構いびきをかいているらしい。
でもうるさくなく、気にはならないと言う。

前の結婚の時は、うるさいからと部屋から追い出されたが、えらい違い!

(by aruji)

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