夏のお客様
昨年の夏は、まだお部屋へはご挨拶に伺ってなかったものの、
女将として私が前面に出た季節でもあり、
おなじみさんとまた会える喜びの季節でもあります。
夏は毎年お越しになる健保関連のお客様や、
海水浴にお越しになるリピーターさんがとても多い季節なのです。
一昨年から宿泊御礼の手紙を担当していることもあり、
リピーターのお客様にはとても敏感に反応します。
昨年3度目とおっしゃっていたお客様が、
今度○日にいらっしゃるんだな。
そう言えば朝食のお部屋出しはお一人様1000円増しなのに、
お一部屋1000円で話してしまったので、それで結構ですという事になり、それをご家族で笑い話しのように話されていたお客様がいらっしゃったな。
そのお客様はもう来ないよとおっしゃりながら、
また今年もご予約が入っているな 等と思い、
お一人お一人お顔を思い浮かべながら楽しみにしています。
夏はそうでなくてもアットホームな紋屋が、
更に暖かいムードに包まれる時でもあります。
ご家族連れが多いこの季節、何度もお越しのお客様は、
お子様もまるで我が家のように入っていらっしゃいます。
今年も宜しくお願いしますと、
お互いに挨拶し和やかな雰囲気となります。
契約している海の家もオープンとなり、
海からお帰りのお客様が足を洗うスノコや水着を干すハンガー等、
夏ならではの準備も手配します。
生ビールも夏のみ、ご注文を承りますし、
地元産のアワビが旬の季節となるため、
通常より安く召し上がっていただこうと
「あわび祭り」キャンペーンのご案内を手配したり、
何かと慌ただしさを覚えながら、夏なんだなと思うものです。
この季節、水着を洗いたいから洗濯機が欲しいと言うご要望もありますが、残念ながら適当な設置場所がないので置いていません。
でも用意されている宿では、洗濯機の前にお客様が張り付いていない為、洗濯物を忘れてそのままになり、
次にお待ちのお客様からのクレームになるそうです。
設備はあればクレームにならない
と言うものでも無いと言う事でしょうか。
紋屋では、この季節は忙しくて係りも洗濯までは承れないのと、
ホテルのようにランドリー部門が無いので、
お客様に軽く水洗いをしていただいて、
その脱水だけでしたら社員寮の洗濯機で承っています。
今夏、紋屋ではやっと
ジュースの自動販売機を館内に設置しました。
健康に留意したラインナップで、
一般的な自販機とはちょっと違う選択にしたつもりです。
今まではなかったので仕方が無いのかもしれないのですが、
お飲み物の持ち込みは今や当たり前になりつつあります。
もちろん、今は持ち込み用冷蔵庫が完備されているホテルもあり、
一概に遠慮して下さいと申し上げるつもりはありません。
しかし、宿で用意している飲料を全部外に出してしまい、
大量のビールを持ち込んで冷蔵庫が冷えない!というクレームのお客様には、ちょっとどうしたものかと思ってしまいました。
沢山の飲料を持ち込み、冷蔵庫がいっぱいになると、
お部屋の飲み物をチェックする係も大変ですし、
お客様もご自分で持ち込んだものと間違えて部屋の飲料をお飲みになり、飲んでないと主張される事もあります。
海水浴のお客様は、疲れていらっしゃるので体調を崩しやすく、
何かと心配がつきまとうシーズンです。
今年は特に気温が高いため、
熱射病になるお子さんもいらっしゃいます。
日焼けでヒリヒリするお客様には、白浜に自生しているアロエを
お持ちしていますが、それは大変な効き目のようです。
私達働く側にとっても、夏はお客様がお帰りになった後は冷房を切ってしまう為、暑くてへとへとになります。
私は百貨店時代も強烈なガラスケース内の熱と顔を照らすライト、
また入り口は冷房が効かない為、いつも34℃くらいある中で働いていました。
今は着物を着ている事もあり、ほとんど一年中暑さとの戦いがあり、紋屋に来た時、私は一生涼しい場所で働けないのだと悲愴な気持ちになりました。
それなのに、百貨店時代も旅館の女将も端から夏涼しく、冬暖かい職場でキレイな仕事で良いですねと言われると、ちょっと嫌な気持ちになります。
仕事はどんな仕事も大変に決まっているのですから.....。
以前に、お客様から「お客の顔を見たらお金だと思えば良いんだよ」と言われましたが、私はそんなことは少しも思っていません。
接客の仕事を選んで、好きでやっている人は皆そうなのだと思いますが、お客様といろんなお話が出来て、喜んでいただく事がこの上なく好きなのです。
その結果として、繁栄すればそれで良いと思っています。
今は不景気でちっとも繁盛していませんが、
夏にお越しになるあどけない小さなお子様達に手を振ったりしながら、このお子様達の可愛い笑顔や、私達の考えに共感して下さるお客様の笑顔がいっぱいに満ちていたらと、いつも思います。
この時期に改装等の大きな投資をする事が出来ないため、
今夏は、ささやかな小さなおもてなしを、
いくつか新しく導入しました。
それを考え出し、実行に向けて準備し、
そして更に従業員に動いてもらうのは、大変な作業です。
でも私が考えている事を、
少なくともこのメルマガをお読みの方は
知っていて下さる......。
頑張らなくちゃと自分に はっぱを掛けています。
皆様もどうか夏バテに気を付けてお過ごし下さい。

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◆素顔の女将◆
家内はぜん息の持病があり、毎月、東京の専門病院に通院している。一緒に暮らすようになった年の冬には、発作が出てしばらくリタイアした。最近は幸いな事に発作が出ていない。でも余り無理するなよぉー。  (by aruji)* おまけに大女将 *
日本の麺類は豪快に食べたいものだと思っているので、そば類をすする時、私は大きな音を立てる。再婚前、よく家内に驚かれたものだが、今日、母と家内と3人で麺類の昼食を食べていると、突然、「随分大きな音を立てて食べるねぇ!」と母にも驚かれた。あのねぇお母さん、生まれて此の方、あなたと初めて一緒に麺を食べたわけじゃないんだからね。  (by aruji)

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