◇重い問題◇
先日、ある事件が発生しました。


事件と言っても、ものすごく大きなクレームがあったわけではありません。


ただ、これからいよいよ同じような事が多くなっていくのかなと思うと、
どの宿も考えていかなければならないと感じることでした。

今この世の中では、4人に一人が60歳以上だそうですね。

今の60歳はかなり若く、「お年寄り」と呼ぶのは75歳以上で良いような気もします。

それでも少子化が進み、結婚年齢もどんどん上昇し、子供をもともと持とうとしないご家庭が増えていくと、いよいよ年配者ばかり目立つ世の中になっていきそうです。



紋屋は館内にエレベーターがなく、4階建てです。

それだけでご年配の方には無理にお奨めしたくないなと思ってしまいます。


それでも、紋屋のホームページをご覧になり、泊まってみたいと思ってくださる方々がいらっしゃる。

いつかベッドのあるお部屋や、板の間でソファーのあるお部屋、せめてお風呂場だけでも、介助用の椅子など置きたいものです。



紋屋は、全てのお部屋がバス・トイレ付きではありません。


もちろん「大きいお風呂があればそれで良いです」と言う方も多いですが、ピンクリボンの方や大人用のオムツの方など、色々問題が出てきます。

今までは、そういうことはあまり実感が無かったのですが、最近、「私、実は乳がんの手術を受けているので、、、」と言うご相談をうけました。

お子様連れの多い紋屋では、常に貸切風呂は大変な人気なので、たまたまひとつ空いていて良かったと思いました。


そんな、人に言いたくない類のことを初対面の私にお話しくださるのが、とても嬉しかったのですが、もし空いてなかったらと考えると、今後どうしたら良いのかと思います。



年をとって下のほうがゆるくなり、おもらし用の大人のオムツをした、またゆるくなったことも気がつかない、やや痴呆が出てきたお客様の事件を今回経験しました。


女性用のお風呂の方は、とかく髪の毛が落ちるので、夕方一度女性スタッフが掃除に入ります。

たまたまその時に、あるお客様がおしりにいっぱいティッシュをつめたまま、浴槽に入ってしまうところを目撃したそうです。

他のお客様もご覧になっていて、とても困ったそうです。

大声で「お客様、おしりにティッシュが」とは言えません。
ただ、他のお客様からは、やはり良い印象はしないです。



紋屋の母の友人も、オムツをしていて感覚がなくなってしまい、母の家のお風呂や宿泊施設の大風呂で粗相をしてしまったことがあったそうで、それはそれは大変な思いをしたと、母は言っていました。


でも、本人は自覚が無いので、廻りが大変です。


障害のあるお子さんや、その子が大きくなった時のことも人事とは思えず、こちらがして差しあげられることは何なのかと思います。


おなじみ様の中に、障害をお持ちのお宅へ訪問をする、福祉のお仕事の方がいらっしゃいます。


以前伺ったら、

「普通に接して、お声を掛けてあげると気持ちが通じる」

と教えていただきました。



ただ、ご夫婦ともに年をとって双方に痴呆が出てきた場合、旅に出て、無事おうちに帰れるのか、外へ出て何かトラブルにならないのか、人事ながら心配です。

こちらとしては、普通に接するしかないのですが、他のお客様にご迷惑がかかる場合は、どのように対処したら良いのでしょう。



自分もこれから年をとって行く。


高齢化時代を考えないでは、商売も生き残っていけないかもしれません。



私自身も股関節の病気となって、慣れない駅での乗り換えに苦労しています。

エレベーターやエスカレーターは、設置されている場所を知らないと探して歩かなければなりません。

今までよりずっと乗り換えに時間がかかるようになりました。


五体満足であること

健康であること

若いこと

それが全てそろっているうちは、欠けてきた人の気持ちはわかりません。



やさしくありたい。



そう思うだけに、今回はとても重い気分となりました。


何か参考になることがございましたら、お教えください。



--------------------------------------------------------------------------------
◆素顔の女将◆
「十年前に来たことがある」とおっしゃった老夫妻がいらした。

宿泊履歴を調べると去年お越しになっていた。

その事をフロントスタッフがお伝えすると、
「いや、十年前だ」と譲らなかったとか。

家内ともども、自分たちの親のことを思い遣りました...。

(by aruji)

ご予約・プラン紹介はこちら