◇気づかせていただきました◇
私のメルマガを読んで、全国のいろいろな宿屋さんが結構お越し下さいます。
昨年は山梨から、その前は三重県から、その前は九州の黒川温泉から。

そして、今年は鬼怒川からお越し頂きました。

はじめのうちは、とくに宿屋の為にメルマガやっているわけではないのに、と思いました。

真似するのも真似されるのも嫌いですし、私の心の中で「宿のおかみさん」に対するイメージも、私とは掛け離れた存在でした。


でも最近、この特殊な仕事を、
誰もが戸惑い無くやっているわけではないんだな、
と分かってきました。



多くのお嫁さんに来たおかみさん達の中には、たまたま性に合っている人もいるでしょうが、そうではなくて、多くのおかみさん達が悩んで苦しんでやっているんだと。

私も正直に言って、
やり甲斐があると、嬉々としてやれてきたかというと
決してそうではなかった。

接客業は大好きですが、販売の仕事のように、自分一人としての販売実績が
目に見えて分からないですし、日常に疲れて心癒しに来ているお客様の心の
中にはすんなりと入れません。

結果として、心つなげる顧客様も販売業の時のようには簡単に出来ません。

経営者と言う立場も不慣れでした。

販売業のときも、いろいろなことが発生しましたが、比べ物にならないくらい、いろんな事件やらクレームやら、とんでもない天災や設備上の大問題などが起きます。
もちろん多くの良いこと、素晴らしいこともあります。
が、だいたい人間は嫌なことのほうが記憶にずっと残ります。

今回、このお客様とは本当はお目にかかれなかれない予定でした。
私が用事で3日間東京に滞在しているとき、紋屋から電話があり、


「おかみのメルマガをよくお読みいただいているお客様が、
日光からお菓子を持って、2泊でお見えになっています。
おかみがいるかと聞かれました。今日いないなら明日は?
あさっては?ときかれました。」と。

そのときは、宿屋の方とは知らなかったのですが、なにか心に『帰れ』コールが響き、4時間かけて白浜に戻りました。
(東京といっても都下なので)



お目にかかったら、とてもかわいらしい奥様とお優しそうなご主人様でした。

それも、私と同じ元百貨店勤めだったそうです。


びっくりするほど誉められてしまったのですが、私はごく普通の、決して立派な人間ではありません。

ただ私の文章に、高い「志」や強い「信念」をお感じになるそうです。

股関節の病気になった時もくじけていないと感じたそうです。
(本当はもうぼろぼろでしたが...。)




私はその方のおかげで、あることに気づいたのです。
最初は、私も嫁ぎ先の仕事を「主人のために」にしていたな。
でも、今は主人のためにだけしていない。

お客様のため、従業員のため、そして『自分のため』でもあるのです。
今は、たまたま宿の主人のところに嫁いだから、
仕方なくやっているのではない。

それだけは確実だと気づきました。

宿を良くしようとすると、働いているみんなには、表面上しめつけのように思われることを指示しなければならない場合もあります。


本当はお客様のためにも、従業員のためにも、
結果として良い宿にしたいだけ。


そうすることで、働く人間にとっても行く末はきっと幸せになると信じています。


誤解されたり、不満や陰口を言われたりするのは悲しいですが、いつかはきっと分かるときが来る、仮に来なかったとしても、決してやっていることは間違っていない、と確信しています。


股関節の病やきついお叱りなど、辛いこともきっと何かの気づきを与えてくださる神様の試練、チャンスなのだととらえると、良い方向に進む。


苦しいことにも嬉しいことにも、同様の感謝をしつづける事が大事。
そんな考えもきっと、この宿屋の仕事だからこそ思えるようになった。
人として少しは成長できたのだと思います。



今回お越しになったその宿屋の奥様は、なにかあるごとにやはりご主人のところに嫁いだばかりに、こんな目にあうとご主人に訴えることもあるそうです。


そのお話を伺って、昔を思い出しました。


「おかしい」と思うことだらけで、毎日のように喧嘩していた。
喧嘩すると、誰の為にこんな思いをしていると思うの?と、
私も思ったなあ。

ともかく、主人のためにだけ働いていたなと。
自分のためでも、従業員のためでもなく、
愛する主人の仕事だから、仕方なくやっていた。


でも、いつ頃からかそうではなくなったような気がします。

いつからそうなったのか、また、何がそうさせたのか、私にはわかりません。

そう言う大切なことに気づかせていただけたことに、今回本当に感謝したい気持ちで一杯です。


そのお宿様のホームページを拝見したら、紋屋よりずっと立派なお宿でした。
きっとさまざまな努力を積み重ねていらしたと思います。

私なんかより、ずっと深く謙遜していらしたのだと思いました。



百貨店時代、私は有名ブランドの専従スタッフで、良いお客様にいっぱい恵まれ、その当時は本当に天職だと信じていました。

今は、まだこの宿屋の仕事が天職だとは思えませんが、百貨店のときより、多くのことを学べているように思います。



多くの全国の宿のおかみさん、頑張りましょう!



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◆素顔の女将◆
体重計に乗ると、体重が増えていた。

「ちょっと太ったなぁ~」とつぶやくと、
家内は、「大丈夫よ。不景気で売上が下がると、ストレスで痩せるから」と
明るく私に言ってくれる。

これって、フォローになるかぁ?



(by aruji)

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