◇考えて創り出し継承する◇
今回、やっと出来た食事処「月の座」

テーブル席での食事処を造りたいという願いは、随分前からありました。

紋屋にはエレベーターが無いので、係り達を楽にしてあげたいことと、お客様にも椅子席の楽な形式で、足が痛い方でも大丈夫なレストランにしたかったのです。


いざそれをどういう食事処にするかということで、結構悩みました。


雑誌などでいろんなレストランや、数々の宿の食事処を見ましたが、いまいちピンと来るものが無く、困りました。


人気の食事処があるという山形の宿や、
京都ならではの町屋を見に行きました。

京都の町屋は、とても素敵で雰囲気があり、いまその町屋を宿としているところがあります。
しかもそこは外国人が経営していて、なんだか不思議。

またそれがうけているということで、外国人の目から見た日本家屋ということで、新鮮にうつりました。


できれば町屋形式にしたいと思ったのですが、専門家からすると、京町屋は「民家」だそうで、設計士さんに町屋らしく作っていただくと、何か面白みが無く平凡でした。


それではと、また一からやり直し、
私のぼんやりとしたイメージをお伝えして、
すこしずつ固まってきました。

正直なところ、設計図をみながらお話してもいまいちイメージがわかず、こまかなところまではよく分からない。

設計士さんも、遠くからお越しでしたので、ほとんど電話でのやりとりが続きました。


施工がはじまっても、やはり細かなところが大工さんや壁紙を貼る職人さんに伝わらず、また、連休は朝食会場として場所が必要なために、工事が進められず、思うようにはかどりませんでした。


椅子テーブルも、好きなものは一般的でないものなので、年末までに入荷しないとか、色がそろわないとか、結局4番目くらいの候補で妥協しました。

ぎりぎりまでバタバタし、ブースの仕切り板の中にいれる和紙が、結局私のイメージと違っていて、完成まで後もう少しと言うところで、慌てて紙を探すことになりました。

いつも習字の額作りでお世話になっている和紙屋さんに、
無理を言って集めていただきなんとか年末に完成しました。


それから、係り達のトレーニングを実施。


新しい食事処では、今までのように一度に全てのお食事を運んで、また1度に片付けるスタイルではなく、1品1品運びます。


思ったよりも、それはそれで大変な部分があり、どこの部署でもやはり楽ということはないなと思い知りました。


トレーニングでは、気持ちの上でかなり緊張と思い入れの強さが交錯し、年末前にすっかり疲れてしまいました。


それから慣れない場所でのトップシーズンがはじまって、てんやわんやのお正月。


終わってみれば、「あー大変だったね」と、笑うしかありませんでした。


本当は、そばにあるお手洗いも綺麗に改装したかったのですが、予算が合わずまた先送りに。




出来てみれば、スポットライトがお料理にあたるので、

想像以上に料理は美しく見え、実際月の座で食べてみましたが、

他の会場でたべるよりずっと美味しく感じるのです。



もともと今の紋屋の料理は、同レベルの宿の中ではかなり完成度は高いと思います。

味付けも上手ですし、盛り付けも以前よりずッとよくなりました。


しかし同じ料理でも、やはり1度に多く出されるよりも、一品一品出されたほうが、ゆっくりと味わうことが出来、しかも全部が1度に並んでいないせいか、美しさが際立ちます。


料理をじっくりと味わうのは、

やはりこのスタイルなのだなと思いました。

実際にお料理を出す方としては、お客様ごとに召し上がる速度が違い、温かい料理を何分後に用意するかと決めるのが難しいのです。

調理場に早く伝えすぎても、さめてしまいますし、遅すぎてもお客様を待たせてしまいます。


それでも今までと違い、

調理場も温かい料理を温かく出すことに一生懸命で、

嬉しい気持ちです。

さまざまな問題点は出てくるとしても、着実にいい方向へと進んでいることを感じています。


経営者と従業員が、考えて創り出し継承する。

それに対して、お客様がまたご意見を下さる。

結果、お客様が私達を育てていくことになる。

こうやって企業は伸びていけるのかもしれませんね。

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◆素顔の女将◆
「旅先で美味しいお酒と料理を食べるのは、宿に泊まる醍醐味だねぇ~」と
食事処『月の座』でお食事をされたお客様がおっしゃった。

         醍醐味か.....

そう言えば家内は、「伊達巻を食べるのがお正月の醍醐味よ!」と、以前
言ってたっけ。人により、いろんな醍醐味があるもんで(笑)



(by aruji)

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