◇レストランにて◇
先日、歯医者さんの帰りに、久しぶりに以前良く通っていたレストランに顔をだしました。連休の最終日ということもあり、なかなかの混雑でした。


私達の前に3人の親子連れが並んでいました。

「列車の時間があるので、後どれくらいかな?」とアルバイトの女の子に聞いていました。

その日は、いつもいる奥さんがいない様子。

アルバイトの女の子が3人で、一人は厨房専用のよう。
あとの二人がサービス係りです。


私達は、
「いらっしゃいませ」も「少々お待ち下さいませ」も言われていません。

見ると一番近くの二人席が空いています。

私達の前の3人がしびれを切らして近くのラーメン屋さんに移動しても、まだ声かけは1度もありません。

私達の前を何度もお料理を持って通りすぎるのに...です。

仕方なくこちらから「ここの席に座ってもいいですか」と聞いたのですが、「少々お待ち下さい」といわれたまま、まだ席に通されません。

「申し訳ありません。もう少しでお席にご案内しますので」

と言ってほしいです。

それから5分位して、やっとその狭い席に通されました。



「今のお奨めは、お奨めスパゲッティセットで、
本日のスパゲッティはズワイ蟹のスパゲッティです」

と言って、係りの女の子は席を離れました。

時間がかかりそうだと判断して、そのお奨めに決めたのですが、それにはサラダか前菜かがつくそうです。

「前菜は何がつくのですか」ときくと、
「少々お待ち下さいませ」

えーっ!お奨めの内容も知らないの?
とあきれてしまいました。



その後も、私達のあとの並ぶお客さまが次々といらっしゃいますが、やはり同じような状態が続きます。

みると、2、3席まだ片付けていない席が空いたままになっています。

最近、月の座を手伝っているせいか、片付けてあげたくなり、気になって疲れてしまい、美味しく頂けませんでした。


せっかく久しぶりに行ったのに...。


しかも値段が500円程度あがっていました。
これではまた当分足が遠のきそうです。



そのアルバイトの女の子は、
「たぶんお声を掛けなくてはならないことを判らないのだろう」
と、社長は言っていました。

でも教育されなくても、私だったらお声を掛けているなと思いました。


要するに、接客に向いていないのかもしれません。


単純に出来たものを席に運ぶだけなら、どんな人でも良いわけですから。




最近、半導体などの仕事から転職してきた人達が、それぞれ4、5日で辞めていきました。

一人などは、面接のときは人との関わりがとても大切と力説していて、今まで一度も自分から辞めたことはないと言っていました。


その人にさせたことは、飲み物の保管場所と名前を教え、食事処の入り口まで運んでもらっただけです。

それなのに眠れなくなって、体調を崩したそうです。

何故なのでしょう?


他の人達も、面接のときはまぁまぁなのですが、接客の仕事について教えるだけで別人になってしまうのです。

私達と日常会話のときはとてもにこやかなのに、お客様がお越しになる時間が迫ってくると、表情がかたくなり、急に笑顔もなくなります。


最近、接客の仕事は、
誰にでも出来る仕事では無いのだと
つくづく思うようになりました。
向き不向きがあるのですね。

私は、仮に元気が無くても、お客さまと話していいるうちに元気が出てきます。


先日も、個室ダイニング「月の座」のお客様で、お話しているうちに、娘さんがもう少しでご結婚なさるということが分かった、ご家族様がいらっしゃいました。

ひとつひとつのお料理を本当に心をこめて
「とっても美味しいです」と感嘆のお声をくださいます。

今までの旅館の中で一番美味しいともお褒めいただきました。


そして、お嬢様がご結婚なさるために、今の家族だけの最後の旅行をしにいらしたと言うのです。

お部屋にご案内に行った者によると、そのご家族様は、大きなプーさん3匹もつれてきていらっしゃったのです。

車の中に置いておくのは可哀想と、高さが1メートル近いぬいぐるみを抱えてお部屋にむかいました。

変な家族だと思われると心配していたのですが、そこはまず、私がシロクマの大ファンです。

それを知っている従業員も、そのご家族の気持ちを十分理解できたようで、もう一人の係は、「お部屋へ遊びに行ってきました」と言っていました。

娘さんのご主人様になる方もクマさんのような方だそうです。


そんなこんなでとても盛り上がったのですが、お帰りのとき、私にお礼が言いたかったらしいのです。

私は早くても11時にしか来ないのですが、翌朝ほんの少し早く出かけたところ、お目にかかれました。

プーさんを抱っこさせてもらい、温かなご家族様から私も幸せな空気をたくさん頂きました。




「月の座」を手伝っていると、お客様の直のお声、表情に触れることが出来ます。


お話がたくさんできて、お料理に満足しているか、少し不満に思っているか、どんな料理が全体的に評判がいいか、すごく良く分かります。


今、酢の物は和・洋・韓の3種類のカツオのたたきを出していますが、お持ちすると皆さん「オー!」と感嘆のお声が上がるのに、なぜか洋のたたきは少し残るのです。

洋はマリネ風なのですが、カツオを少し薄く切ってもらうことにしたところ、味がしみこんだのか、残らなくなりました。


是非調理場の人達にも、お喜びの声やお客様の表情を直に感じてもらい、遣り甲斐につなげてもらえたらいいなと思いました。

なかなか調理場の人は、お客様の前に出るのは苦手な人が多いですが、こんなに心に響く直接の声や喜びの表情を見ないなんて、もったいないと思いました。


10席が満席となって食事時間のかさなりが多くなり、進行の度合いも重なると、優雅に振舞えないときもあります。

忙しさがお客様に伝わってしまうと、寛げなくなるのではと心配です。


お客様に

「かなりお待たせしてしまいましたか?
ご遠慮なく呼び鈴を押してください」などと申し上げると、

「いいえ大丈夫ですよ」とかえってこちらを気遣って、呼び鈴を鳴らさない方が多いです。


1番席も4番席も6番9番もお料理がもうなくなっている。

そう言うときに、
「お水下さい」「お茶下さい」「飲み物の追加オーダーがしたい」が重なると、
次の料理を手配したくてもなかなか進まず、お声を掛けるのが精一杯と言うときもあります。

それを難なくこなせるようになるには、もう少し修行が必要でしょう。



でも考えてみると、この店でも次の料理との間がかなりあいてしまうことがよくあります。



大切なことは、
それに気づいてお声をおかけすることなのだと思います。



この頃、やっとご近所やこの房総の土地の方も、お昼や夕食を食べにお越しいただけるようになりつつあります。

最近続けてご昼食にお越しいただいたお客様は、親御さんがデイサービスを受けていて、お帰りになるまでの間のひと休憩とリフレッシュに使ってくださるそうです。

明日お見えになる予定の、ご夕食のお客様もとても近い場所にお住まいです。


良い出逢いをいっぱいつくりたいものです。

そう言う意味では、あのレストランも同じなのですが.....。


残念ですね。


皆さんは自分に合ったお仕事で輝いていますか?





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◆素顔の女将◆
メルマガの原稿はUSBで家内から渡され、私が体裁を整えて配信する。

最後にこの“素顔の女将”を載せるのだが、家内はいつも
「今回の素顔は何?」と詰問し、チェックする。

この間も、「月の座」のお客様から、
「メルマガ読んでますよ。最後の素顔が面白いですよね」といわれ、
憮然としていた家内でした(^^;)



(by aruji)

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