◇日本人として◇
私は今まで日本旅館に従事していながら、日本人としての心・民族性というものを、強くは意識してきませんでした。

日本人特有の協調性というところが若干足りていない部分もあり、どちらかというと自分の意見をきちんと言えるようになることのほうが、大事だと思って生きてきました。

そういうところは、外国の教育発想に似ているかもしれません。


私の実家では、
余り日本人として情緒を楽しむような行事も行いませんでした。

神経質で人が多く集まるところに行くことも無い。
だから、お祭りや花火大会に行くこともない。
人ごみでなくても、家でお月見ということもない。

焼き芋を屋台で買うということも、
私は娘時代にはしたことが無かったのです。


最初の結婚をして、はじめて初日の出もみましたし、お祭りにも行ったし、花火大会も経験しました。

桜の季節は花見。
秋は紅葉狩り。
日本人として、四季を楽しむ。

何もかも初めての体験で、お祭りに浴衣を着て出かけていく。
屋台の食べ物を買う、などもすごく新鮮な出来事でした。


日本には、四季があって、それにあわせた行事がある。
その四季を楽しむ。それが日本情緒を育てる。


現代こそ、秋にお月見をするところも少なくなったでしょうが、田舎暮らしを始めて、本当に秋は美しい月が出ます。

夜、我が家の庭は、月光で真っ白になるのです。
それこそお月見にふさわしい情景です。それはそれは幻想的。

田舎に来たからこそ、秋は驚くほどこおろぎや鈴虫が鳴き、
「秋だな」と実感する。



夏は早くから、近くの田んぼの蛙たちが一斉に合唱し、夏を知らせる。

白浜は温かいので冬が一番季節感ありませんが、近くの畑を見れば、冬を感じるのは間違いありません。

食べ物も、田舎だと季節のものしかスーパーに置いてない。
本来はそれが自然だと思います。

今は和風旅館だからこそ、日常そういう行事や日本情緒を忘れている人達にも、思い出していただく。
季節感を楽しんでいただけたら良いですね。

いまさらのように、日本人であることを意識し、日本旅館の役割も考えていきたいです。




先日、あるお客様が母娘でお越しになられました。
通常は外国暮らしだというお嬢様と、山梨にお住まいのお母様でした。

私は何も知らないでその方々のお席にうかがったのですが、その娘さんは、私のメールマガジンを最初からお読み頂いているという方でした。

嬉しい驚きでしたが、もっと嬉しかったことは、私の文章を読んで日本人らしさを感じほっとするとおっしゃられたことです。

「こういうお心遣いは、日本人にしかないな」と感じるそうです。


そういえば以前にも、お越しになられたお客様からメールを頂いたことがあります。

そのお客様も今はハワイ在住だそうです。

余程値の張るところとか、従業員がすべて日本人で十分教育が行き届いているところでないかぎり、たとえばレストランなどで、何分お客様が待っていようと、声を掛けられることはない。

逆に声を掛けられると、「ここは気が利いているなあ」と思うというのです。


その方は、

「日本人ほど、こまやかな心遣いで接客をしている人種はないと思います。
 日本に帰ったら、私達も紋屋さんに行ってほっとしたい」

とメールに書いていらっしゃいました。



また、海外のホテルでホテルマンをしている方も、何年かぶりの帰国に際し、まず紋屋にお越し下さったのです。

いつも私のメルマガを読んで日本を思い出している。ほっとする。
そういう外国在住の方がいらっしゃる。


そうか、私の文章は、海外在住の日本人の方々をほっとさせているんだ。


嬉しいですよね。


念のため補足しますが、海外の方がこまごまとした心遣いができないのではなく、心を使うところが違うのです。

たとえば、アメリカ在住の私の知人は、慣れない雪道で車がスピンしてしまい、立ち往生しました。

そうしたら、近所の知らない方々がこぞって家から飛び出してきて、車を押してくれたそうです。

日本人ではありえないことです。


また、体が不自由な人に対しては、日本人は意識が非常に低いですね。
海外のかたは、体が不自由な方へのケアは、徹底しています。

それぞれ、一長一短なのでしょう。

双方がどちらも気配りできるようになればいいですが、国民性と言うものあります。

日本人らしさというところで、日本のサービスが細かな心遣いだとすると、今まで以上に誇りを持ってサービス、心遣いを磨いていきたいと思います。

それは、誰に対してもへつらうと言うことではなく、人間としても女性としても日本人としても、自分の心遣いに、自尊心をもって出来る限りの心づくしを試みようということです。


今回は、久々に嬉しい気づきをいただき、また11年目からの新たな出発が出来そうです。


ありがとうございました。




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◆素顔の女将◆
自宅の電話が不調なので新しい機種を入れたところ、今どきの電話なので、
なんと迷惑電話撃退機能が付いている。

つながると名前を尋ねられるメッセージが流れ、
スピーカーで聞いた受信側が電話に出たくなければ、
断りのメッセージを流して切ることが出来るという、すぐれもの。


昨日、出先から自宅に電話すると、やはり名前を聞かれたので答えた。
それを聞いた家内が受話器を取るはずだったのだが、どういう訳か、

「おつなぎすることが出来ません」

とメッセージが流れ、一方的に切られてしまった(^^;)


後で家内が電話をかけてきて、間違えて受信拒否ボタンを押したという。

しかも受信拒否メッセージが流れた直後に、私が「うぁ~~~!」と声を
発したため、可笑しくて笑いすぎたとか。


ったく、失礼しちゃうぜ!  プンプン (`ヘ´)

(by aruji)

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