◇ 好きになること ◇
先日、旅館のコンサルタントのメルマガを読んだところ、


「会社を好きになる、店を好きになる、商品を好きになる、
お客様を好きになる、まずこの大切なことをしっかりと会社、
現場に浸透させることが大事」というお話が書いてありました。

思い起こせば、私が百貨店にいたころ、そのブランドのトレーナーに

「苦手を作ってはいけない。嫌いな商品があると、
それを売ること自体が苦手になる」と

教えられたことがあったことを思い出しました。


そのころフレグランスを売っていて、正直そのブランドの香りが全て好きなわけではなかったので、どうしたものかと思い悩みました。


香水は、特に嗜好性が高いもの。


ひとつだけ、どうしても苦手な強い香りがあり、それを克服するのに大変な思いをしました。

なんとか好きになれるよう、毎日つけてみて、
つける場所をかえたり、
つける量を変えたり、
物につけてみたり。

ある日、スカートの裾から時々香るその香りに、その日の湿度や気温もあったかも知れませんが、とても優雅な気分がして、驚きました。

その驚きが克服するきっかけとなったのです。

宿屋も、嫁に来たときは、もう十数年前から建っている古い建物で、中で働いている人も全員私が選んだ人ではありません。

もてなしの方法もしかりです。

建物を建てかえるお金があれば別ですが、そんなことができるはずは無し。

特に裏方部門は、目を覆うほど老朽化が進んでいます。


そのような環境から仕事をはじめると、最初はやはり、その職場を好きになるのが難しい。

ともかく主人の為に、私が出来ることを尽くそうと思いました。
私の好きな主人の会社だからと思うしか、仕方が無かったからです。

習い事の教室で、私が宿のおかみだと分かると、「行ってみたいから、値段教えて」などと言われますが、その頃は、知っている人に来てもらいたいと少しでも思える場所がなく、曖昧な返答になってしまいました。


時がたつにつれ、

自分が担当して造った食事処がふたつになり、
アロマルームやお部屋もやっと一部屋だけ自分の趣味で改装が出来、
人もおおよそが入れ替わり、宿の空気が全く違うようになりました。

もてなし方はまだ十分ではありませんが、昔に比べたら大きな進化です。
この12年頑張ったのだなと思います。



勉強も兼ねて、今までに2度ほど紋屋に宿泊してみたことがありますが、そのときは2度ともまずまず快適でした。


それなのに、何故自信が持てないのでしょう?


今まで行った宿で、あそこは是非もう一度行ってみたい宿だったなと、思う宿は何軒あるのでしょうか?


紋屋より2倍3倍4倍の料金がかかる宿でも、是非是非という気持ちになるところは非常に少ない。

逆にあれだけの料金なら、もっとサービスが良くなくては嘘だとか、
雰囲気は良かったけど、快適ではなかったとか、
やっぱりお風呂はそれほど大きくなかったなと思う。
料理がいまいちだった。デザートが食事と合わないなどなど、

満足というものは難しいのです。


あそこの宿の「○○汁」は忘れられない。
あそこの宿のあの部屋が素晴らしかったなど、ほとんどが部分的。

そうなら、

紋屋の食事処での食事や比較的広めの部屋、
貸切風呂での満足度は高い。
値段を考えると、非常に良心的なのでは?
もてなしの評価も高いではないか!



それなのに、
日々、やっぱり好きじゃないところに目が行き、好きだと胸を張れない。

自分が好きになれないものは、売りづらい。
だから思うようには売れないのかな?

そのあたり、良く掘り下げて考えてみようと思いました。


紋屋には、お許し下さいというページがホームページにあります。

広くない駐車場、旧式なお部屋があること。
狭いお風呂。すべてが階段であること。

その正直さが良いと、今まで多くのお客様から誉められてきました。

もちろんその逆もあり、予約を見合わせた方もきっと大勢いらっしゃったでしょう。

実際、期待が大きすぎると期待はずれになってしまう可能性は結構高い。
それを防ぐ意味ではかなり貢献しているとは思います。


でも、それを表示するようになって、もうかれこれ9年くらいはたっているでしょう。


そろそろ「お許し下さい」もリライトのときが来ているかもしれません。


旧式なお部屋も、以前はたくさんありましたが、
今では3部屋のみになりました。
また、階段だらけでも、椅子席の食事処はとても喜ばれています。
お風呂や駐車場はまだ変化はありませんが、
両方のお風呂にベビー用のオムツ換え台、
もしくはベビーベットが入りましたし、
ベビー用チェアも置いてあります。
お風呂の脱衣かごに、それぞれのお客様の持ち物だと分かるように、
さまざまなお花の絵もつけました。
他のお客様が履いたスリッパを履かなくても良いように、
工夫も致しました。
シャンプー類も以前とは比べようもないほど、
良い製品に換えてきました。
足が悪い方用に、お部屋に高座椅子のご用意もございます。
(当然でもありますが)好き嫌いの承りや、
お年寄りには柔らかいもの、もしくは素材に包丁を入れる、
アレルギー対応も出来る範囲でしています。


そんな、せっかくいろいろとやっているのに、ちっともお知らせしていないことが多々あります。

何も知らない方々が、せっかく紋屋を選んで下さったのに、「お許し下さい」のページや、あえてデメリット表示をしている紋屋のパンフレットをご覧になって不安になることがある。


そのような要らないご心配をおかけすることなく、適正なデメリットのご案内に努め、私共のお客様への熱い思いが伝わるようなホームページにいたします。

皆様に愛される紋屋にしていきたい。


今後良くつきつめて考え、より良い紋屋を目指して参ります。

背中を押してくだいね。



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◆素顔の女将◆
花粉症でひんぱんに鼻をかんでいると、
「鼻の穴にフィルターを入れたら?」と私にアドバイスしてくれる家内。

どうもありがとうよぉ! (`へ´)


(by aruji)

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