◇ 電話予約 ◇
先日、長年実施してみたいと思っていた電話応対のセミナーを実施しました。

小さい宿だと人が多くないために、
なかなか電話に出る人間全員集めての実施は難しく、
そのように思い始めてから、かなりの年数がたってしまいました。


私は、昔から電話が好きです。

最初に勤めた会社でも、総務だったので、電話受けを私達の部署で行っていました。

目に見えないからこそ、電話に出る楽しみがあります。


普段から、フロント内ひとりひとりの電話応対を聞いていて、

この人は早口だなとか、
この人は電話がやたらと長いとか、
それぞれの癖を感じます。

しばらく見守ってから注意したり、他の言い方を提案したりといろいろですが、自分の癖は人から言われただけでは結構気がつかないもの。

自分の電話応対が文章となって書いてあったり、もしくはテープで流れたりすると、はじめて冷静にこれはおかしいと感じるものなのです。

私も、今回は自分の応対が録音されて、至らない部分を痛感しました。
いつも入湯税の説明が漏れる、献立の説明がもたもたしたとか。

自分の声そのものが嫌いでもあります。


紋屋のスタッフ達も初めての試みに、
赤くなったり青くなったりと忙しい。
出来ていない部分を指摘するのが目的ではない。
出来るようになるために、またより良くなるの学習なのです。

小さい宿ではだいたい一人が何役もやっているので、フロントがメインではない人も電話を受けます。
そういう人達が、100パーセント完璧な予約電話を承れる訳ではない。

それでも現状よりは良くなって欲しいし、良くなりたいと願ってほしい。

「私は出来ません」と投げていたら、
何時までたっても出来るようにはならない。
本当はすばらしい素質を持っていいるのに、
どうしたら前向きになってもらえるのでしょうか?

現実は、講師に指摘されるのが怖い。
指摘されたくないから、電話に出たがらない。
困ったものです。

誰でも、みんなの前で自分が出来ない部分を指摘されたくないもの。

それは、十分に理解できます。

ただし、本来そんな綺麗言をいっていられない。
こちらが出来ていない部分を叱責したり、評価を下げたりするわけはない。

出来ればどんどん指摘してもらい、私は必ず出来るようになるんだ。
この中で一番出来る人間になりたいと思って欲しい。




百貨店時代、私がブランドの専従スタッフだったとき、かなり意地の悪いトレーナーがいました。

必ずトレーニングには、実際にカウンターに入っての実習があります。

普段は出来ていても、そういう場には何時にない緊張が走り、「分かりません」といってしまう人もいる、答えられない人も。


そうすると、そのトレーナ−は、

「ではあなたは、そこに立っている資格がありません。
存在意義がないということです」となじりました。

それどころか、そう言う場でわざとすごく困らせることも、そのトレーナーはしていました。

講義はいつも息が出来ないと思うくらい緊張し、すこしも楽しくなく苦しいものでした。

そのトレーニングを本国フランスのトレーナーが視察に来たとき問題となり、結局そのトレーナーは、クレーム処理係に降格されてしまいました。

私は、そのときのことを思い出すたびに、
私はそう言う経験をしたことも、良い経験だったと思うのです。

とても大変でしたし、ストレスで頭痛や肩こりに悩まされました。

それでも負けたくないと頑張って、
結局はそのトレーナーに私を認めててもらうことが出来たのです。

前向きにとらえると、何事も良い方向に向かっていく。
それが紋屋ではまだまだ研修慣れしていないからか、内にこもってしまう。

やはり研修は1年に何回か取りいれ、
常に新しい空気を入れる必要があるのですね。

今回、教えていただいたことでもっとも印象に残った言葉は、


「ファーストコンタクト」


電話応対は目に見えないだけに、その会社の内情を想像させる大変重要な意味がある。


それだけに、お電話頂いて嬉しい!という気持ちを、
前面にだして受けたいものです。

毎日会社で電話をとっていると、それほど嬉しいと言う感情を出して電話をとるのが出来ない場合もあります。

でも、それではだめですね。

私は、電話でもチェックインでも、係をするときでも、
常に心の琴線に触れるような接客をする
きっかけをつかもうとしています。

なかなか心を開いていただくのは、チェックインでは難しいのですが、電話の場合は開いていただける場合もあります。


とくに細かな相談がある場合、たとえばお母様が足が悪く、お部屋やお風呂の場所の話などして、お部屋を低層階にするか、しないかなどの話をする場合など。

お越しになる前から、心をつなげるとご到着後、「私がご予約承りました」と申し上げると喜んでくださるのです。


私は、心を開いていただけたのだなと感じると、
お目にかかるのも本当に楽しみになるのです。

どんな方なのだろう。
きっとお優しい方なのだろうと。

接客業の楽しみは、
なんといっても不特定多数のお客様と顔見知りになれる、
お話が出来ることにあります。

また、普段から私が気をつけていることの一つに、旅行目的があります。
何気なく察してうかがうとずばりということもあります。

不躾にはきけませんが、それを聞き出すテクニックを身につけることも電話応対の楽しみです。


どこの宿でも苦労しているのが、それぞれのプランのお料理を聞かれた場合の返答だと講師から聞きました。

フロントでは、係のように毎日料理に接することがないために、たまに試食をしたくらいでは、なかなか臨場感あふれる料理説明が出来ないのです。

たいがいは、「創作料理という形でご用意しております。」
「会席料理でございます」で終わってしまう。

創作料理という形って何?
会席料理、どんな内容なんでしょうね?

お客様がどんなお料理か想像できない。美味しそうだと思えないでしょう。


私も、実際係をするようになって、
お料理の説明が楽々電話で話せるようになりました。

試食会で1回食べただけでは忘れてしまいます。

そういう意味で、どんな部署でも、
少しは係の経験が必要なのかもしれないと考えました。


みんながさまざまな部署を経験する。
それが理想ですね。

今回の電話応対のセミナーでは、いろんな問題点が浮き彫りになりました。
それをどうやって改善していくか考え、先に進んで参ります。



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◆素顔の女将◆
当初、私達がいない時にダミーの予約電話をいれていただく事になっていたが、どういう訳か、家内がいる時に最初の調査の電話が入り、家内が対応した。

後日、ほぼ完璧な対応で感動ものだと言われたが、
その後、他のスタッフが取った電話は.....だったようだ(^^;)

以前、各業界の一流会社の電話対応だけを覆面調査した書籍を読んだが、名立たる大企業でも結構ボロボロで苦笑した記憶がある。

全員がほめられるような電話応対を出来るよう、頑張ろう!


(by aruji)

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