◇ すべては気づきから ◇
先日タクシーに乗ったとき、その運転手さんは、十分私の脚が車に収められたのを確認したのち、私に

「空調は今くらいでよろしいでしょうか?」と

聞いてくださいました。

最近は10分以上継続して歩けないので、よくタクシーを使います。
こんな親切な言葉かけははじめてで、とても驚き非常にありがたく思いました。


降りるときも、

 「ゆっくり降りてくださいね。
ご利用ありがとうございました。」

と、心をこめておっしゃってくださいました。


タクシーの運転手さんの通常イメージとはかけ離れていて、私はうれしくなりました。


お名前を聞いておけば良かったと、あとになってつくづく思いました。


ふだん、ほかでやっていないことをされると、そこに驚きが発生するのですね。

通常はお礼を言われたとしても、そっけなくありがとうといわれるか、無言でおつりを渡されるかのどちらかです。


気持ちの良さが何日かたっても心の中に残りました。


紋屋も、そういう宿屋でありたいとつくづく思います。

サービス業、とくに宿屋やホテルでは、何をしても当たり前とおもわれがちですが、何日たっても心に残るような言葉かけはそんなに多くはないものです。


家族の間でも会社内でも、
仕事上でも常にそうした心がけが出来たらいいですね。

社長との結婚生活でも、もうお互いに前の結婚生活より永くなりました。

22日に結婚13周年を迎え、14年目に入りました。

はじめは、信頼できる人だからと思って結婚を決意し、どちらかいうと、感情は後回しだったという気がします。


でも今は、非常に静かな、でも大変内容の厚い愛情を育めて、
信頼も深めて来られているように思います。

本当に一緒に商売屋をやっていると、毎日があっという間で、13年も経ったという気持ちは全くしません。

でも、私の心の中にとくに大きな事として残っているのは、やはりなんといっても、私が股関節の病気になって、意気消沈していたときの言葉です。


以前このメルマガでも書きましたが、
家事も仕事も出来ない体になり、
趣味をしていても楽しくない、
生きていても仕方がないと訴えたときに、
「いてくれるだけでいい」と言ってくれたことです。

そうした決して忘れることのない確かな言葉は、心の中でずっと生き続ける。

タクシーの運転手さんの言葉とは、似ても似つかないほど重さは違いますが、
私は、お客様に対しては、一期一会、常にそうした意識を持って接する事が大事だと思うのです。

体がうまく動かない分、最近、苦手な経理の仕事を勉強することにしました。
すると、今までは考えなかったことに考えが及ぶようになるのです。

やはりなんでも経営者は頭を突っ込んでみて、おおよそのことは、知っておく必要があると感じました。


お客様のため、従業員のためと、
つい経費をかけすぎている部分がある。
経営者であればかけるべきところにはお金をかけて、
省くべき部分は、極力省かなければならない。

そうでなければ、小さなことの積み重ねで、無駄や従業員の甘やかしが毎日埃のようにたまっていくのです。

そのことが経営を圧迫する。当然のことです。

今まで、絶対に無理と思っていた経理の仕事も、まだ序の口ではありますが、けっこう面白い。

やってみると、なるほど!と思うことがたくさん出てくる。
この13年の間、右も左も分からないまま、手探りでやってきた。
少しずつなれて、かなりの部分が分かるようになったつもりでした。



しかし、やはりこの仕事は奥が深い。
まだまだ知らないことがいっぱいあるのです。



今までずっと社長から、
「あなたは経理をやらないから、気が楽だ」といわれてきました。

まだはじめたばかりでも、それはそうだなと今までよりずっと思います。
来たばかりの嫁の姿は、私が入社したころの姿に似ている。


なんとか、この宿をよくしようと一生懸命。
でも、経営のことは何もしらないので、
「そうか、私もそうだったな」と。


一生かけて、この仕事を勉強し尽くそうと思いました。

社長の「あなたは気が楽だ」というのも、今までは捨てせりふにしか感じなかったのですが、それは悲痛な叫びだったかもしれないとも思います。


ちょっとタクシーに乗ったことで、いろいろ思うことがあった、それだけ印象深い「やさしい言葉」でした。



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◆素顔の女将◆

家結婚記念日の夜、家内とお気に入りのイタリアンレストランへ行った。
食後、お会計のときにお店の奥さんと立ち話をしたら、子供が出来たと言う。


ここのところ、社員の家族に弔事が重なり、何となく暗い気持ちになっていたが、他人事ながら、私たちの記念日に “懐妊”というおめでたい話を聞き、二人ともどこか心が 温かくなった、秋の深まる夜...。

(by aruji)

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