◇ 他人の振り見て我が振り直す ◇
先日、出張で千葉市内のあるホテルに宿泊しました。
施設はバブルの頃に計画されたもので、完成当時はかなり話題になったホテルです。

私自身もそのホテルは2度目、社長は更に何度か利用経験があります。
部屋はやや狭いものの非常におしゃれに出来ており、優雅な気分になれるホテルです。
話題になっていた頃は、そのホテルに泊まるのは憧れのようなものでした。
完成から何年かたって経営本体は何度か変わり、今回もまだまだ不慣れなスタッフが多いように感じました。
不慣れでも、新鮮な応対ならいいのです。教育は難しいですね。

チェックインのフロントは、座ってゆっくり手続きでき、丁寧で心地よいものでした。

お部屋へのご案内は、研修中なのか、ひとりではなく二人。
それについての断りはありません。

部屋の中はさすがに一人でしたが、エレベーターから降りるとき、「こちらの階です」という案内が遅く、他のお客様がいらして、私の前を係がふさぐシーンも。


夕食のときのスタッフは、もてなそうという気持ちは少し伝わりましたが、まだまだ固い接客です。緊張が伝わってきました。

緊張すると、お客様側も気持ちが堅くなるのものなんですね。
私も時々あるので、気をつけたいと思います。

会場が雰囲気を出すのに大変暗くしてあり、メニューの文字が私には読めません。

小さいライトを持ってきて下さいましたが、もういくらか明るくても良いかと思えました。


朝食会場はバイキングです。

卵料理を要望があれば焼いてくれるのですが、目の前に社長が立っているのに、焼いた人は、それが社長の要望であると分からず、きょろきょろしていたそうです。それは、お粗末です。


すごく気になったのが、出ていくときに出口に座っていたスタッフ。

無言であり、こちらに一瞥も無かったのです。
それは大変失礼ではないかと思いました。

そして最後にチェックアウトのとき、チェックインのときのテーブル椅子はあるにもかかわらず、なぜかカウンターで立って清算するスタイルなのです。
お会計は、もう帰るので立っていろと言われている感じがしました。

極めつけは、すこし位が高そうな黒い制服の男性。
その時間フロント周りにいれば、宿泊客だと分かるにもかかわらず、

「おはようございます」も「ありがとうございました」も会釈も無かったことです。
それにはかなりむっとしました。

私も紋屋で、さまざまなご注文に頭がいっぱいなときに、フロントに少しだけ顔を出してすぐ引っ込むときがあります。

その一瞬でも、お客様は見逃さないもの。
どんな一瞬でも必ずお客様を認知して、
会釈や挨拶の言葉や笑顔が無くてはいけないなと、
改めて反省しました。

社長が一番怒っていたことは、他のことです。


私は次の日は病院通い。
社長と分かれて最寄駅から病院に向かうのに、足の悪い私は最寄り駅のエレベーターの有無が気になりました。

社長がフロントに電話で確認したところ、「ある」という返答でした。
ところが駅へ行ってみると、なんと駅の入り口が20数段の階段なのです。
やっとの思いで階段を上りきり、前方(私が階段を上った反対口)を見ると、エレベーターがあるのです。

しかし、初めてその駅を利用する人間には、そんなことはわかりません。
単純に「エレベーターがあります」ではなく、

「○○ぐちにはエレベーターがございます。
反対の△△ぐちはございませんので、お気をつけ下さい。
駅構内は、エレベーターもエスカレーターもございます。」と
そこまで説明してこそ、正しい返答。

私は、何も荷物が無くても階段は上るのが大変なのです。

荷物があれば尚のこと、それはそれは大変な思いをしてあがらなくてはなりません。

杖が無かったら、どんなに無理をしてもあがることは出来ません。


階段を見て「やっぱり・・・」と思いました。
足の悪くない人にとっては、気がつかない事だと思います。
毎日の通勤でエスカレーターに乗っていれば、「ある」とおもうのでしょう。

電車に乗って東京駅についたら、目の前はエレベーターでした。
ところが健常者の人たちが脱兎のごとくエレベーターの前に集まり、足の悪い人は、早くなんて並べません。

あきらめてエスカレーターまで歩きました。
でも、エレベーターは思いのほか時間がかかり、結局、私のほうが早く上にのぼることが出来ました。

なんか、違うような気がするのですが、日本って、そう言う国だとつくづく思います。

足が悪くなかった頃は、私だって足の悪い人たちのことは分かりませんでした。
足が悪くなってからは、杖を突いてない人でも、足の悪い人はすぐに分かるようになりました。

ただし、サービス業である以上、そのホテルのフロントとしては、最低限の回答レベルだったと私は思います。
紋屋でもそのようなことが無いか気をつけなくてはなりません。

たまに他へ泊まると、同業者としての厳しい目と、宿泊者としての気持ちと両方が分かるので、とても勉強になった宿泊でした。

いそがしいとおざなりになりやすい私たち宿泊業。
上に立つものほど、良い接客が出来なければ、後に続く人たちが育ちはしません。

今回のホテルは、立派過ぎる施設が泣いているような気がします。

やっぱり、宿泊は施設だけではないと確信し、次ぎの日私達は、その前より元気に働けた気がしました。


紋屋は、足元にも及ばない施設です。
それこそエレベーターはありません。

でも、人として温かい気持ち、お越しの皆様に喜んでいただくことが、仕事の遣り甲斐。

これからも、お客様からの感謝の笑顔にあふれる、元気な宿でありたいと思います。

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◆素顔の女将◆

今まで節分の豆まきなどしたこと無かったのに、母から豆をもらったので、家内は自宅で豆まきをしようと言う。

面倒くさがって渋っていたら、「一家の主が豆まきしなきゃダメでしょう!」と何度も焚きつける。

イヤイヤ窓辺に向かうと、「はい、窓を開けて」と家内。
窓を開けると「鬼は外!福は内!」と豆まきして、「はい、窓閉めて!」

今度は玄関へ連れて行かれ、「はい、ドア開けて」
ドアを開けると、「鬼は外!福は内!」と豆まきして、「ドア、閉めて!」


結局、一家の主は窓とドアを開け閉めさせられただけで、
豆まきの係りは回ってこなかった。 
わたしゃ、ドアボーイか?

(by aruji)

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