◇ ほのかな灯火を抱いて ◇
先日、「予約をお願いします」と頂いた1本のお電話。
なんと息子さんがご結婚なさったのだそうです。
久し振りにお祝いの宿泊。こちらも嬉しくなりました。

それがまたお嫁さんは、山形の方。
3月11日の地震では、被害は海辺が多かったため、お嫁さんのご実家に被害はなし。
それでも、やはり同じ東北ですし、色々大変だったそうです。


「こんな時期だからやめようかとも思ったけれど、
   『旅行は不謹慎ですか?』の文章(社長のブログやメルマガ)を
    見て、何時までも暗い気持ちでいても」と思いなおされたと
    おっしゃっていました。

「この震災の前、あちらのご実家も私達を旅館に招待してくださったので、
 今度はこちらでもやっぱりそうしようと思いました。」とお客様。


そ う で す よ ね !


せっかくおめでたいことなのに、日本中が喪に服し続ける。

それは尊いことでもあるかもしれませんが、被災者のかたが本当に望んでいることは全然違うことであるに違い有りません。


きっとお嫁さんも含めて、山形のご実家の方々は、とてもお疲れでしょう。
被災地から離れてまだ寒い山形から暖かな南房総でゆっくりしていただく。
久し振りにほっとできるかもしれません。


このようなおめでたいご予約のお電話も、最近では珍しいこと。
仮にお祝いでもおっしゃらないのです。
先日もカップルプランでお客様がいらしたのです。
もしかしたら、どちらかのお誕生日とか、出会いの記念日かも...
と急に思い立ち、お部屋に行って伺ってみると、やはり女性の方のお誕生日でした。

それから震災後初めていらしてくださったお客様は、上のお嬢様の御入学祝いでした。


皆さん、本来なら胸を張ってお祝いと言えるのに、
ご遠慮なさりお気の毒です。

原発事故のせいで風評被害も広がり、ある意味では観光業も似たような状況です。
野菜が、魚が、水がと。そして自粛ムード...。



以前百貨店にいたときも、バブルの崩壊があり、とても辛い思いをしました。
その頃は、私の売り場は私一人で担当していました。
1日中立っていても、一人もお客様が来ない日もありました。
売り場の掃除をしたり、模様替えしたり、もっぱら手紙を書いていました。
上司は売上しか見ないので、「何をやっているんだ」と怒るのです。


努力をしていないわけではない。

来る日も来る日も、嫌ってほど手紙を書きました。

すぐには実りませんでしたが、それが結局私が勤めていた10年間、お客様が離れて行かなかった理由のような気がします。

だから今回も頑張らなくちゃ。

昨年お越しのお客様で、私がエピソードを書き残したお客様に、お一人お一人思い出しておはがきを書きました。


今は社長もいるし、従業員の仲間がいる。
そしてなにより、紋屋を支援してくださるおなじみ様がいる。

今は我慢のしどき。
節約して、我慢して、いつもは出来ない努力をして時を待つ。


震災後、初めて東京へ出かけたら、分かってはいても、暗いのに驚きました。
大震災が起きたんだなと、実感しました。
見なれてしまえば、それが当たり前。今までが電灯の使いすぎでした。
あんなに電気を使えば、地球温暖化を防ぐなんて無理!と思います。


今までが異常だったのでは?

国民一人一人が国の危機を自覚する。自分に出来ることをする。
そして、被災者以外は、極力普通に暮らす。明るい生活をする。
必要以上に自粛したり、人の非難をしたりせず、こう言うときこそ助け合い、思い合い、本来の人間らしさを取り戻そう。


考えることはたくさんあるに違いない。
立ち止まっては考え、また歩き出そう。

紋屋と取引きしている人材派遣会社の方から、ご機嫌伺いのお電話を頂きました。

ほとんどが関東エリアのリゾート施設との取引ばかりで、どこも大変厳しい状況。
どの施設も、自社の従業員の雇用を守るのが精一杯。
だから、派遣スタッフなんて依頼は来ないのでしょう。
元気をなくされていました。

人間、今日まで仮に栄華を極めていたとしても、明日のことは分からない。
自然界の大きな力の前では、あまりにも人間の力は小さいのです。
希望を絶やさず、励まし合い、笑いを忘れず頑張ろう。
多くの被災者の皆さんや、なくなられた方々のためにも、残れた私達は元気でいよう。


やっと、土曜日だけは、若干活気が戻りつつあります。

まだ小さな灯火が、やっとともったような状況ですが、
すこしづつ灯りが大きくなり、まぶしいほどに成長するよう、
日1日を大切に頑張りましょう。



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◆素顔の女将◆

先日、家内はオカモト理研のゴム製品がお気に入りであることを知った!


と言っても、手袋の話....

(たまにはこんな笑い話でも)

(by aruji)

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