◇ 打ちのめされても ◇
今年は、よく怒られた夏でした。


貸し切りのお風呂のオーバーブッキング。
問い合わせの返信が来なくて人数の承りが違う。
虫が出た、エアコンが壊れた。
従業員教育がなってない、等々。

怒りが絶頂に達しているときに最初に怒られる人間は、非常に苦しいです。
心に穴があいたり、折れたり、火あぶりになったり、ぼろぼろになります。
特に私は、聞き流すとか「また言われちゃった」と笑っていられない性分なので、ぼろぼろになってからすこしづつ元気になって元に戻るのに、非常に多くの時間を要します。

夏はほとんど休み無しですし、更年期で体調も良くありません。
ずっと愛し続けてきた接客の仕事が、嫌いになってしまいそうでした。


そんなときに、

「メルマガを読んでいる者ですが」
と、 一組のご夫婦様がお見えになりました。

伺うと、ご主人様はドイツの方。

お二人とも私のメルマガを読んで下さっていて、今年の一月に泊まりに来て下さったとのこと。
恐らく泊まりに来てからメルマガを読むようになったのだと思いますが、ドライブに来て、近くまで来たからと私に会いに立ち寄ってくださるなんて、初めての出来事でした。
ドライブの車の中で、私のメルマガの話題になって、ここまで来たから立ち寄ろうかと言うことになったのだそうです。
ご主人様は日本語を読めませんが、奥さまが訳してお二人で読んでいるとのこと。


それだけでも「嬉しい」ですよね。

そうでなくても、クレームで苦しんでいた矢先でしたから、感きわまって涙がこぼれました。
奥さまは、他の旅館のメルマガと私のメルマガは違うとおっしゃるのです。

たいがいは、今度の土曜日にイベントをやっていますとか、今こんなお料理を出していますとか、販売促進のための告知のようなもの。


私は基本的に販売促進のために、メルマガを発信していません。

ここの宿のおかみは、こんな人間ですと、私の基本的な考えを実際にあったことを交えて発信しているのです。
お読みになる側が、「こんなことを書いてしまって良いのかしら?」と心配するそうです。

確かにそのような部分は、あるかもしれません。
私は、正直に何も隠さず、自分の意見を言う人間です。

日本の社会では、なじみづらい変な人呼ばわれしやすい。
攻撃もされやすい。協調が苦手。

協調も確かに日本においては大事だと、大人になってからは、考えるようになりました。
しかし、みんなと同じがいつもいつも良いとは思いません。

日本の世の中に深く根付く協調性。
それを意識しながらも、やはり自分の考え、自分の信念を貫くことを諦めない。

その強さが私にはあると、お二人は思っていらっしゃるようでした。

私は、強い人間ではない。
すぐに落ち込むし傷つくし、何事にもひるまない強い精神力は持ち合わせていません。
でも、うちのめされても時間はかかりますが、完全には死滅しない。
自然火災の場合は、焼け野原になっても、樹木はいつのまにかまた緑の森に戻るそうです。
ところが、人間が手を加えて破壊された森は、2度と緑の森に戻らないのだそうです。

私は「葉子」
葉っぱだから、同じようなものなのかも。
そう思いました。

だから、私はやっぱり接客の仕事を捨てずに、これからも愛して行けと神様が教えて下さっているのかもしれません。
お越し下さったご夫婦様は、とてもお似合いでした。
奥さまは、チャーミングですし、ご主人は包み込まれるような温かい笑顔の方でした。

日本人同士でも、結婚は難しい。
国籍の違う人が日本で暮らす。
御近所の方々との調和も難しい。
また逆に、日本人が海外で暮らすのも大変です。

毎日、ご夫婦様は、いろんなことを感じ、壁にぶつかって、お二人で話し合われるのでしょう。素晴らしいことです。
せっかくお越し下さったので、以前いらした時に良かったとおっしゃっていた、私の手作りハンドクリームと、お礼状を書こうと昨日色付けして、午前中薄墨で字を入れ、あとは細かい文章を入れるだけになっていた葉書に、お礼の言葉を添えてお渡ししました。

以前に、「頑張っている人を神様は見捨てることはない。」
と、メールを下さった方がありました。

そうであったら、災害に苦しむ方々も、いつかはきっと報われるのしょう。


今年は自然災害に見舞われる事の多い日本。
もともと、地震の多い国。
台風も必ずやってきます。
災害への備えは常に頭に無くてはなりませんね。
地震と台風、浸水や建物の損壊。
そして帰宅困難。

紋屋も、今回また台風で被害が出ました。
自然の力は大きい。
でも、虫の巣が台風などで壊されても、また虫たちは、一生懸命働いて、元に戻します。

人間も同じ。
頑張っている人を神様が見捨てない。
そうであって欲しいですね。

また、見捨てられることが無いよう被災しなかった人間も、努力して参りましょう。

今年は「辛抱の1年」です。


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◆素顔の女将◆

孫の名前を家内に教えると、

「憲真くんの“しん”は、真じゃない方がいいなぁ~」

じゃぁ、どの字なら良いのか聞くと、特に考えは無いという。
なんで真の字じゃない方が良いのかと思ったら、墨で書く時に書きにくいからだとか。


それが理由かい!?

(by aruji)

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