◇ ここにしか来ないお客様 ◇
昨日、紋屋に3度目の宿泊のお客様がお越しになられました。

上の5歳のお子様は、障害のあるお子様です。

病名や詳しいことは伺いませんが、筋肉に力が入らず、お父様はお食事中も、ずっと抱っこをしていらっしゃいました。


すごく懐が大きな方だと感じるお父様。
一生懸命愛情を注ぎ、
そのお気持ちは十分にお子様に伝わっていると確信しました。

前回お越しのときはいらっしゃらなかった下の8ヶ月のお子様が、なんらかの力や影響を上のお子様に与え、元気になったら良いなと願いました。

ご予約では、上のお子様はあまり食べないので、離乳食は一つで良いということでした。
きっとあまり食べないことと、本来は5歳のお子様は有料なので、ご遠慮なさったものと私は思いました。
今回は、あまり召しあがらないお子様ということで、特別に無料にしてあったのです。
でも、下の8ヶ月のお子様が普通に食べたら、上のお子様は食べなくても何もないのは可哀想かな。
もしかしたら上のお子様も、下のお子様が食べていれば、食べるかもしれないと思いました。
ゆりかごプランの場合は、通常3歳になるまでの間は、お子様がお二人でも離乳食は無料です。

なので、二つにすることをお奨めしました。

たまたまかもしれませんが、この日、上のお子様は離乳食を完食したのです。

ご両親様は、大変お喜びでした。

上のお子様は、声をかけると嬉しそうに見えました。
これから小学校にあがる年齢になったら、どのようにして、就学するのだろう。
ご近所や学校の仲間は優しくしてくれるのだろうか?
他人事ながら、そのご苦労の大きさを思わざるを得ませんでした。

健康な方には、
なかなか身体的に苦労のある方の気持ちはわからないもの。

私は足が悪いので、他の方が歩いている姿を見ただけで、とくに杖を突いてなくても、足の悪さの度合いがわかります。

健康な方々は、気がつかない。
仮に気がついたとしても、痛みが分からない。

体の痛みだけでなく、心も痛むのです。

杖を突いているだけで、私の年齢では白い目で見られることがあります。
例えば百貨店の洋服売り場でも、店員さんがちょっと偏見を持った目を持つのです。
足が悪いと、それだけで素敵じゃないと感じるから?
足の悪い人は、ファションに関心があってはいけないのでしょうか?

紋屋内でも、杖を突いているだけで、お客様から変な目で見られることがあるのです。
大人でもそうなのですから、子供達の世界では尚のこと、辛らつな言葉でからかわれることもあるのではないでしょうか。
そんなことを私が心配するのも、迷惑なことかと思いますが、そっとお見守りしながら、ご家族のお幸せをお祈りしました。


ご主人様は、

「私達は、旅行はここしか来ません。」

とおっしゃって下さいました。

上のお子様の体にあうバウンサーはありませんし、決して快適ではないだろうと思うのに、ありがたいことです。


特別なことをして差しあげることよりも、
そっと熱い想いで見守ることが、
どこかで温かく感じられるのかもしれません。
前もって、
「大病後の母とうかがいます。」
「退院したばかりの父の快気祝です」など、

よくメッセージ頂くのですが、ご病気の場合はお声掛けが難しく、なんとお声をお掛けすれば良いのでしょうか?


お客様側に特に意図が無い場合もあれば、特別な意図がある場合もある。
そのあたりが非常に微妙です。
そのようなメッセージを頂いたからには、何らかのこちらのアクションを期待してのことなのかもしれない。

そう思うのですが、具体的におっしゃって頂く事が少ないので、苦慮しております。


そのようなメッセージを頂く宿というのも、ある意味では、
そうした心遣いをしてくれる宿と察して頂いているわけで、
嬉しいような気持ちもするのです。

少なくとも、私の代では細かな気遣いが出来る宿でありたい。
もちろん、疲れがたまって全く出来ない場合もありますけど。

「私達は、旅行はここにしか来ません」

本当に嬉しいお言葉ですね。


もちろん、他へもお出かけ頂いて構わないのですが、それだけ紋屋を気に入って下さっていることが、そのお言葉で心に染みてきます。

単純に宿に行って、多くのお酒を呑んで騒ぐ。
それだけで良いお客様。
おそらくとても気楽でしょうけど。

それよりも、
もっと人として生まれてきたことを感謝出来るような
お客様に恵まれたい。

さまざまな人間模様が織り成す煩悩と闘う人間同士で、心と心のやり取りが出来る。

ふとしたことから感じ取り、
そっとお見守りできるおかみでありたいと思います。

大変だった今年1年、もうあと一月ですね。

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◆素顔の女将◆

不景気のせいか、最近、牛丼チェーンの「すき屋」によく強盗が入ったという報道がされる。
チェーン店の警備の甘さを狙った犯罪で困ったものだが、家内によると店名が悪いと言う。


曰く、「すき屋」ではなくて、「すき無い屋」にしなきゃあ!
.....だ、そうです(^^;)
(by aruji)

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