新米女将と語る会
メールマガジン発行一周年の記念イベントとして、11月22,23,24日の3日間に渡り、9組のお客様をご招待し「新米女将と語る会」を開催致しました。お客様に参加していただける宿づくりを企画した会だったのですが、想像以上の結果を頂戴する事が出来ました。参加していただいた方々には、改めて心より感謝申し上げます。そしてご応募いただいた全ての皆様にも、深くお礼申し上げます。お仕事の都合で、最初に当選してもご辞退された方々もいらしたのですが、またこうした企画は常に行っていきたいという思いを強く致しました。今後も私のメールマガジンをご愛読いただくお客様と交流し、ご一緒に宿づくりを進めて参りたいと思います。どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
初日は20代のペア、2日目が30代で子供さんのいらっしゃる方。
3日目は40代以降の方々にお越しいただきました。三日間とも、ホームページメルマガへのご感想、料理について、お風呂、アメニティ、接客、全体の良かった点、悪かった点等について伺いました。今まで紋屋にお越しいただいた事のある方ではなく、同じ県や市町村が重ならないように選んだため、大変遠くからお越しいただいた方もございました。正直に申し上げて、今の紋屋は経営する私達にとっても(特に施設的に)満足出来るものではありません。現状でお客様の満足度を上げるために何が出来るのか、何から手を付ければ良いのか、そのヒントをいただきたいと思いました。最近、ホームページに立ち上げた「お許し下さい」にある通り、紋屋にはエレベーターもございません。でも落ち着ける良い宿だとファンになって下さるお客様も沢山いらっしゃる。これからそうしたお客様を増やすためには、何が必要なのか -----今回、年代別にお呼びしたのは、紋屋の現在の施設でどの年代層に一番支持していただけるかを知るためでもございました。年代によって感じる事やご要望がかなり違いがある場合、紋屋を一番支持していただける年代層を特に意識して、宿づくりを進めるべきではないか -----もちろん、あまりご支持いただけない年代層の方々に来ないで下さいと言うのではなく、宿にもカラーや特に重点的なターゲットがあるのではないかと言う事です。万人向けな宿ではなく、(年代層に限らず)こちらから紋屋はこうゆう宿ですと特色を打ち出し、それを好んでいただけるお客様が来ていただける宿になれば良いのではないと考えたのです。そして以下の5つの項目に分けて宿つくりを進めることと致しました。まず第一項目は料理です。一日目の会議の中でも、「特色の無い宿は印象に残らない」というご意見が出ました。では何に特色を出すのか -----やはりそれは、一番には料理ではないか。どこにでもある料理ではなく、房総ならでは、紋屋ならではの料理、特に盛り付けや出し方の演出が大切ではないか。ご参加いただいた方々が、今まで行って良かった宿の料理、ホテル・料理屋の料理を伺いました。私共もシーズン毎に試食会を開いていますが、これからはその期間も狭めていこうと考えています。そしてもう調理部任せでなく、自分達で歩いてよその店の気に入った料理からヒントをいただいたり、自分達で本に載っている料理を作って見て、調理部と研究してみたり、そのような努力も必要になっていると思いました。
第二項目目は、料理に限らず、館内の備品、売店の商品、全てに主性(あるじせい)や女将の色を出していく事。自分達のこだわりを精一杯お見せして、それについてきちんとした由縁をご説明していける宿となる事。これからは、ホームページ上でそうした私達の「思い」を大いに表現していこうと考えます。良い事も悪い事も全部さらけ出した上で、私達が考えている事、思っている事を今までは余り表現してこなかった。悪い事は申し上げず、販促上の決まり文句を駆使していたようにも思うのです。今夏から行った新しいサービスについても、今回の会で非常に大きなご賛同をいただきました。それも昨年夏と今年の春に行った分厚いアンケート結果に基づいて行ったものです。まだその時の結果も全部行動に移していないので、出来る限り早く実現しようと思います。それも全て、主と女将のこだわりと思い入れに則って進めていきます。
第三項目目は、紋屋は高級ではないが、くつろげる気持ちの良い宿であると言うフレーズを打ち出していく事。紋屋は料理の搬送システムもなく、客室係がピークの時は1人で4室も受け持つ事があります。そうした重労働の中、笑顔を忘れず、てきぱきと働いている姿は、どのお客様からも評価していただけるのではないでしょうか。もちろん、人によっては料理の並べる速さに違いが有ったり、料理説明が出来ない係もいます。たまには大きな失態だって、人間ですから起こす事も有るかも知れません。でも常に、一生懸命ではあると思うのです。今回、会に参加されたお客様は、「どの人からも明るい笑顔とマニュアル的でない声掛けが有った。『日の出が見えた』と伝えると『滅多に見られないんですよ』という話しが合ったり、そうした事が大切なのではないか」とおっしゃっていました。もちろん笑顔そのものが苦手な社員が一人もいないとは申し上げられません。ただし紋屋は、やはり心が和むような温かい宿。高級ではない分、気楽、気さく、のんびりできるのではないでしょうか。昨年12月頃から顧客様になって下さった、あるお客様は「初めて伺った時、こんなに良い宿が房総にあったんだって、思ったんだよ。いや建物のことじゃなく、居心地のことだよ。」とおっしゃって下さいました。今は、そのお客様のご親戚、ご兄弟、友人、趣味のお仲間の常宿のような形として、ご利用いただいています。有り難いことです。
第四項目目は、アメニティや館内備品の見直しです。
今まで、ご宿泊料金を少しも上げずに、かなりの量のアメニティを増やしました。その分、利益はどんどん減ってきているわけです。でもいくらアメニティを増やしたと言っても、本来あって当然の筈の備品が必ずしも揃っているとも申し上げられません。ひとつひとつ見直しを進めていかなくてはなりません。浴衣一つ取っても、現代人は浴衣を着る事も少なくなってしまい、左前なのか右前なのか悩んでしまうというお客様も、今回の会の中で話しが有りました。男女別の浴衣にしているのに、どちらが女性用と明記していなかったため、間違って着ている方も有ります。でもそうした小さな事に、結構気付かずに過ごしてしまいがちです。旅館だから浴衣が良いとも限らないかもしれません。お客様様のパジャマや作務衣も、いずれは検討してみようかと思うのです。普段私共のサイドから見ればつい見落とし勝ち、当たり前になり過ぎている事に結構盲点はあるのですね。
第五項目目は、ある程度は若い方にご支持を頂ける宿にする事。
今回の会でも、40代以上の方々からは階段の上り下りが辛いというご意見が多く、20代30代の方々からは階段は辛くなかったというご意見が出ました。モダン和風のお部屋には椅子すらありませんが、若い方々からは椅子の必要性を感じないというご意見を多く戴きました。モダン和風と言うコンセプトもどちらかと言うと、ご年配向きではないと言えなくもありません。であるなら、小さなお子様連れの若いお客様が安心して泊まれる宿にするというのも、高級旅館には無い一つのコンセプトになると思います。また季節のお花が大好きな方々に、館内の生け花を楽しんでいただくというのも一つの案です。静かにのんびりとしたい、団体さんばかりの宿はどうも落ち着かない。そんな、紋屋を好んでいただける方々を絞ってDMを打っていくことも必要かと思うのです。また現代人は皆、ストレスを抱えています。毎日の生活でかなりのストレスや疲労を感じている方々に、アロマのある宿でゆっくりしていただく。お受けいただいた方の90%以上の方がとても良かった、また受けたいと思って下さっています。今回の会でも「受けた方は100%満足する筈。もう今日は一杯で受けられないという事は、無いようにしたらどうか」というご意見が出ました。ご年配の方は、もう年だからと肌を出すのに抵抗を感じたりしますが、(実際は、そんなに肌は出しません)子育てやOA機器の操作で非常に疲れている方に、紋屋でアロマを受け、美しい海を眺め、温かい接客を受けてのんびりしていただけたらと思うのです。
以上の5項目を考え、進めてみようかと思います。
お客様をご招待し、生の声でアンケートする。「その事自体が斬新だ」とおっしゃって下さった方も有りました。日本人はアンケートを書きたがらないから、書かせる工夫も必要ではないというご意見もございました。10時半から12時過ぎくらいの間でしたが、皆さん非常に熱心に、私共と同じように、紋屋を良くする為にはどうしたらいいか考えていただけました。毎日のお客様とは、長い時間お話をする機会に恵まれません。毎日いても灯台下暗しで、気付かないような事も沢山お聞きできました。お客様ご自身も、「普段出来ない経験だった」「楽しかった」「面白かった」とおっしゃって下さいました。良くなかった点もご遠慮なくおっしゃっていただいたので、その点は皆様心苦しかったとおっしゃっていました。一番、私にとって嬉しかった事は、皆さんメールマガジンを読んでいらっしゃる事もあって、私の通常考えている気持ちに大きくご賛同いただいていると言う事でした。紋屋は確かに古さを感じる点はあるが、全体的に温かさを感じる宿である。痒い所に手が届くような宿、歓迎されていると感じられる宿、人柄が見える宿、そういう宿に泊まりたい。施設の充実よりも、一番は何と言ってもご満足してお帰りいただこうと言う気持ちである、と皆さんがおっしゃって下さった事です。
メールマガジンを発行している宿は全国に沢山有っても、私のように自分をさらけ出して、どんな事に頑張っているか、どんなことを考えているか語っているメルマガは、存在しないそうです。私はこのメールマガジンによって、紋屋を宣伝しようとは考えもしなかったのです。旅好きな人達が、宿屋の裏側を覗いてみたり、宿のあるじや女将がどんなことをしているか、どんな事を考えているのか判ったら面白いと思ってもらえるかもしれない。私は文章を書くことが好きなので、この場をお借りして、旅や宿に関連したことを書き綴れば、自分自身も女将として成長できるのではないか、と考えただけだったのです。もっと宣伝しても良いのではないかと言うご意見も戴きました。紋屋の女将さんとしてではなく、女将さんもやっている高尾葉子さんと友達になりたいのですと、おっしゃって下さった方もいらっしゃいました。メールマガジンは、紋屋のPR効果をもたらしているかどうかは判りませんが、何らかの形で紋屋の経営に少しは役立ちそうな気配がしてきました。ご愛読の皆さんの為の宿、アロマがあり、これから私達が打ち出していく新しい料理や、私達のこだわり・思い入れにご賛同下さる方のための宿 ------- 。
そうできたら素敵だと思いませんか。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
雑誌に出ていた最新映画の紹介文を私に見せながら、
  家内 :「ねぇ、あなたはラブストーリー嫌い?」
  aruji:「いや、別にそんなことないよ」
  家内 :「私、これ見たいんだけど」
  aruji:「ああ、それヒロインが最後に死んじゃうやつでしょ」
  家内 :「そう。こんなの見たら私、ベロベロ泣いちゃうな」
ベロベロ泣く!? やっぱりどこか変だ!(by aruji)

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