◆ 心に残り続けること ◆

先日、あるご夫婦様がお越しになられました。

マタニティのプランで奥様が妊娠8ヶ月だそうです。


きっとお二人だけでのご旅行は、もうこれで最後。

思い出つくりにこられたのだと思います。


お食事も美味しく召し上がれたそうで、おふたりともとても満足そうでした。

体調のお話や、今後のお話などさせていただいたのですが、そのあとで.....



驚いたことにそのお客様は、

娘時代にご両親と紋屋にお越しになったとおっしゃるのです。

ご両親様も、「今度紋屋に行く」と伝えると、

「あ~、一緒に行ったところね」とおぼえていらっしゃるというのです。

それには驚きました。


    「そうなんですか! ありがとうございます。

     覚えていてくださったんですね。」


お客様も、「中がとても綺麗になっていて、驚きました」と。

その頃は今より改装が進んでいなかったのでしょう。


その奥様の場合は、おばあさまも老人会でいらしたことがあるそうです。

更にそれにも驚きました。

それだから選んでくださったというわけではなさそうですが、

どちらにしても嬉しい事ですね。


最後に紋屋旅館の名前の看板の前で、記念撮影。

ご両親に見せるそうです、



十数年前、皆さんは行かれたお宿どれくらい覚えていますか?

全てのお宿の名前覚えていらっしゃいますか?



私は、覚えている宿は数件ですね。(この仕事を初めてからの宿は別)

どの県の○温泉位は覚えていても、なんという宿だったのか、

なかなか思い出せないものです。


あの宿では足袋をご案内の時に持ってきてくれたとか、

あの宿でのあの料理が美味しかったとか、断片的になるのです。



私が小さいころ、何時も家族で毎年のように通っていた宿は、

箱根に有りました。

特別その宿の誰かのファンに成ったわけではなかったですが、

何時もお気に入りのお部屋と、

お気に入りの家族風呂に入るのが楽しみでした。


家から通いやすくて、時間もそう掛らず、気軽に何時もの宿の何時も部屋。

安心感が有りました。

おみやげも決まった楽しみがあり、お気に入りの作家のこけしと寄せ木細工。

お気に入りのおまんじゅう。


何時も同じというのが、家族の間で実家のようだったのです。

帰りに立ち寄る神社も何時も同じ。

建て替えになったら、その後は行かなくなりました。



私は前職で東京都下の百貨店に勤めていました。

その街に根付いている百貨店だったので、

大変顧客率が高かったのが特徴です。


顔を見れば、そのお客様のお名前もお使いのものも、何でも頭にすぐ浮かぶ。

お買い物がなくても立ち寄ってくださったり、

お茶菓子の差し入れがあったり。世間話に花が咲く。


私のコーナーのお客様でなくても、

私という一個人についてくださるお客様も多く、

それがまた嬉しいものでした。



宿の場合は、なかなかそう頻繁にお越しになることはありませんが、

私が何時も思い描く雰囲気はそのような状況です。


永い間には、亡くなるお客様もありますが、何度かお越しいただく内に、

紋屋でもだんだん心が通じる様になっていく過程が、

私にはたまらなく楽しいものです。


    「紋屋は、私達にとっては特別な存在です」と

     おっしゃっていただけるようになること。

そのご自身のお仕事で異動があったり、

家庭内の状況やら不安や苦しい状況など、教えてくださったり。


いつも、ご家族お揃いでお越しくださっているお客様が、

そのお一人が亡くなられる。

私達紋屋での思い出を何時も胸に刻んでくださって、

「来るたびに母に会えるような気がする」とおっしゃっていただける。



紋屋と家族で過ごした時間が重なりあい、

そこにスタッフや私達経営者とのつながりも出てくる。


人と人との心つなげる時が私にとっても生きがいを感じる時。

もう行くところもないだろうと、ついいつものお客さまには、

心配するのですが、お気に入りの紋屋の絶景。

お気に入りのおみやげ屋さん。それでいいのかもしれません。


いつまでも「皆様の心の宿で在り続けたい」と思います。




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◆素顔の女将◆

ここのところ、家庭状況の変化による休職や本人の志向するライフスタイル

のための間引き勤務希望などが出てきて、スタッフの絶対数が足りなくなっ

てきている。勤務シフトを組む家内は頭を悩ますこと暫し....。

ん~~~、困ったねぇ。

                            (by aruji)

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