心の宝物
私の前職は、百貨店勤務でした。10年という長い間、よく頑張ったものです。一日中立ちっぱなしですし、空気はたいそう汚れています。私のいた売り場は百貨店のイメージとはほど遠く夏は暑く、冬は寒い所でした。夏は特に大変で、売り場はいつも34℃以上あり、体中汗もだらけになりました。「デパートなら夏涼しくていいでしょう。などと知らない人は言いますが、そういう涼しい売り場も中にはあるということなのです。女の職場でいじめはありますし、子供を抱えて「一人で生きていくのだ。」と言う決心がなかったら、勤まらなかったかもしれません。それと、今では大親友になった、友人が最初の先輩だったと言うことが私には、大きかったと言えるでしょう。彼女に、「貴方なら出来る。必ず出来るようになる。」と励まされ続け、それが、今の私を形成するのに大きな原動力となったのでした。
そしてもう一つ大きな理由は、「大切な良いお客様に恵まれた」と言うことです。はじめの7年はフレグランスコーナーだったのですが、その間に私のお客様となって下さった方々との思い出は、一生忘れられない大切なものとなっています。よく他の社員から、「貴方はなぜそんなにお客様と深く関わるのか」と批判されました。それは、目には見えないものを扱っていた事と、本当に信頼関係が成り立つ接客に心掛けたこと。そして、そのブランドの客層と私の雰囲気がよくマッチしていた事などが、その理由と言えるでしょう。
10年もいたのですから、最初の頃からのお客様とは、もう、心の結びつきが出来上がっていました。また、最初の7年間は入り口に近い売り場でしたから、私の扱っている商品に関係の無いお話だけのお客様も大勢出来ました。不特定多数の方々に、自由に微笑みかけることが出来るという事が、私には楽しかったのです。毎日、たばこだけ買いにくるお客様、会社の帰り道にしている方々も結構いらっしゃいました。そうしたお客様と世間話をしているうちに、一人のお婆様から「お友達になって下さい」と頼まれたこともありました。しかも、その女性とは、今でもお付き合いをしているのです。たまにしか会えませんが、不思議な縁です。大切な顧客さまが病気になるとお見舞いに伺ったり、「明日は主人も娘もいないから、私とデートしてくれない?」と美味しい日本料理をご馳走になったり。それこそお菓子の差し入れはとても多く、頻繁にケーキを戴いてダイエットが必要になりました。私が百貨店に在籍中に、亡くなってしまわれた方もありますし、カップルがご結婚なさって、お子様連れでいらっしゃるようになったり、楽しい思い出や悲しい思い出も沢山つまっています。
私の熱烈なファンになって下さった数々のおじいちゃんたちの中で一人の方は、はじめは「デートするまで諦めないぞ。一回15万円でどう?」とおっしゃていたのに最後の頃は、「一回5千円でどうかな?」と、だんだんお年を召されて懐具合も寂しくなられ、それでも最後まで私のフアンでいてくださいました。お家では、「お父さん、出かけてきて下さいよ。」と追い出され、「夕方迄時間をつぶさなくちゃいけないんだ。」とぼやいていました。「私は貴方からしか買い物したくないんですの。」とおっしゃって下さったピアノの先生や、外科医の先生、学校の先生等、懐かしい思い出は尽きません。
私は、一人一人のお客様に、物を売りつけたことは一度もありません。いつも、お客様の為に、熱心にお世話をしてきました。その結果として、いつも売り上げは自分自身についてきました。心無い販売は、大切なお客様を失う結果を招きます。ご主人を亡くされて、「もう、買いに来られません。」とわざわざ挨拶にみえる方もあり、悲しいやら、有り難いやら、複雑な思いも経験しました。もう、この売り場をやめると、なにもしてさしあげられないのに、私に結婚祝をくださった方もいらして、百貨店時代は本当に素晴らしいお客様に恵まれました。
宿においては、百貨店ほど来店頻度が高く無い為、まだ数組のお客様としか、信頼関係は結べていませんが、少しづつ紋屋の上顧客様が増えてきています。あせらず、ゆっくり、心結べるお客様を築いていきます。旅は、現実とは少し離れた部分があるので、余りプライベートな処を伺えないですし、難しいものです。でもいつか、百貨店時代に負けないお客様とのエピソードを作り上げていきたいと思います。きっと.....。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・◆素顔の女将◆
テレビにアメリカ政府のライス補佐官が写った。
   aruji:「この女性、何となく目つきが怖いよね」
   家内:「ほんとね。でもライスって美味しそう♪~」
どうやら、夫婦して日米親善には役立ちそうも無い。(by aruji)●おまけの息子●
テレビで「内閣府」の話が出た。下の息子が言う。
  息子 :「何?内閣府って?」
  aruji:「今度新しく出来たんだよ」
  息子 :「何処に出来たの?」
  aruji:「何処って、東京でしょ」 
  息子 :「なんだぁ。大阪府とか京都府とかじゃないんだぁ」
ん~、ちょっと似てるんだけどねぇ。(by aruji)

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