期待
人間の心、心理というものは、なかなかもって難しい物だと思います。最近は、インターネットの普及から、旅行業社を通じてのご予約であってもホームページをご覧になっていらっしゃるお客様が多くなりました。それはそれで、うちのコンセプトをよくご理解頂ける点に置いては嬉しいのですが、旅行会社の企画によっては、ホームページに書いてある内容とは違う部分が当然あることを、ご理解いただけない時があるのが残念です。ホームページに書いてある内容は、あくまでも、直接申し込んだ場合を想定しているわけです。直接のお申し込みでないのに、ホームページと違うというクレームがどうして起きるのか、私たち側からすれば理解できません。
こうしたことを書くようになったというのも、私がこの業界にある程度慣れてしまったのかも知れませんが、一生懸命お迎えしている気持ちは、以前にもまして強くなっています。自分で選んだアメニティーや、自分が作り上げたサービス内容がどんどん増えているのですから…。誤解を生まないようにすることは、本当に難しいものなのですね。直接のお客様でも、ホームページの内容に、あまりにも大きな期待を寄せてしまうお客様の場合、裏目に出てしまうことがあります。普段から私は、紋屋の全国レベル、料金に見合ったサービス内容に十分心を配っているつもりなので、今の状態でも、飾りすぎの表現があるのか考え直さなければいけないかもしれないと考えます。私共は、わざわざデメリット表示もしています。期待の持ち方のそれぞれのレベルに合わせることは、至難の技であろうと思います。
雑誌をご覧になってお越し下さるお客様も、その雑誌によっては余り期待しないでお越しになられ、「返ってすごくよかった。」とおっしゃる場合もあります。期待をさせすぎないように自分の宿のアピールをする。期待して「その通りだった。また是非紋屋を訪れたい。」とおっしゃって頂けるお客様と、まったく違ったおもてなしをしているわけではないので、どうしたものかと考え込んでしまいます。
従業員に対する期待のかけ方でも、期待されれば大変喜んで応えてくれるものだと思っていましたが、人により、それも違うようです。褒めると自信過剰になってしまう人や、褒めても素直に受け取らない人。個人個人の性格の見極めは難しいものです。ましてやお客様ともなれば、初対面のかたがほとんどなのですから。そのお客様の期待の度合いや評価のレベルまでは、個人差も有るのでつかみきれないのが現状と言わざるを得ません。
女性は家族の問題が男性より大きなストレスとなります。私は、最初に社長が私に対して女将として期待をしてくれないことが、とてつもなく不満でした。はじめから経営者として迎えてくれなかったことも、私にとっては大問題でした。期待を寄せてくれないということは、裏返せば出来ると思っていない、私を必要としていないのではないか.....。私を女としてだけ認めているなんて、職業を持っている人間にとっては無能な人材ということになってしまいます。私は接客の仕事がものすごく好きですし、何より愛する主人にその能力を認めてもらい、私の存在を女としてではなく、女将として認めて欲しかったのでした。社長も最近になって、やっと私の気持ちを多少理解したようです。又、私もそのことに執着せず、違った考え方を習得するべきでした。
期待というたった2文字の指し示す範囲は、非常に広く、奥も深いものです。私が産んだ一人息子も、幼い頃大変手がかかり、勉強も出来るようになるとはとても思えませんでした。高校生になって、先生に褒められたことがきっかけとなって自信を持てるようになりました。後になって「期待してくれなくちゃ、出来るようになんかなるわけ無いじゃないか。」と言われました。私としては、親の期待が、子供の負担にならないようにと考えたつもりでした。でも人間は、期待してくれるからこそ力が湧くものです。過剰な期待は返って逆効果でしょうが、愛情を持って出来る様に成る日を温かく見守るべきでした。大切なことはまず、「気づくこと」なのかもしれません。気づきが、全てを生んでいくのだと.....。気づきがなければ、何の発展も生まれては来ない。そして、気づいた後の努力こそが、一番大切なのかも知れませんね。
紋屋のホームページは良く出来ていると言われますが、お客様を(悪い言い方で)釣るような意味合いのページにはしたくないと思います。紋屋に関心があるお客様に過剰な期待を起こさせず、でもささやかな期待を入れられる篭をお持ちに成り、入りきれない程の満足をお持ち帰り頂ける.....。そんなホームページ作り、宿づくりを目指して参ります。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
◆素顔の女将◆
私の目をじっと見つめ、「あなたの目って、うるんでて美味しそう!」と家内に言われた。じゅん菜やナメコを思い起こさせると言うが、私の瞳を見つめて「美味しそう!」と言うのは、あなたと首狩族くらいのものだ。(by aruji)

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