アロマルームとの関わり
紋屋にアロマセラピストが入ったのは、3年ほど前からです。はじめはアロマルームもなく、普通のお部屋で承っていました。最初は半信半疑だった私がアロマに積極的になったのは、自分自身がオイルトリートメントを受けてその気持ち良さが理解できたからです。でも、この頃単にそれだけではないと考えるようになりました。
アロマルームは私共紋屋の経営ではなく、同じ白浜にあるアロマセラピストが経営する、メールアロマルームというところからきてもらっています。その経営者の小池さんという方は、エステシャンの資格も親業の資格も、保母さんの資格も、IFA認定プロのアロマセラピストの資格も持っている方で、経験も長く日本では貴重な存在だと思います。そして、本当に生真面目でアロマの本筋を極めていらっしゃる方のように私は感じています。
アロマを良くエステと間違える方がありますが、エステは外面の美しさにこだわったもの、痩身、美肌などの効果を期待できるものです。アロマはもちろん美肌効果もありますが、どちらかというと健康のためのもの。体を温めたり、血液の循環をよくして自律神経にも作用して整えます。天然ハーブのオイルを塗ってやさしくトリートメントするのですから、精神的なストレス解消に大変効果的で、治療行為ではありませんが、海外では手術の前の緊張をほぐしたり、また手術後の精神的なケアに多く利用されているそうです。忙しさや多くのストレスを抱えている方ほど効果が出安いもので、それだけに迎えるセラピスト側は、余裕を持っておおらかな気持ちでお迎えしなくてはならない大変な仕事です。
多くのセラピストの卵は、なかなか仕事がなくてほとんどが兼業で仕事をしているそうです。小池さんもはじめて紋屋にいらした時には、アロマを取り入れてくれるホテル旅館を必死に探していらっしゃる様子でした。その意気込みであるとか信念のようなものがこの小池さんにはいつもみなぎっていて、私自身が気持ちを大きく揺さぶられ、アロマに対する信頼心を高めています。
アロマのご予約が入っても紋屋はちっとも儲かりませんが、宿泊施設で受けるアロマこそもっとも効果的だと知っているので、一生懸命お客様にご説明しお勧めしています。この頃アロマも3年たってすっかりお客様に定着してきて、ほとんど毎日予約が入るほどです。しかし取り入れた頃は、暇な時期になると全くご予約はなくなってしまいました。こちらも今ほどは力を入れてなかったこともあります。主も余りにもアロマに固執しすぎてしまうことを、最初のうちは特に危険だと考えていました。どれくらいお客様に支持して頂けるかわからなかったこともあります。
でも一番の問題点は人の確保でした。繁忙期になると猫の手も借りたいほど忙しく、オフになると逆に全く予約が入らないので、人を抱えていられません。宿側も、予約人数がよめないのに専従の従業員は置いてはいられません。忙しい時は夜中の1時終了ということもありましたし、夕食も取る暇もなかったり。
休日もこの頃やっと取得するようになった状況で、経験をつみ指導が必要なくなった人がやめてしまったり......。私たち宿側も、心配せずにはいられない状況です。そういうセラピストが人を癒す側なのです。女将業も似たようなものですが、ひと事ではない状況を予測していつも心配になります。
それでもお客様にはして差し上げたいですし、むげにもお断りは出来ません。仕事は大変だからこそ遣り甲斐もあるわけです。大変な思いもしてこそ、お客様に心が通じる部分もあります。ですが無理をすれば、しわ寄せも来るのは当然です。紋屋も従業員教育に力をいれてきていますが、こうも不景気だと正社員を大勢かかえていられません。人を育てるためには人材確保もしなくてはなりませんが、仕事が出来て都合よく休んでくれて、生活がかかっていない人材は、そういるものでもありません。アロマルームが抱えている状況を、紋屋も同じように抱え込んでいます。
アロマルームはそういう訳で外注のかたちなのですが、テナントだから紋屋としての責任が無いという訳にはいきません。何事も心と心の通わせ合いだと思います。私は、単なるアロマが良いからではなく、小池さんという方に対する信頼で、今はアロマと向き合っていると言っても過言ではないかもしれません。
真剣で誠意があること。その姿勢に心うたれているのかもしれません。というより、私自身がめざしているものと似ているのでしょうね。旅にいらっしゃるお客様の心を癒そうと真剣に考えている者同士でなければ、テナントとして一緒に動いていけない。そう思います。
2ヶ月ほど前、同じ資格を持っている人に紋屋の仕事を譲りたいとアロマルームから話しがありました。他のホテルも兼業していたのと、そちらを任されていた人が急に海外に留学することになってしまったからでした。必死に育ててきた人がやめてしまう。経営側にとっては大変切ないことなのです。その同じ資格をもて居る方にも面会したのですが、小池さんほどの熱意を感じることが出来ませんでした。やはり何事も、人と人との心の繋がりがいちばんであり、同じ資格であれば良いと言うものではありません。実を言うとその時はじめて、小池さんでなければと強く自覚したのです。少なくとも私は、小池さんとの出会いは大切にしていきたいと、お互いに意見を出し合い成長し合いたいと切実に考えました。そう考えられる人とお客様を迎えていきたいと.....。
そして、紋屋の従業員にも私と気持ちを同じくして、お客様を迎えてくれる人がひとり、ふたり、と増えていってくれたら......。辛い時は一緒に笑い、嬉しい時も共に喜び合えるそうした職場にしたいと願っています。
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◆素顔の女将◆
家内とお客様の会話を聞いていると、心からの喜びや同意、あるいは謝罪が伝わるって来る。本当にお客様サイドに立った会話をしてるんだなぁと感じる。接客業の基本とは言え、なかなか出来る人は少ない。感心。(by aruji)○こっそり義父さんも○
義父さんが地下鉄に乗ったら、具合が悪くなったと言う。そう言えば、隣に黒人が座っていたとかで、「その人から炭そ病がうつったに違いない。防毒マスクを買え!」と義母さんに言ったとか。義父さん、うつったのなら防毒マスク買っても、もう遅いでしょう?(笑)

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