展示会
結婚する前、私が社長と2度目に会った時、社長は「今日はホテルレストランショーに行って来た」言っていました。ホテルレストランショーって何だろうと思い聞くと、ホテルやレストラン関係の展示会だそうです。館内の家具や寝具、調理器具、食品、衣類、色々なものが広い会場一同に展示されるそうです。「楽しそう!」とその時は部外者なので呑気に構えていました。
その年の秋、はじめて一緒に展示会に行ってみると、東京ビッグサイトの広さや人の多さにまずびっくり。そして、歩いても歩いても見きれないことにすぐうんざりしました。こうした展示会はホテルレストランショーだけでなく、ギフトショー、ジャパンショップ等、他にもけっこうな数があります。毎回は行きませんが売店の品物探しや、従業員の制服、館内の什器備品、家具、それこそ宿は衣食住すべてなので、この辺は関係ないから見なくて良いね、と言える分野が非常に少ないのが悩みの種です。
広い会場をなるべく疲れないように的確に廻り、良い商品と出会わなければなりません。もちろん値段交渉もありますし、気に入ればすぐ買い入れというわけにもいきません。なかなか自分の宿に合った物を探し出すのは一苦労です。普段から物を見る目を養わなくてはなりません。東京に出かけたらなるべく色々な店舗に足を向け、一般の小売り店や卸屋等とにかく見て知ることが必要です。
この頃は、他の宿や百貨店でさえも置いている製品が、何処から仕入れているか分かることが多くなってきました。また反対に、百貨店に置いてあるあの商品を仕入れたいと目標を持ち、その製品に展示会で出会う事もあります。常に辛抱強く足を運び商品を見ること。時には小売り店にある商品の仕入先を調べて、直接交渉することもあります。
一例では、私が習字用の紙を調達している和紙の店、東京立川市にある「雅」さん。御主人がとても良い方で、私が特別に気に入った商品の仕入先を教えてくれました。「ここは余り間口を広げたがらない会社だから、難しいかもしれないよ。でも、もしだめだったらうちで少し割引してわけてあげよう。」とおっしゃって下さいました。
交渉の電話をしてみたところ、初めはやはり難色を示しました。しかし、私が余りにも熱心だったこともあるのでしょうが、ギフトショーに出かける話をしたり、様々な東京の和紙屋さんの話、また私共のホームページの話をしたところ、段々感触が違ってきました。一応、比較的多くの商品を卸しているという東京日本橋にあるお店を見に出かける約束をしました。そして、実際の商品を見て、これならうちでも多くの品数を扱えそうだと思い、再度交渉し成立しました。その営業さんも良い方のようで、そんなに頻繁に発注しなくても親切です。「東京の百貨店でのれん市があり、出店しますから見に行けたらお出かけ下さい。」と教えてくれます。もちろん紹介してくださった「雅」さんのお力もあることでしょう。しかし、こうしたことは珍しいケースです。
私が房総に来て3ヶ月程経った時、あるメーカーさんの社長さんが、他のホテルの売店を一緒に廻って下さいました。驚いたことに、ほとんどのところが同じメーカーさんの商品を扱っていました。白浜、富浦、千倉、鴨川、小湊がみんな同じような品物しか扱ってなかったら、よく南房総にいらっしゃるお客様は、お土産を買う楽しみをなくしそうな気がします。売店のみならず料理にしろお茶菓子にしろ、紋屋ならではの色を出して行きたい、私達の切なる願いですが、まだまだその色は十分に出てはいません。
しかし展示会行きは疲れます。ほぼ一日中歩き通しで足はぱんぱん。多くの同じような業者さんのパンフレットを頂くので、どの業者さんか覚えておかないと、あとでどれがどの会社のものか分からなくなりかねません。それを帰って整理して改めて導入するか検討しなおして、発注に至ります。探しているイメージにぴったり合う商品に巡り逢うのも、3、4回に一回の程度なので、如何に時間がかかるかお分かりいただけるでしょうか。
こうして年に何回かある展示会へ出かけては、おいしい料理の画期的素材に出会ったり、足や腰が痛い方用の高さ調整ができる椅子テーブル、海外の材木を使って日本の職人が作った家具製品を製造する会社を知ったり、行く度に新しい発見をしています。
破れづらく強度の高い障子紙などはとても高価です。織物のディスプレイもムード満点です。しかし、「素晴らしい!」「素敵!」と思うものは恐ろしく高価です。なるべく投資を少なく、良い雰囲気を出せる製品や会社の発掘に今日も余念がありません。そうこうして物を見ていると、他のホテルや店舗に置いてある椅子テーブルが高いか安物か、すぐ区別もつくようになってきます。今流行の新感覚の和食店などは、ほとんど店造りがローコストです。お金をかければすべて良しというものでもないので、これからの宿造りをいつも模索しつつ、これからも良い意味での勉強熱心であり続けたいと思っています。
ある方のお話によると、集客は旅行会社まかせ、売店は出入りメーカー任せ、また、料理は調理人任せな所が実のところ多いそうです。不景気で地道な努力はいつ実るか分かりません。気が遠くなることも少なくありません。しかし、いつの日もこつこつとまじめに小さな努力を惜しまない、それが私のスタイルです。
今後は、地道な努力だけではもちろん会社はもたないでしょう。しかし、大きな決断のためにも、日頃からの勉強が大切。一にも二にも努力、この不景気風を吹き飛ばせるように頑張りましょう。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
家内が、カップアイスをいくつも買ってきた。食べ始めた途端、
 「これ何だかコーヒーの味がする!」と不満そう。
見ると、カップに書いてあるのはカフェラテ。それ、コーヒーなんだけど...。
 「じゃあこっちにしよう」と別のを食べ始めた。すると、
 「あれ~、バニラじゃない!」と言う。カップには、
ロイヤルミルクティーと書いてある。家内は、どうもラベルを良く見ず、思い込みで購入するタイプらしい。(by aruji)●おまけの息子●
卒業旅行でTDSへ行く息子は、母に「お土産、何が良い?」と聞いたと言う。「別にいらないよ。それよりお前、お小遣いあるの?」と聞かれると、「無い」と答えて、まんまと小遣いをせしめたそうだ。悪知恵の働く奴である(笑)。(by aruji)

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