お客様から教えて戴く事
不景気とは言え、おなじみ様は随分と増えてきました。有難い事です。初めは知らなかった方たちと少しづつ気持が通い、段々と仲良しになって行く。接客の仕事の一番楽しい部分です。しかし難しい点もあります。毎回喜んでいただくこと、1回1回前回を上回るおもてなしをご提供すること。少なくとも前回を下回らないようにだけは細心の注意が必要です。簡単なようで実は難しいのです。
初めてならびっくりするようなことでも、2度目以降は当たり前になって行きます。そうそう新しいおもてなしの考案も出来ませんし、いつもミスが出ないとも限りません。お客様の中には、上顧客様として特別なもてなしを要求なさる場合も出てきます。
私も、ある薬屋さんでいつも買っている高額のビタミン剤があります。そこの御主人はとても良い方でしたし、接客も良かったのです。いつも遠くから来てくれていると、いつ行ってもサービススタンプカードを3倍にしてくださいました。又顔パスでいちいち名前住所を書かなくても、特典をつけてくれていました。
ところが支店が増え、御主人が支店に行ってしまい、新しい店員になってから特別サービスはなくなってしまいました。それは仕方がないことですが、何となくつまらなく面白くない気持がするのです。紋屋でも私が顧客様を覚えていても、従業員が知らないことは多くあります。特に電話でお名前を聞いただけで、すぐあのお客様だとピンと来るのは難しいかもしれません。私の心まで見習ってもらえるまでに成長しない従業員もいるので、上顧客様の扱いも難しいなあと考えます。
旅行会社のVIPのお客様も紋屋にとっては初めての方が多く、でもいかにも自分たちは特別扱いしてもらえるものという雰囲気でいらっしゃる方があります。基本的にはどの方も大切ですし、特別扱いの仕方が難しいですね。また、毎月お越しになるお客様でも少しも威張らない方もあれば、1年に1度くらいの頻度でも料金をサービスしなさいとか、満館の日でも釣ってきた魚をさばいて欲しいとか、細かい注文が増えて、実際余り喜んで承れないこともあります。もちろんどんなに注文が多かろうと、お越しくださることが私達にとって命なのですから、それでも有難さがなくなることはありませんが......。自分が顧客である場合も、余りうるさい客だと思われないように注意しなければいけないと考えさせられました。
また、クレームがきっかけでいろんな事に気付かされる有難いケースもあります。紋屋の館内で和式トイレが2部屋だけ残っているのですが、しゃがんでから立ち上がる時、気を付けないと壁の出っ張りに頭をぶつけてしまう構造になっていました。客室のトイレは普通、従業員は使わないのでお客様から教えていただいて助かりました。
毎日は無理ですが、経営者はやはりよく自分の店を歩かなければいけないと思います。注意しているつもりでも見逃していることが結構あります。最近は、暇な時を選んで不意打ちで店内をチェックします。掃除担当は音を上げますがくもの巣や、細かい埃の見逃しが多いのが実情です。お茶のセットの中に入っている茶筒も、いつのまにかさびさびになっていましたし、プラスチック製の急須はいやがる方が多いので、少しづつ変えて行く事にしました。こういった細々とした事も、お客様との会話やアンケートから得た事です。
お客様からご指摘のあった、フロント番号のご案内のシールがいつのまにかはがれていた事や、ご案内の張り紙のはがれ、壁に空いた穴など、資金の許す範囲で優先順位をつけて片付けて行かなくてはなりません。でも正直に申し上げて、お客様がつけてしまうテーブルの傷、新しくしたばかりの畳にすぐつけられてしまった傷等は、かなりコストもかかるので、心ならずも目をつぶらざるを得ないことも多いのです。
母の時代は忙しかったにもかかわらず、時代的に丹精を繰り返していました。その為今になってもう限界になっている機械や什器備品が山のようにあり、この不景気にどうやって買い換えていくか頭が痛みます。
どんどん割れる皿も、修理品は業者もなかなか取りに来ません。しかし倉庫の眠り続ける不要品の片付け、皿の棚卸、梅雨がくる前の布団干し、そうした点検は大変重要です。その必要性も、常にお客様からお声から吸収します。
古い建物を含め、新しくしたいのは山々ですが、少ない資金で今出来ることを見つけて行く、そうした努力はとても貴重なような気がします。毎日お客様から教えていただいた小さな事から、少しばかりの思いつきに到達する。その積み重ねが、社長や私のこだわり・思い入れとして成長していく。細かな気付きと努力がお客さまに伝わる。
そうした事ひとつひとつを、社長や女将だけでなく従業員の各々が意見を出して、みんなで良いサービスや働きやすい職場造りに励むことが出来る会社にしたいと思います。仕事の量は膨大ですが、ゆっくりじっくり少しづつ、私自身が歩んで行かなければと思います。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
高校時代、演劇部部長だった私に、「あなたは子供の頃、将来何になりたかったの。俳優だっけ?」と家内が聞く。「俳優になるには、身長と足の長さが足りないだろう」とおどけて言うと、「ああ、そうよねぇ」と心から同意する。悲しい.......。(by aruji)◎義姉さんまで登場◎
家内と義姉が誕生日の話しになった。私の誕生日が9月1日と判った途端、大の小沢征爾ファンの義姉は、「あら、9月1日なの!小沢征爾と同じ日ね!なんて良い人なんでしょう♪~」と声が裏がえっていたとか。わたしゃぁ、小沢征爾じゃないんですけど.....(^^;)(by aruji)

ご予約・プラン紹介はこちら