ドラマ
旅館のドラマは、世間では人気があるそうです。
人気の理由は「いじめに堪える」というようなテ-マが受けるらしいです。女将がいじめられたり、若女将と大女将が対決するとか、そんなテ-マは観ていて楽しいのでしょうか。私が主人との結婚を他の人に相談したとき、みな口を揃えて反対されたのも、「旅館に嫁ぐのなんて大変に決まっている!」と言っていました。
もちろん「女将」は大変に決まっています。でもそれは「女将」に限った事ではないと思います。どんな仕事だって苦労はたくさん有るのです。ただ「女将」は、仕事の内容が多岐に渡っていますし、たくさんの人を動かさなくてはなりません。出入り業者も多数です。ありとあらゆる意味でのゼネラルマネ-ジャ-です。普通の会社の事務なら2年も勤めれば一人前ですが、女将はそういう訳にはいきません。私だって実のところ、何処までやれるか判りません。ただ人間は成長していくものですし、年齢と共に考え方も変わって行きます。時代も変化しますし、お客様のニ-ズも常に流動的です。こうでなければいけないと決まった形はないのだと思います。私が成長していく過程で、出来る限りのことをしていく迄です。
仕事場で人が辞めていく理由の第一位は人間関係だと言われますが、私もそういう点では、はじめは大きなプレッシャ-を感じました。私は新入社員なのに社長夫人。社員たちはベテラン揃いですし、年齢的にも私よりかなり上の世代の人が多いのです。社員にとって私は、まだ何もお世話になっていない人ですが、いつかは「女将」になるかも知れない存在です。きっと興味津々だったでしょうし、嫌な人だと困るなぁという気持もあったことでしょう。いくら私が勇気を奮って笑顔で大きな声で挨拶しても、何とも言えない冷ややかな空気のなかで、少し遅れて挨拶が返って来たものです。房総地方の方言は、とても乱暴に聞こえるのでびっくりもしましたし、恐ろしくも感じました。始めのうちは、私からすれば失礼な言葉づかいや態度を取られることも多く、その度に大きなストレスを感じました。
でも本当は、少しのことでもくじけそうになり、主人に泣きついたりもしました。主人は私の話しをその都度ちゃんと聞いてくれましたが、
 「自分が言うのは簡単だけど、本当の解決にはならないよ。
  葉子が自分の力で社員たちに、結構やるんだ、という所を見せ
  れば、自然とそういうことはなくなっていくんだ」と言われました。
全くその通りなのです。自分のことは自分で対処するしかないのです。下の息子が、学校の友人関係で悩んで休み勝ちになった時、その話しをすると涙ぐみ、「そうなんだ」と言っていました。人間は悩みながら、苦しいことに立ち向かって成長して行くもの。新米のうちにたくさん、嫌なことも失敗も経験して、強くたくましい(?)女将になれたらと思います。
3年は何があっても黙っていようと思っていましたが、実際は1年経ったらいろんなことが気になって、指導することも少しづつ出てきました。自分自身、一般社員の頃と何が違うかと言うと、やはり心構えが違います。自分の会社ですから、まだ頼りなくても責任感は誰よりも強いつもりです。それに仕事をすることがとても好きです。なにより接客だけは誰にも負けはしません。
結局、紋屋にはテレビのように悪い人はいませんでした。(それはよかった!ホッ )これからもいろいろな事もあるでしょうけれど、紋屋は自分の会社なのです。泣いても笑っても私は女将、愛する主人は社長であることに他ならないのですから。
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◆素顔の女将◆
家内は伊達巻が大好物で、正月になると数本買い込んで食べ比べをしている。「伊達巻を思いっきり食べられるのが、お正月の醍醐味よ!」だそうだ。「ダイゴミ」、ねぇ........。 (by aruji)

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