委員会設置
普通の会社では、総務部、人事部、販売促進部、商品開発部、営業部、経理部など各部に分かれひとつの会社を組織しています。ところがごく小さな会社の場合、その殆どを経営者がまかなっています。まかなっていると言っても、人間の力には限界がありますし、正直なところ、それぞれが力足らずになっていると言えます。
例えば宿屋の場合、売店などは出入り業者任せ、品揃えも陳列も自らが関わっていないところが多いそうです。自分の売店で売っている商品の味も知らないのです。(私が紋屋に来た時も、殆どの商品は売っている人が食べたことがない製品でした)お料理も仕入れも調理人任せ。フロントは支配人任せ。経営者の多くは、社長は対外的な営業、女将は従業員たちの統括と、お客様へのサービス。それと支払いの管理。全てを一人では抱えられませんが、全てに関わりはもって知り、把握していなければなりません。その為にも、各担当長と常に密に連絡や指導を行える状態でなければなりません。しかし、紋屋では支配人はおりませんし、経理専任もいません。大女将は支払いの精査と管理を担当しています。社長は旅行会社の多くの企画物の書類提出や、各雑誌社の広告の為の書類提出やインターネット上の多くの操作を殆ど一人でこなしており、その他給与計算や予約も今は専任がいないのでメインで承っています。町の旅館組合の会合や各旅行会社の会議などで不在な時も多いのです。
私は宿としてのおもてなしの心を従業員に教える役目と、教育、フロントでのチェックイン作業、部屋への挨拶、礼状書き、顧客管理フロントの人事、他人事全般、クレーム処理、各係への指示、各仕入の精査注文、出入り業者との面談、メルマガの執筆、調理場の監督、接待の支持、マスコミ関係等。社長がいなければインターネット予約などのメールチェックも私の仕事となります。本来であれば半年以上先まで、企画やイベントは決まってなければいけませんが、企画する部署がなく、やることが多すぎるためなかなかはかどりません。
そこで考えたのが委員会の設置です。本来会社というものは経営者が一人で考えて動かすものではなく、働いているみんなの意見が多く生かされ、それによって働くみんなの意欲も湧いてくる。それが本来会社のあり方だと思うのです。しかし、長い間自分で考えてこなかった従業員達は、急に意見を求められても発言すること自体が難しいようです。設置した委員会は、全部で4つ。販売促進とサービス向上、館内設備、そして経費削減の各委員会です。
販売促進委員会では、冷蔵庫に入れる飲料の見直しや、カラオケの値段の見直し、季節ごとのプラン造り、新しい企画商品の開発などに関わってきました。サービス向上ではお客様のアンケートを元に、改善点の位置付け、新しいサービスの導入などを考えます。館内設備は、毎回館内を歩いて痛んでいる個所や、汚れの激しい部位を発見しそれぞれ業者への手配、または自分たちで治せるところは自分たちで修復しています。そして、経費削減では、どんな点で無駄を省けるか精査し、改善に努めています。
24時間営業の会社においては、定期的に会議を行うだけでもかなりの無理があり、また今までしていなかったことを軌道に乗せるのは至難の業でした。正直に申し上げて、まだ昨年の夏から初めて軌道に乗ったとはいえません。今後は会社としてこの委員会のあり方をもっと明確にし、更にはなるべく定期的に行う為に、一部を統合し従業員全員の意識を高めていく方針です。
まだ、ぎこちなく行っているとはいえ、朝食の献立で残り易い物はトマトサラダであると会議中にみんなの中から声が出ました。聞いてみると丸ごと全部食べている方はかなり少なく、殆どの方が半分か一口か二口は残しているということでした。そういえば夏からずっとサラダを変更していなかったと気づきました。冷蔵庫に入れている飲み物もみんなの口々から紅茶は売れないという意見が出てきました。それぞれが気づいているのに、誰もそれを言えないような昔からの社内環境に問題があるのでしょう。夏だけでも朝食の開始時間を早くから承る、カラオケの値段が高いので売れないのではないか、2000円安くしてみてはどうか。舟盛りに魅力を感じる方が多いからお二人から承ってはどうか、季節のプランにお得意様だけの花イチゴプラン(8715円)を作ったらどうかと貴重な意見も多く出ました。それだけお客様からのお声や従業員も思っていることがあるのです。いつも女将にお客様がお話ししてくださるとは限りません。アンケートもすべてのお客様はお書きにならないのです。一番多くお客様に接している係達はやはり多くの情報をもっています。経営者だけでは考えつかないことや、経営者は知らないことも多くあるものです。
紋屋のスタッフはまだまだ上からの指示待ちであり、文章を書くこと、何かを考察することが苦手です。自分の意見が採用され、そのことをお客様から評価してもらえれば嬉しいですよね。そうしたことによって尚一層革新的な意見が多くの従業員の中から生まれてくるようにと期待しています。一昔前はどの会社も年功序列で、新しいスタッフは我慢の上にも我慢を重ねるのが世の常でした。今は、一生その会社にお世話になることも少ない時代です。なるべく自分の適性に合った会社で活躍できる場を持つことが大切なように思います。
私も社長も、もともと今の職種が自分に一番合っているのかは分りません。でも会社が存続してさえいれば、とりあえず自分の考えを形にしては行けます。それは今の厳しい世の中で非常に恵まれていることだと思います。
今迄紋屋のスタッフに自分の意見を言わせなかった時代も確かに永かったのだと思います。会社も頭脳と体がきちんと連結していなければ上手く動きません。従業員同士は仲間、経営者は仲間ではないと考えている人もいるのでしょう。もうそうした時代は終りだと私は考えます。お客様をおもてなしする事に関しては、従業員も経営者も同じ仲間なのです。働くみんなの間からどんどん意見が生まれ実現化していける、みんなが活躍できる職場を提供し、一人一人が生き生き出来る会社組織としていきたいものです。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
おなじみ様がお土産を持っていらした。きっとみんなにだろうと勝手に思った家内は、お客様が差し出さないうちに「有難うございます。」と言って戴いていたが、開けてみたら、足の指を骨折した家内へのお見舞いだった。戴く前によくお話を聞こうね(笑)(by aruji)

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