プチ・リニューアル
皆さん、日曜日の夜8時から(関東ですと10チャンネルで)放送されている「劇的ビフォーアフター」というリフォームの番組をご存知ですか?私は毎週それが楽しみで、夢中になって観ています。そのリフォームは、単純にお金をかけるのではなく、古いもの、愛着があるものを残しながら、もしくは上手く利用して手作りで家具などをつくり、安く仕上げる番組なのです。なんとかそうした趣向が紋屋に取り入れられないか、毎回感心しながら観ていて、今までの紋屋の設備投資をちょっと考えてしまいました。紋屋に旧式なお部屋が数室あることは、ホームページの「お許しください」というページでご案内しています。紋屋に嫁いで以来、その部屋にお客様をお連れしなければならない時には、いつも苦痛に感じてきました。
中には、「子供連れにはちょうど良いです」とおっしゃってくださる方もありますし、そんなお部屋でも再度お越しくださるお客様も少なくありません。しかし、ひとつだけ残っている6畳の部屋だけは、いつも予約の時に6畳であることをお話しし、お安くご案内してきたのです。
何とか家具などの内装だけでも雰囲気作りできないものかと、ずっと考えては来たものの、隣室との壁を取って二間続きの広い部屋が一番いいという結論がでてきます。だから改造するまでは何にも出来ないと、私が嫁に来てからの5年間、昔のまま手付かずにしてきました。
昨年秋の台風でかなりの被害がでて、その際すっかり屋根も天井もなくなってしまった部屋は、2室をつなげて次の間付きの部屋にしました。その後もそれがきっかけとなったと思われる雨漏りや、ひずみ、様々な修理が次々と出てきました。それをひとつひとつ直しながら、壁紙だけでも張り替えるとかなり雰囲気が変わることを改めて実感しました。
お客様からも、「お風呂場のちょっとした備品を変えるだけでもっと素敵になりますよ。」というご感想を戴きました。ありがたい事です。そんな時、「劇的ビフォーアフター」を知ったのです。新しい建物は確かに気持ちがいいものです。お金をかけさえすれば確かにとても良いものが出来ます。しかし、新しいものも必ず古くなります。フランスやイタリアなど、海外の国々も古い建物を上手に使っています。嫁に来た頃はなんて古くて汚いのだろうと思いましたが、それに愛着を持って手入れをし、丁寧に仕上げていくと、その方が良いような気がしてくるのです。社長は「段々貴方の宿になってきているからじゃない?」と言ってくれます。
「劇的ビフォーアフター」では、壊す時に必ず前に使われていた土壁だとか階段の手すり、長年利用してきたもの等を捨てずに再利用しています。紋屋の母は、その番組の中で昔使っていた古いミシンがクラシックなデスクに変わったのを見た時「あー私も同じのを持っていたのに、捨てなければ良かった。」と嘆いていました。
そういえば紋屋には、長年しまってある和太鼓や餅つきをしていた頃に使っていた臼、そうしたものがたくさんあります。新しい家具を買わなくても、昔から使ってきたものを違ったかたちで利用してみる。和太鼓や臼は、上にガラスの板を敷いてテーブルになります。捨てるばかりではなく、ひとつひとつ見直してみたら意外と味があるものもありました。昔使っていたすだれなど、所々切れてはいるものの、その修理の糸が見えるところもかえって物を大切にする心が伝わりそうな気がします。今人気がある都内の和食屋さんなども、必ずしも立派な設備ではありません。照明等で上手く雰囲気作りをしています。紋屋も古い部屋を単なる古い部屋のまま使うのではなく、古さが温かく感じられる部屋にしたらいいのではないかと考え始めました。
お客様から時々ご指摘があった、大浴場まで行く途中の階段。昔のままの壁が所々はがれて汚くなっていました。クロスを貼り分け、照明を変えてみると、意外なほどやわらかい感じがする階段通路になったのです。
読者の皆様やご宿泊の皆様からいただいた、台風被害の際の義援金で禁煙コーナーをロビーに作ることが出来ました。私の習字も少しずつ売店商品のご紹介や館内のご案内・廊下、壁のディスプレイにも使い始め、そうした手作り感も意外と評判は良いようです。
出入りの業者さんやおなじみさんからも、毎回少しずつ変わっていく紋屋や、いつも努力の後が見えることに応援の声を頂いています。お越しの皆様にそれとなく気づいていただける心配りに、これからも努力していかなければと今は思えているのです。
資金が足りないと頭を抱えているだけでは何も進みません。試行錯誤しながらの店作りは結構楽しいです。私が女将としてお客様からのお声をリサーチし、それをもとに社長と毎日ここの廊下の明かりをこうしよう、あの踊り場にこの家具を置いたらどうかなど、これからも常に皆様からのお声に耳を傾けながら、少しずつでも向上していける宿屋でありたいと思っています。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
◆素顔の女将◆
日本語が全く話せない外国のお客様が来る事になった。「館内のご案内は社長にしてもらいましょう!」と決め付けた家内は、「大浴場って何て言うのだろう、ビッグバスかな?」とひとり言を言う。それじゃあ、大きな(車の)バスと思っちゃうんじゃないか。(恐らく public bath とか grand bath ? )(by aruji)

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